福島で広がる“電子”図書館 便利な面と課題
- 2023年02月06日

「電子図書館」とは、図書館に行かなくても、スマートフォンやタブレットなどでデータ化された書籍を借りて読むことができるサービスです。福島市立図書館が県内最大規模のサービスを2月1日にスタートするなど県内でも広がりを見せています。電子図書館とはいったいどのようなものか、取材してきました。
取材したのは、去年10月から「電子図書館」のサービスを始めた須賀川市中央図書館です。

司書の志賀麻美さんは、「電子図書館」は、その便利さから好評だといいます。

志賀麻美
さん
サービスが始まって約3か月経過しますが、のべ500冊ほど借りていただいていて、楽しんでいただいているんだな、というのが伝わってきます
市民と市内に通勤通学している人なら、無料で利用できるこのサービス。現在、貸し出しできる書籍は580冊ほどですが、利用者の要望を聞きながら少しずつ増やしているそうです。
利用方法
手続きは簡単です。本を借りるときに図書館に出向く必要はなく、最初の1回だけ利用者登録が必要です。借りる時は設定した「パスワード」を入力します。


キャスター
いろいろな本の表紙が出てきました

借りたい本を選んだら、「借りる」ボタンを押すだけ。
これで手続きは完了です。

どこでも手続きでき、すぐ読むことができます。


キャスター
返すときはどうするんでしょうか

志賀麻美
さん
『返す』ボタンで返却もできますし、貸し出し期限が過ぎると、自動で返却されますので、万が一忘れても返却できます

図書館側も、本の返却を促す連絡や、修復をする必要がなくなり、効率化できるといいます。
電子図書ならではの魅力
電子図書だから実現できる魅力があります。

①文字の拡大
文字が小さくて読みづらい場合は拡大することができます。

②読み上げ機能
「再生ボタン」を押すと小説を読み上げてくれます。

電子図書館の書籍整備の仕組み
公立図書館は、電子書籍を貸し出す専門業者から書籍ごとに1冊1ライセンス単位で購入します。1つのライセンスで同時に読むことができるのは1人だけのため貸し出し中だと借りられないこともあります。また、貸し出しの期間と回数には上限があります。

電子図書館の課題
電子図書の整備には、多額の費用がかかります。須賀川市中央図書館によると、電子書籍1冊の値段は、高いものでは紙の書籍の3倍ほどになるといいます。 新しい電子書籍の導入や、ライセンスが切れた書籍の再購入も限られた予算内で行わなければなりません。
他にも、そもそも電子化されている書籍がまだ少ないことや、 利用者のニーズがつかめていないという課題もあります。
須賀川市中央図書館では、利用者の声を取り入れてサービス向上につなげたいとしています。

志賀麻美
さん
これから冊数を増やして充実させていくところですが、 電子図書館をきっかけに、幅広い年代の人が本を読むきっかけになればと思いますし、ぜひいろんな本を楽しんでもらえればと思っております。