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料理家・栗原はるみさん 福島の旅と充実した人生の送り方

「おいしくて、たのしくて 栗原はるみの福島さんぽ」 2年目に向けた思いを語る
  • 2024年02月06日

こんなに笑うのは最近ですと料理家の栗原はるみさん。栗原さんのステキな笑顔とともに始まったインタビュー。5年前に最愛の夫・玲児さんを亡くし、深い悲しみのさなか、残された人生を「楽しく」生きようと始めたのが福島の旅です。
 去年4月から福島放送局で始まった「おいしくて、たのしくて 栗原はるみの福島さんぽ」。この1年間の「福島旅」を振り返り、充実した人生を送るためのヒントを聞きました。

【福島での1年を振り返って】

日本のあちこちはもうだいぶ行ったので、ひとつ決めた場所に、ずっと行ってみたいなという気持ちがあって。それが福島かな。実際に伺ったら本当に優しい人にばっかりお会いして、ここが行きたい場所になりました。それと(私の)田舎の風景にちょっと似ていて、私が両親を思い出したりする場所にもなっています。風景や親を思う気持ちも含めて「福島っていいな」と。

故郷・下田(静岡)を思い出すという いわき市小名浜港にて

福島の人は、震災などで大変なこともいっぱいあるけれど、言葉に出さないで頑張っている人たち。みんな真面目に生活している方ばかりじゃないですか。自分のやっている仕事を「なんと真面目にやっている人たちなんだろう」というのをすごく感じて、身が引き締まるような思いがします。皆さんを見ていると素晴らしいなと思って、自分の仕事を真面目にやらなきゃって思いました。福島での体験がひとつひとつ勉強になりますね。

【悲しい道から元気になる道へ】

栗原さんは、5年前に最愛の夫・玲児さんをがんで亡くしました。大切な人に会うことのできない絶望感と孤独感。それ以来、「悲しい道」と「元気になりたい道」を行ったり来たりする日々を送ってきたと言います。

夫・玲児さんと栗原はるみさん(撮影:中野博安)

もうあまりにも泣きすぎて疲れましたね。絶望しかないですね。
でも、よくよく考えてみると、彼が余命宣告されたのが、あまりにも期間が短くて、あっという間に逝っちゃったかんじです。いま冷静に思うと、切ないんですけど、彼が私にくれた人生だと思うしかないですよね。
もし彼がいま元気だったら、違う人生ですよね。全くいまの人生と違う人生じゃないですか。「年齢が離れた僕と一緒になってもらったから、僕の人生を君にあげる」と言っているような気がして、その人生をもらったかんじ。そう思うと残された人生を大事に生きなきゃいけないと思います。

どうすれば自分らしく充実した人生を送れるのか?
栗原さんは息子の心平さんに勧められたことがありました。それは「人生でやりたい100のリスト」を作ることです。
日常のささいなことから、語学や楽器の新しい習い事、好きなファッションを楽しむこと、など。栗原さんは思いつくかぎりの「やりたいこと」をリストアップしてきました。

栗原さんが記した「人生でやりたい100のリスト」

最初はあまりにも私が泣いていたから、息子が心配して「好きなことを考えてみたら。全部付き合ってあげるから」と言われたのが、そもそもの始まりで。

「私が大切にしていること、何げない日常ですが、仕事もプライベートのことも自分が決めたことだけは必ずやろうと思います。その積み重ねが、いい人生だときっと思える時が来るのだと私は信じています。悔いのない人生のために駆け抜けていきますよ。」
(“100のリスト”の最後に書かれた一文より)

栗原さんは、リストに書き出したことを少しずつ達成していくことで、次第に気持ちに変化が現れるようになっていったと言います。

「自分がどういう風に生きたいか」ということがこれを読むと分かりますよね。どんな風に自分が生きていこうかなっていうことが、はっきりわかるようになってね。
心の中ではやっぱり「元気になりたい。ならなきゃいけない。」という葛藤があるからじゃないですかね。それは案外書くまではわからなかったけどね。書くことによって、それに向かうじゃないですか。やっぱり、向かいたいし、達成したいしね。

【リストに記した「福島の旅」】

いま実現したいことのひとつ。
それは「福島の人たちと仲よくなること」です。
「デパートに行くのも夫と一緒」と言うほどシャイな栗原さん。単身で福島県を訪れ、直接 地元の人たちと交流を続けるのは初めての挑戦です。

やりたいことのひとつ「福島の人たちと仲よくなりたい」

玲児さんがいる人生とは違う人生を自分で徐々に作り始めたなという実感はあります。やっぱり、どんな人でも悲しんでばかりいたら、人生終わってしまうでしょう。だから、少しずつでも、毎晩つらくても、どうしたら自分が楽しい、いい人生を送れるかということを自分でしっかり考えないといけないな、というのはあります。
いろんな人に助けられてきたけど、でも最後では一人ですよね。自分で考えるしかない。こういう言い方も切ないですけれど、それしかないなって、いまは実感しています。

この1年で、福島県内8ヶ所を旅してきた栗原さん。その中で、地元の人達のリクエストに応えながら、オリジナルレシピを披露してきました。

料理を通じて深めてきた福島の人たちとの交流

何か少しはお役に立たないといけない。「元気に楽しく」が私のモットーなので、それが伝わるといいなと思いますね。
例えば福島の方々が料理に使っている食材で、全く料理したことがないようなものを伝えられたら。和食しか使わなかった食材をイタリア料理にしてみたり、韓国料理にしてみたり。そういうことができたら、福島の皆さんの生活が少し広がって、話題にもなったら、楽しくなるのかなと思いますね。

【2年目の「福島の旅」に向けて】

もっともっと福島の知らない事をいっぱい知って、皆さんに教えていただいて、楽しい時間を過ごせたらうれしいなと思っているんです。それを知ることによって、もっと(福島の魅力を)ご紹介できたらいいなとか。

今年、2年目を迎える福島への旅。
これまで、栗原さんは、福島の人たちから「優しさ」や「元気」を受け取ってきたと言います。
これからは、受け取ったものを栗原さん自身が返していく旅にしたいと考えています。

2年目の福島の旅に向けて・・・

福島の皆さんから優しさをもらっています。お互いに悲しさとかつらさは違うんですけど、どこかで通じてるところがあるのかなとちょっと思っていますね。
だから、何か(福島の皆さんが)元気になってもらえることを、私ができたらいいなと思いますよね。

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