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福島市 納豆 日本一 なんで?

NHK福島の新コーナー しらべてmeet!
  • 2023年04月18日

今年度から始まった、福島の謎から暮らしの疑問など、県内の「なぜ?」について、NHK福島放送局が調査・取材して答えに迫るコーナー「しらべてmeet!」、今回は納豆の三大不思議の1つに福島放送局の加藤成史アナウンサーが迫ります。

突然ですが、納豆の三大不思議って、ご存じですか?

納豆業界には、答えがわからないものが3つあるそうなんです。それが…

① 納豆は何回混ぜるのがベストか?
② タレを入れてから混ぜるのか、混ぜてからタレを入れるのか?
③ 福島市がなぜ購入額が1位なのか?

①と②は、諸説あるいは好き嫌いがあり、なかなか最適解を見つけるのが難しい問題です。
③については、正直知りませんでした。純粋に疑問です。納豆と言えば水戸ですよね。特にこれまで福島が有名だったわけではありません。福島市が、納豆を食べることにことさら力を入れている、とも聞いていません。

なぜ福島市は納豆購入額 日本一?

全国の県庁所在地と政令指定都市の世帯で、1年間どのくらい納豆にお金を使ったかを調査した総務省の家計調査が元になっています。県庁所在地を県に置き換えて日本地図に色をつけてみると、東高西低の傾向が見られますね。

納豆で有名な水戸を1000円近く引き離す!

なぜ購入額が1位なのか?仮説を立ててみました。

 福島市民に納豆の高級志向があれば、1世帯あたりの購入額は上がるはず…

そこで、スーパーマーケットで、個々のお客様が普段どのくらいの値段の納豆をいくつ買っているか、つまりは客単価を取材して傾向を探ろうとしたんですが、経営データに関わることなので、教えてくれませんでした。また、どのくらいの品揃えなのか、どの商品が売れているかという比較も出来ませんでした。 
そこで、加藤の独自調査です。

福島市内の、とある中規模スーパーで売っていた納豆

福島市内のスーパーマーケットを10軒以上回り、売っている納豆の種類と料金の幅を調査しました。中規模のスーパーで、30種類は置いてあります。想像以上にバラエティに富んでいて、近隣の県で作っている、特徴ある納豆もありました。価格は90円~140円がほとんどですが、200円以上のものも結構あります。高い納豆がある、ということはそれだけ購入単価が上がることに通ずるので、高級な納豆を食べている人もいる、ということになります。
ただ、東京都や埼玉県にあるスーパーマーケットを同じように歩いて調査したのですが、中規模スーパーでは20~30種類並んでいるところも珍しくありませんでした。福島市との決定的な価格の幅も確認できず、「だから福島は高級志向だ」とは言えませんでした。 
そこでもう一つ仮説。

興味深いデータがありました。「全国納豆協同組合連合会」が、2年に1回、納豆に関する一般消費者の動向を調査しています。年齢性別職業がバラバラな全国の2000人に、納豆を食べる時間帯とか、納豆を食べるときに入れるもの、最も好きな豆の大きさ・固さなど、非常に細かいことを尋ねています。そこに納豆を食べる頻度を問う設問がありました。

東北の人はよく納豆を食べる!

都道府県単位ではなく、北海道・東北・関東・北陸など、大きなくくりでの地方のデータですが、東北では結構な頻度で納豆を食べています。この率は全国の地域の中でも一番です。

東北の人はこだわり納豆を食べる!

原料や製法にこだわった納豆「こだわり納豆」を購入するか尋ねた質問では、こだわり納豆を買うと答えた人の割合が、 全国の地域の中で一番であることも分かりました。

これにより、「東北地方では」コダワリの、やや値段が高い納豆を頻度高く食べる人が多いのではないかということが分かってきました。しかし「なぜ福島で」という問いに対する答えを得ることが出来ません。

そこで、答えを求めて、「チコちゃんに叱られる!」「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」でもおなじみの、食文化史研究家の永山久夫さんを訪ねました。東京在住の永山さんは福島県の楢葉町のご出身で、納豆に関する本もお書きになっています。

日本人全体の健康意識が強くなっているが、中でも福島県の人は大変強い。
食べ物に対する意識が変わってきたのではないか。自分で健康管理しよう、そのため何が良いだろう、と考えて納豆に向かっていったのではないか。

福島県愛と納豆愛が強い永山さんの結論でしたが、この謎、データ的な裏付けはできないものか…

まさかの回答!

そこで、納豆のことならなんでも知っているという、前出のアンケートを実施した「全国納豆協同組合連合会」の広報担当者に話を聞きました。

納豆の専門家でも答えが分からない、やはり三大不思議だったんですね…
これだ!という答えにはたどり着けませんでしたが、これまでに調べたデータをまとめると、

このほかに、各地の納豆給食の頻度や納豆製造所の数なども調べたのですが、どれも決定打とはなりませんでした。様々な要因が複合的に絡み合って日本一になったのではないか、というのがたどりついた結論です。
「もしや、これが大きな要因では?」という情報をお持ちでしたら、是非NHKまでお寄せください。
https://forms.nhk.or.jp/q/6M02YSEC?cid=orjp-ala070

目にもとまらぬ速さで納豆をかき混ぜる筆者
  • 加藤成史

    NHK福島アナウンサー

    加藤成史

    北海道出身 納豆は毎朝欠かしません

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