「越前竹人形」「飢餓海峡」などで知られる作家・水上勉さんが85歳で亡くなったのは去年9月。あとには水上さんが晩年の心境を語った30時間をこす録音テープが残されていた。様々な病気によって徐々に身体の自由を失うなか、「新しい恐怖」にさいなまれ、狂気の淵に追いやられながら、やがて、「而今」(じこん=ただ今を生きる)という境地に達する水上さん。テープには老いて病に臥した時、誰もが直面する不安や焦燥とどう向き合って生きていけばいいのか、そのヒントが語られていた。
番組では、残された録音テープを軸に、晩年の作家と親交のあった知人らの証言を交え、水上さんが何を支えとして、どう「老い」に向き合ったのか、そのメッセージをひもといていく。
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