【解説】東日本大震災・原発事故「2011年3月 あの時何が」
ゼロからわかる福島のいま 第1回
- 2023年02月07日
東日本大震災と原発事故の発生から12年がたとうとする福島の現状や課題、復興の現在地などについて、1日1テーマに絞ってまとめ、これから3月に向けて増えていく震災・原発事故関連のニュースを見る際の羅針盤にしてもらおうという取り組みです。
1回目のテーマは、私たちが暮らす福島、そして日本や世界を変えた2011年3月、あのとき何があったのかです。
東北沖でM9.0の巨大地震
2011年3月11日の午後2時46分ごろ、東北沖でマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、東北や関東の沿岸に高さ10メートルを超える津波が押し寄せました。12万棟以上が全壊し、警察庁などによりますと、これまでに確認された死者・行方不明者はあわせて1万8423人、福島県だけで1810人にのぼります。
世界最悪レベルの原発事故
津波による浸水で、東京電力福島第一原子力発電所はすべての電源を喪失し、1号機から3号機までの3基で、原子炉の核燃料が溶け落ちるメルトダウン=炉心溶融が起きました。
原子炉の内部には溶け落ちた核燃料が今も残っていて、注水による冷却など収束に向けた作業が続いています。
この世界最悪レベルの原発事故によって、周辺の12の市町村に避難指示が出され、最大で16万4865人が避難を余儀なくされました。
ふるさとを取り戻すために
そして、さらに大勢の人生や地域の産業が取り返しのつかない影響を受け、損害を被りました。南相馬市、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、葛尾村、それに飯舘村の比較的放射線量が高い地域には、立ち入りが厳しく制限される帰還困難区域が設定され、今も、放射性物質を取り除く「除染」やインフラ整備など、避難指示を解除しふるさとを取り戻すための取り組みが続けられています。