出演者のみなさんをご紹介します!
実力者揃いの出演陣今作にかける思いとは
こんにちは!FMシアター『はるかぜ、氷をとく』演出の小林です。
きょうは『はるかぜ、氷をとく』にご出演いただく方々をご紹介します!
みなさんとても真摯に作品に向き合ってくださり、本当に素晴らしい演技で作品を支えていただきました。収録本番中のみなさんのお芝居を聴きながら、私はすでにだいぶ涙腺がキてました。本当に自信を持ってみなさんに「聴いてください!」と言いたいお芝居をしてくださいました。
ちなみに、セリフの収録はすでに終わっていて、今は作品の最後の仕上げをしている段階です。ラジオドラマの収録現場とはどんな感じなのか、そして作品の仕上げ作業とはどんな作業なのか...そのあたりの制作の舞台裏も、HPで今後公開していきますので楽しみにしていてください!それでは今日の本題、出演陣のみなさんのご紹介です!

福島に娘とともに残った母親
娘のこなみとともに福島に残った母親・麻子を演じていただくのは、酒井若菜さんです。渡辺あやさん脚本の作品へのご参加は「初めて」という酒井さん。姉に対する複雑な思いを胸の奥に抱えた麻子を実際に演じて、こんなコメントをいただきました。
どう表現すべきかわからない、けれど誰もが心に抱えたことがあったり、抱え続けていたりする感情を共有できる作品です。「私があの時感じていたの、これなの」「私があの時間違っちゃったの、これなの」。そんな風に、大切な人と一緒に聴いてもらえたらと思います。

福島から息子とともに避難した母親
一方麻子の姉で、息子の麦(ばく)とともに原発事故後、福島から千葉へと避難した母親・祐実を演じていただくのは、新山千春さんです。連続テレビ小説『カーネーション』で、渡辺あやさんとはご一緒されています。ご自身にも14歳の娘さんがいらっしゃる新山さん。それだけに祐実という役を特別な思いで演じられたそうです。
タイトルの通り、焦らずにゆっくりと、被災された方々をはじめ多くの方々が心に抱える“氷”がとけていく、今回の作品がそこに寄り添い、その背中をそっと押すことができるものになればいいなと思っています。

祐実とともに千葉へと避難した高校生
祐実の息子で、こなみの同い年の従兄弟の麦役を演じていただくのは、三村和敬さんです。渡辺あやさんが2018年に脚本を担当されたNHKの地域発ドラマ『ワンダーウォール』にもご出演されています。渡辺さんたってのご希望で麦役をお願いさせていただいた三村さんからも、作品について、とても素敵なコメントをいただきました。
たくさんの祈りがこもった作品です。けれどそれは押しつけるものでもなくて、聴いていただいた時にふと、自分の近しい人を思ったり、大切なものを考える時間ができたりする。そんな作品にできたらいいなと思います。

麻子とともに福島に残った高校生
物語で重要な役割を担う、福島の女子高生・こなみ。その大事な役を演じていただくのは、なんと今回演技初挑戦、郡山出身の18歳・中村天海さんです!2011年当時は小学2年生だった天海さん。その後、郡山から山形におよそ2年半の母子避難を経験しました。今回、脚本制作のための取材にご協力いただいたのがきっかけでこなみ役のオーディションを受けていただくことになり、脚本の渡辺さんも交えた選考の末、こなみ役に抜擢されました。「演技なんてやったことないし、何もわからない」と収録前は不安も漏らしていた天海さんですが、いざ収録が始まると、他の演者さんやドラマスタッフも圧倒されるほどの表現力で、しっかりと「こなみ」のキャラクターを作っていただきました。彼女の等身大でかわいらしいこなみ役、ホントに必聴です。
今回、このようなチャレンジの場をいただけて、とても驚くとともに喜びを感じています。脚本を読めば読むほど、「こなみ」という女の子と自分との距離が近づいていったように感じました。自分なりの演技で、少しでも多くの方が福島に思いを馳せるきっかけとなる作品にできたらと思います。
今作に参加していただいた4人の方々、本当にそれぞれの役を深く考え、解釈し、熱演していただきました。素晴らしいキャストの皆さんと真剣勝負のお仕事をさせていただけて、本当に幸せでした。ありがとうございました。ご紹介した4人の演技、超絶楽しみにしていてください!
さて次は、ラジオドラマ制作の舞台裏~収録編~です!ラジオドラマはどんな風に出来上がるのか、収録の模様をお伝えします!