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【解説】東日本大震災・原発事故「"現在進行形”の福島」

ゼロからわかる福島のいま 第5回
  • 2023年02月13日

東日本大震災と原発事故の発生から12年がたとうとする福島の現状や課題、復興の現在地などについて、1日1テーマに絞ってまとめ、これから3月に向けて増えていく震災・原発事故関連のニュースを見る際の羅針盤にしてもらおうという取り組み。5回目のテーマは、東日本大震災と原発事故の発生から12年がたとうとしている今でも、めまぐるしく事態が動き続けている福島の復興の現状についてです。

「拠点区域」で避難指示解除

去年は、立ち入りが厳しく制限されてきた帰還困難区域で、大きな動きがありました。先行して除染を進める「特定復興再生拠点区域」がある6つの自治体のうち葛尾村、大熊町、双葉町で多くの人が待ちわびた避難指示解除が実現しました。

処理水放出計画にも大きな動き

福島第一原発で増え続けるトリチウムなどを含む処理水を海に放出する計画も、去年8月に放出に使われる海底トンネルなどの工事が始まり、実施に向けた動きが本格化しました。

翌月には、政府が、震災復興の一環でことし4月に設立する教育研究施設の整備地を浪江町にすることを決めました。
 

賠償問題めぐっても大きな動き

原発事故の賠償をめぐっても、大きな動きがありました。11月には、原発事故の避難者が国や東京電力に慰謝料などを求めた集団訴訟で、賠償の基準となる「中間指針」を上回る賠償額を認める判決が相次いで確定したことを受けて、文部科学省の審査会が指針の見直し議論に着手。

先月末には、東京電力が賠償の対象を大幅に拡大した新たな基準に基づいて具体的な金額の目安を公表しました。

ことしもさまざまな動きが

ことしも、浪江町、富岡町、飯舘村で帰還困難区域の一部の避難指示が解除され、「特定復興再生拠点区域」の解除はすべて終わる見通しです。

また、飯舘村はこれにあわせて、いわゆる「除染なき避難指示解除」の枠組みを使って、初めてとなる「拠点区域外」の避難指示解除を行う方針です。

春から夏ごろにかけて、懸案となっている原発の処理水の放出も始まる見通しで、原発事故からの復興をめぐる福島の状況は、ことしも大きく動いていくことになりそうです。

  • 藤ノ木 優

    NHK福島放送局

    藤ノ木 優

    2009年入局。初任地の福島局で東日本大震災を経験。その後、札幌局などを経て科学・文化部で新型コロナの医療取材や、科学分野の取材を中心に担当。2022年から再び福島局に。

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