夏の高校野球福島大会リポート③伝統校の"自主性"

15日、白河グリーンスタジアムの

第2試合に登場した磐城。

 

県内有数の伝統校はあるモットーを大事に

最後まで戦いました。

 

3回、1アウト3塁1塁と先制のピンチ。

岩間涼星捕手が呼びかけ、内野陣がマウンドに集まります。

 

しかし、伝令の選手がベンチから出てきません。

 

どうしたのかなと思いながら、その後も、

磐城ベンチを見ていると、毎回の攻撃前の円陣にも

木村保監督の姿はありません。

 

選手だけで話し合っています。

 

木村監督。

「試合をやるのは選手たち。そしてこの高校の子たちは

 どういう確認をすればいいか、それぞれの場面で

 どんな話をすればいいか理解できている。自主性を大事にしています」。

 

6点ビハインドで5回までを終えた磐城。

 

6回の攻撃前に確認したのは、

「打たされている。狙い球を絞って 決め打ちしよう」。

 

直後、連打とフォアボールで満塁とすると

4番の阿部倫太郎選手。

 

阿部選手。

「ストレート1本で狙っていました」。

 

思い切り振りぬいた打球は高々と上がり、ライトスタンドへ。

この試合1番の歓声に包み込まれる球場。

 

モットーが実を結んだ瞬間でした。

 

木村監督。

「自分がやる。自分が引っ張る。指示を待つ人間ではなく、

 自分から動ける大人になってほしい」。

 

遠藤民生主将。

「この野球部で学んだことを生かして何でも自分から

 起こせる人間になっていきたい。

 これからは受験勉強を頑張ります」。

 

ベンチ裏で互いをたたえあう選手たちの瞳からは

「自分はやり切った!」という思いが

あふれ出ていました。

 

(高校野球担当 中村記者)



夏の高校野球リポート 戦国福島

投稿時間:18:32