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大学生が考える原発事故

-福島第一原発を視察して感じたこととは-
  • 2024年02月07日

1月に放送した「はまなかあいづTODAY」内の「ふくしまeye」のコーナーでは、去年8月に始まった処理水放出をきっかけに、原発事故に興味を持って福島第一原発を視察した大学生・石井さんの様子をお伝えしました。
【石井さんを取材した記事は、下記リンクから👇】

このとき、他にも視察に一緒に参加した学生がいました。
まもなく事故から13年が経つ現場はどうなっているのか、廃炉はどこまで進んでいるのかー。学生たちは、それぞれ問題意識を持って原発の構内に足を踏み入れました。

初めて見た事故現場

今回、溶け落ちた核燃料を取り出すための準備作業が行われている原子炉建屋や、事故を起こした2号機と同じ構造の5号機の内部などを視察しました。

また、処理水のサンプルが入った容器を実際に持ってみたりなどしていました。

初めて事故を起こした原発を見て、廃炉の現場を目のあたりにした学生たち。案内してくれた東京電力の担当者に、これまで感じていた疑問や視察で気づいたことを直接ぶつけていました。

東京電力の担当者の話を聞く学生たち
担当者に直接疑問をぶつける学生

参加した学生たちに感想を聞きました

7時間半にも及んだ視察。
後日、参加した学生たちに感想を聞きました。

静岡県出身の大学2年生・貞森健太朗さん。貞森さんは、福島県内の大学へ進学したのをきっかけに原発事故について興味を持ちました。

貞森健太朗さん

静岡出身なので、原発事故がどこか遠い場所で起こった出来事に感じていました。しかし、福島に来て当時の話を直接聞く機会も増えたことで、「自分にも関係のあることだ」と感じ、今回の視察に参加しようと思いました。

(Q.視察に参加して、どうでしたか?)
原発内では、ふだん着の上からベストなどを羽織るくらいで、「大丈夫か?」と思うほど軽装備で現場に入れることに驚きました
でも、原子炉建屋に近づくにつれ、線量計の数値が段々と上がっていって・・・やはり目に見えない放射線というものが本当にあるんだということを実感しました。

福島市出身の大学4年生・大谷雄哉さん。大谷さんは、「原発事故に対して正しい知識を持ちたい」という思いを持っていました。

大谷雄哉さん

私は、エネルギーに関する勉強をしに県外の大学院に進学することになったので、その前に「自分がいる県で起こったことをちゃんと知っておきたい」と思い、視察に参加しました。

(Q.視察に参加して、どうでしたか?)
規模の大きさに圧倒されました
実際に行ってみると、広大な敷地は大量のタンクが埋め尽くしていて・・・想像よりも広く、とんでもないことが原発で起こったのを改めて認識しました。
そして、廃炉に向けて働く人の多さにも驚き、原発構内で行われている作業の規模の大きさを実感することができました。

宮城県出身の大学2年生・田中彩楓さん。田中さんは、原発事故に関心を持ち、より理解を深めたいと、視察への参加を決めました。

田中彩楓さん

私は、原発事故に関する問題・課題について詳しく知ろうとニュースや大学の講義を聞いたり、自分で調べたりしています。しかし難しい言葉も多く、理解しきれないことが多い出来事だなと感じ、「東京電力の担当者に直接話を聞く・疑問をぶつけることで、わかることがあるのでは?」と思い、今回の視察に参加しました。

(Q.視察に参加して、どうでしたか?)
現場を見ながら東京電力の担当者にその場で説明してもらったことで、自身の原発事故に関する情報や知識について、理解を深めることができました。自分の目で見て、直接質問することで「こういうことだったのか」と、自分だけではわからなかったことが、ふに落ちました。

南相馬市出身の大学3年生・遠藤誠大さん。遠藤さんは、原発事故のあと避難生活を経験しました。

遠藤誠大さん

原発事故は、私の人生のなかで切っても切り離せない出来事です。ただ、当時自分は子どもで事故のことをあまり覚えていません。でも、原発事故は今後ずっと付き合っていかなきゃいけないものなので、そこで起こったことを自分の目で確かめたいと思い、今回の視察に参加しました。

(Q.視察に参加して、どうでしたか?)
水素爆発を起こした原子炉建屋が自分の目の前にあるのを見て、「本当にここで爆発が起こったんだな」「ここで大変なことが起こってしまったんだな」と、まざまざと実感しました。この事故によって、自分を含めた多くの人たちの日常が奪われ、暮らしを変えてしまった・・・とてつもないことが起こったことを感じました。

私たちができること

現場の今を自分の目で確かめることで、気づいたこと・感じたことがあった学生たち。視察に参加し、自分たちが今できることはなにかを考えていました。

貞森健太朗さん

「知る姿勢を持つようにしよう」と考えるようになりました。日常のなかで起こったことが自分に関係が無いからといって「他人事だ」と思わず、「調べる」「知る」意識をもって日々過ごすことが大事だなと思いました。

大谷雄哉さん

原子力に関する正しい知識をいろんな人に伝えていきたいと思っています。そして、福島で起こった原発事故のことを県外の人にとどまらず、世界中の人たちに伝えていけるように勉強を頑張っていきたいと思います。

田中彩楓さん

同世代の人たちに、原発事故についてわかりやすく伝えられるようになりたいと思いました。わからないと思ったら「なぜわかりにくいのか?」を自分で調べ、自分の言葉で・わかりやすい表現で伝え、原発事故や処理水放出について理解してもらえるようになれたらいいなと思います。

遠藤誠大さん

原発事故があったこと、事故が起こった経緯を自分より若い世代の人たちが忘れないように伝えていきたいです。「こういうことがあった」ということを忘れないでおく・消えないようにすることが大事なのかなと、現場に行って感じました。
原発事故に対して当事者意識を持ち続けながら、事故が起こったという事実が忘れられないように、自分から行動していきたいと思います。

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