医療保険財政が逼迫する中で、今年7月健康保険法が改正され、この10月から高齢者の自己負担が増加している。
背景には、相変わらずの「薬漬け」の実態がある。かつては病院経営のためと言われてきたが、近年は、大量投与そのものが、特に75才以上の高齢者の健康被害を招いていることが大きな問題になっている。
本来高齢者は、身体の代謝機能が落ちるに従って投薬を減らす必要があるが、医者同士の連携が悪かったり、安心するため薬の処方を喜ぶ家族も多い中で、必要以上に薬を服用して副作用を起こし、その副作用を抑えるために更に薬が投与されるといった例が相次いで報告されている。こうした事態に対応するため、薬剤師がイニシャティブをとって患者と面接したり、医師と同様に治療現場に関わっていく体制をとる病院も現れ、地域の在宅医療の現場にも変化が現れ始めている。
高齢者医療の現場で起きている「過剰投薬」の実態とその対応策を探っていく。
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