今、高齢者による犯罪が急増している。刑法犯罪で検挙された65歳以上の数は10年前の3倍以上。
広島県の尾道刑務支所には、高齢の受刑者を専門に受け入れる設備があり、平均年齢は73歳を超える。ほとんどは再犯で、80%が出所して一年以内に刑務所に戻ってくる。背景にあるのは、刑務所を出ても頼る家族がいなかったり、同居を断られることが少なくないなど、犯罪歴を持つ高齢者を受け入れない社会の現実。高い失業率の今、仕事を見つけることも難しい。
更生を手助けする唯一の機関が更生保護施設だが、入所できるのはごくわずかで、入所期間も半年に限られている。刑務所と更生保護の現場のルポを通して、高齢化が進む中さらに深刻化が予想される『老人犯罪』の現実と対策を探る。
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