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福島県鏡石町・キクラゲで新たな名産品を!

ココに福ありfMAP
  • 2023年07月21日

fMAP・今回は「鏡石町」へ!

駅前にずらりと並ぶ牛のモニュメント。
ココに福ありfMAP、今回の舞台は、唱歌「牧場の朝」が生まれたまちとして知られる鏡石町(かがみいしまち)です。

中通り南部に位置する県内で一番面積が小さな町で、田んぼアートで知られるように米作りが盛ん。
いちごやりんごの栽培も行われている農業のまちです。

まちで話題の・・・「キクラゲ」!

そんな鏡石町の農産物がそろう「まちの駅かんかんテラス」で今話題となっているのが・・・。

そう、「キクラゲ」なんです!
これから夏にかけて旬の時期を迎えます。
駅長の八木操さんもイチオシの商品です。

八木さん

飲食店の皆さんとか、あとは学校給食にも利用されています。健康食といいますか、そういった形でキクラゲもいまブームになっています。

菅原

栄養満点ということで。

鏡石町のキクラゲは、町内の事業所が5年前から生産をはじめ、いまは町内や県南部のスーパーでも販売しています。低カロリーでビタミンDが豊富、食物繊維はキャベツのおよそ8倍という栄養価の高さ、なによりでの販売ということで注目を集めている食材です。

八木さんのご厚意で、特別に試食させていただきました。
30秒ほど沸騰したお湯にくぐらせ、わさび醤油でいただきます。

菅原

ぷるっぷる、こりっこりです!貝のおさしみのような食感!

八木さん

どうしても今までは脇役っていう食材だったんですけど、こうやって食べれば主になる。

地元の農産物で名産品を

まちの駅駅長の八木さんは、鏡石町に住んで40年以上。
町が大好きで地元でとれる農産物を使った名産品を生み出したいと、さまざまな場所で働きかけを行ってきました。

そんな八木さんが協力しているという、町内産のキクラゲを使ったユニークな取り組みがあるということで、ある場所に案内してもらいました。

高校生がキクラゲを意外なものに活用!?

県立岩瀬農業高校。
農作物の栽培や畜産など農業について専門技術や知識を学ぶ生徒たちが通っています。

こちらで行われている取り組みというのが・・・。

養鶏専攻3年生

鶏の餌にキクラゲの粉末をいれて食べさせてという感じでやっています。

出荷時に廃棄していた軸の先の部分を有効活用できないか。
キクラゲを生産する事業所がまちの駅の八木さんを仲立ちにして、岩瀬農業高校に相談。
そこで生徒たちは、「細かく砕いたキクラゲの軸」を飼育する鶏の餌に混ぜてあたえることを考えました。

そして生まれたのが、こちらの卵。

県内の調査機関の分析では、骨の健康に欠かせないカルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」が一般の卵の1.3倍含まれているという結果が出たといいます。

養鶏専攻3年生

ビタミンDがいつもの卵よりいっぱいになって、すごくおいしい卵になります。

高校生との連携で生まれた新たな展開に、八木さんも頼もしさを感じています。

八木さん

廃棄するものが生徒さんの発想によってこういう形で、出てくるっていう、本当に私も生徒さんの、若い方たちの発想というのがすごいと思っています。

焼き菓子店もまちのキクラゲを応援!

キクラゲを後押しする取り組みはもうひとつあります。
八木さんの紹介でやってきたのは、こちらの焼き菓子のお店。

店内に並んでいたのは・・・。

店主

キクラゲをパウダーにしたものを使ったお菓子です。

え~!キクラゲのお菓子!?初めて出会いました!

キクラゲを生産する事業所の社長がこの店に通っていたことが縁でできたというこの焼き菓子。
栄養を豊富に含むキクラゲを、クッキーやクラッカーなどのお菓子にすることで、もっと気軽に、おいしく食べてもらいたいと開発したといいます。

果たしてそのお味は・・・?

ほろほろ~!優しい甘さで、これはキクラゲって言われなかったらわからない。キクラゲが苦手な方もわからずに「おいしい」って食べちゃうと思います。おいしい!

開発したのは、石川町出身の店主・忍田建一さんです。
長年東京で腕を磨き、去年3月にこの店をオープンしました。縁あって移住した鏡石町の特産品を使い、ほかにはない菓子をつくりたいと、このキクラゲの焼き菓子を開発しました。

忍田さん

キクラゲが中華とかで食べるものじゃなくて、お菓子なんかにもできるんだよって、それで広まっていただければと思って。少しでも応援したいなと思います。

まちにはまだまだ可能性のある産品が!

「キクラゲにをはじめ、まちにはまだまだ可能性を秘めた魅力ある産品がたくさんある」
八木さんは今後も生産者との会話を増やして名産品づくりに取り組んでいきたいと話します。

八木さん

農家さんが野菜を持ってきたり、加工品を持ってきたり、朝おみえになったときに、いろんな話しをして、お話の中でヒントを得て、「なんかじゃぁ作ってみよう」って、私ひとりじゃなくて本当に皆さんとお話しながら生まれてくるのかなって、どんどん広がっていけばいいなと私は思っています。

編集後記

取材している中で、菓子職人や農業高校の生徒たち、それぞれの特色を生かしながら、町の名産を作ろうと取り組んでいる姿が印象的でした。
ご紹介した岩瀬農業高校の生徒たちが生産している「キクラゲを餌にまぜた鶏の卵」は、生産量が少ないため、まちの駅かんかんテラスのみの限定販売となっています。原則火曜日と金曜日の週2回店に並ぶということです。

  • 菅原成美

    福島局コンテンツセンター・アナウンス

    菅原成美

    宮城県仙台市出身。2023年から「ココに福ありfMAP」を担当。福島のまだ見ぬ魅力を体当たりで取材中。

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