マイ・タイムライン作ってみた!
- 2023年05月19日

みなさんは災害時にどう行動するか、考えていますか?
どのタイミングで、どんな行動を取るか、あらかじめ決めておく「マイ・タイムライン」。
福岡市はパソコンやスマートフォンで簡単に作成できる専用サイトを開設しました。
記者が実際に作ってみました。(NHK福岡放送局 記者 若林諒太)

かつて氾濫し、改修工事が行われた樋井川沿いに住む私は、今回、福岡市地域防災課の小川さんに教えてもらいながら「マイ・タイムライン」を作ってみました。
専用サイトは「福岡市 マイ・タイムライン」です。
作成ステップは全部で5つです。
ステップ①ハザードマップで災害リスク確認

水色や青色の場所は、洪水による浸水のリスクがある場所。
画像中央の黄色や赤色の場所は、土砂災害のリスクがある場所です。
ハザードマップによると、私の自宅の近くは、最大1メートルから2メートルの深さまで浸水する可能性があるということでした。

「これはどれくらいの深さなんですか?」

「1階の半分くらいまでが最大2メートルだと浸水する想定になっています」

ハザードマップで確認した結果をもとに、自宅が浸水する場合の深さなどの質問に回答し、災害リスクを確認します。
ステップ②避難場所を決める

私の自宅の近くには複数の避難場所がありました。

「どこに避難したらいいのでしょうか?」

「避難経路上に川がはさまると、河川の氾濫や増水でリスクが伴いますので、この川の反対側に避難する方がいいと思います」

避難する場所が決まったら、具体的な避難場所や所要時間を入力します。
ステップ③避難のタイミングを決める

家族構成や自宅の災害リスクを選ぶと、5段階の警戒レベルのうちどこで避難すべきかタイミングが分かります。
私は1人暮らしなので、警戒レベル4の避難指示で避難を開始となりましたが、高齢者や小さな子どもがいる家族は、それよりも早い警戒レベル3の高齢者等避難で避難開始となります。
ステップ④非常用持出品などをリストアップ

食料や水のほか、身分証や現金、携帯電話の充電器などは必須です。
小さな子どもがいる場合は、ミルクやおむつ、高齢者は薬なども忘れずに。
そこで、1つ疑問がわきました。

「コロナは5類移行になったと思うんですが、こちらに書いてあるマスクと消毒液、感染対策のグッズは必要なんですか?」

「避難所には高齢者など重症化リスクが高い方が避難される可能性があります。
引き続きマスクや消毒液も各自ご持参いただいたらと思います」
ステップ⑤警戒レベルに応じて行動決定
いざというときに慌てないために、事前に行動を決めておきます。

例えば、「大雨・洪水注意報」が発表されるような警戒レベル2の段階では、避難経路の再確認や携帯電話の充電などにチェックを入れます。
そして、私の場合、避難を始める警戒レベル4までの行動を確認し、チェックを入れるとすべてのステップが終了です。通常、家族で話し合いながら30分ほどで完成するということです。

完成したタイムラインは、サイトで閲覧できるほか、データの保存も可能なので、印刷もできます。

「今回、パソコンやスマートフォンで簡単に作成できるサイトを開設したので、作成時間を短縮できます。これから出水期を迎えて、大雨などの災害リスクも高まります。いざというときに落ち着いて行動ができるよう家族で楽しく話しながらマイ・タイムラインを作っていただきたいです」
作成を終えて
原則は、自宅の外に避難することとなっていますが、福岡市によりますと、自宅に浸水の危険があっても、マンションの高層階など浸水する深さよりも高い位置に住んでいる場合は、自宅にとどまり安全を確保することも可能だということです。
自宅にとどまる場合は、水・食料などの備えが十分にあることや、洪水により家屋が倒壊などするおそれのある区域でないことが条件です。

専用サイトで作成するのが難しい人も安心してください。
福岡市は手書きで作成できるマイ・タイムライン作成ガイドも配布しています。
ハザードマップの紙とあわせて、福岡市役所や各区役所などで入手できますので、いざというときに備えて、大雨シーズンを前に1度作ってみてはいかがでしょうか。
(NHK福岡放送局 記者 若林諒太)
専用サイトには以下のURLからアクセスできます。NHKのサイト外にいきます。
https://mytimeline.city.fukuoka.lg.jp/