ものがたり

中通り

小澤啓子さん

  • 未来デザイナー

郷土の味は、福の味

古殿町には、ふるさとの味を未来へ受け渡す女性がいる。

手作りの料理を毎日、道の駅で販売する小澤啓子さん。

どれも昔ながらの郷土料理。開店数時間で売り切れてしまう人気だ。

 

味噌をまぜたご飯を揚げ、甘辛仕立てにした「あげまんま」。表面がパリっとして、中はもちもち。残ったご飯をいかす生活の知恵から生まれた子どもたちのおやつだ。

 

こうした郷土料理は、小澤さんが地域のおばあちゃんたち訪ね歩いて、復活させたもの。

実に50人以上を取材して回った。

 

教えて貰ったことを思い出し、ひとつひとつの郷土料理を作る小澤さん。

自然と先輩たちの顔が思い浮かび、つながりを実感して、幸せな気持ちになるという。

かつて、何も無いと思っていた故郷。実際には宝の山だったことに気がついた。

 

「身近なところに知恵を持った人がいっぱいいる。昔は町に何もないって思っていたけどとんでもない。ありすぎるぐらいあった。」

 

郷土の料理を通じて広がる輪。

今では、世代を超え若いお母さんたちも、伝え残していきたいと小澤さんの元に、

料理を習いに来ている。