今年10月、フランスの病院で遺伝子治療を受けていた重度免疫不全症の男の子が、血液のがん、白血病を発症した。「21世紀の夢の医療」と期待された遺伝子治療によってがんが起きたというニュースは、世界の医療現場に大きな衝撃を与えた。
同じような方法を使った治療の実施が決まり、準備の最終段階に入っていた北海道大学でも、治療が開始できる見通しが立たず、「遺伝子治療が唯一の有効な治療」と待ち望んできた子供の家族は「治療を受けることができるか」苦悩している。
十年前に本格的に始まった遺伝子治療はがんなど難病の治療にも広がろうとしているが、治療のリスクと効果をどう考えればよいのか。今、世界の研究者たちの間で大きな議論となっている。
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