パワーショベルなどによるATM荒らしが、一昨年の9件から去年57件と激増、被害総額も3億円を超えた。
犯行が集中している神奈川県で先月末、逮捕・起訴された窃盗団の供述などから、その手口が明らかになってきた。警察のパトロールの裏をかく見張りや、工事のように見せかける工作。重機を複数盗み、最初に壊す重機と、ATMを他の場所に運んで中を壊す重機を分けるなど、犯行はより巧妙に、より短時間で行われるようになっている。
重機メーカーは、暗証番号を入れないと動かないIDキーや、GPS搭載を開発し始めたが、コストアップにつながり建設不況の中、導入は思うように進まない。金融機関側もATM周囲に柵を設けたり、ボルトで固定するなど、犯行時間を長引かせようと検討を始めた。
どこでも便利に現金を引き出せるようになった社会の陰ではびこる新手の犯罪。手口を徹底分析し、対策の最新事情を探る。
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