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明と暗のあいだに潜むリスク 1分で分かる防犯対策 

福岡で新生活スタートのあなたに役立てて欲しい
  • 2023年03月28日

まずは結論! 3つのポイント

取材を担当した記者の堀井です。私が福岡での生活をスタートさせたこの1年。犯罪がないのが理想ですが、事件の取材を担当する中で、厳しい現実を目の当たりにしました。自分のふだんの生活にもリスクがあると気づかされました。警備会社の担当者や専門家の助言からまとめた防犯対策です。

警備会社の担当者が指摘 帰宅時の対策3つのポイント

1分で読めるようにはじめに3つの結論をお伝えします。
①遠回りでも人通りのある明るい道を選ぶ
暗い道を選ばないようにし、不安な場合は親しい人に迎えにきてもらう。
②帰宅時間や経路などをワンパターンにしない
いつもの事なので難しいと感じるかもしれませんが、必ず店に立ち寄るなどの行動があれば変える。
③すぐに助けを求められる場所を確認
交番やコンビニなど、もしもの時に備えて把握しておく。

発生現場に共通点 リスクは「明」と「暗」の間に潜む

実際に、去年から今年にかけて福岡県内では帰宅途中に女性が刃物で脅され、現金を奪われる事件が相次いで起きました。殴られ、ろっ骨を骨折する深刻な被害もありました。現場を調べてみると、ある共通点がありました。

・駅から徒歩でおよそ5分圏内であること
・大きな通りから入った路地だったこと

事件現場のひとつ 大きな通りから入った路地

福岡市中央区や南区で起きた強盗傷害事件は、大きな通りから入った路地で起きていました。
また、春日市の強盗傷害事件では、20代前後のグループが駅から出てきた女性の後をつけていました。

「明るいところで見つけて、後をつけることが多い。明るいところから暗いところに入る濃淡。明と暗の差が激しいところ、そういったところが被害に遭う可能性が高い」(福岡大学 柴田久教授)

福岡大学 柴田久教授

都市デザインなどが専門で警察で犯罪予防研究アドバイザーを務めている福岡大学の柴田久教授は、実際の現場について、このように指摘しました。

柴田教授

駅やコンビニなどで、なんとなく付け狙ってみようかと狙ってて、暗いところに入った瞬間に急に襲いかかってくることがある。

また、都市部のほうがリスクがあるとも指摘しました。

柴田教授

公共交通機関が進んでいる分、歩いて家まで帰る行動が多くなりますよね。歩いて「明」から「暗」へ移動することも多く、郊外よりも被害が多くなると思いますね。

誰かと話しながらは、危険 
実験で裏付け

夜道を1人で歩く時、不安に感じて家族や友達とスマートフォンで電話をしたり、音楽を聴きながら歩いたりしたことはありませんか。よくやってしまいがちなこの行動、実は犯罪に遇うリスクを高めてしまいます。

通話しながら歩くのは防犯上も危険

スマホを使っている時、後ろから近づく人の気配に気づくまでの距離を警備会社が測定した実験データです。

実験データ(セコム「女性のための
あんしんライフnavi」より)

▼なにも操作をせず前を向いて歩いた場合は、
平均1.9メートルまで近づかれると人の気配に気付きます。

▼文章を読みながら、入力しながら歩いた場合は、
平均1メートルまで近づかないと人の気配に気付きません。

▼音楽を聴きながら歩いた場合は、
平均0.1メートル、つまり10センチまで近づかないと人の気配に気づきません。

警備会社の担当者は、ながら歩きは、
周囲の変化に気づくのに時間がかかる
▼犯人から見るとスキのある=狙いやすい対象となるという点から避けるべきだと指摘しています。

また、万が一の時にすぐに助けを求められるという理由から、電話をしながら歩くことが防犯につながるという声も聞かれますが、警察によると、いざ被害に遭うと、自分と電話の相手のお互いがパニックになってしまい、自分がいる位置を警察に正確に伝えるのが難しいといいます。
そもそも被害に遭わない対策をするのが大切という点からも、効果的な対策ではないと言えます。

歩くときに気をつけるポイント

警備会社の担当者、竹島史朗さんに歩く時に気をつけるべきポイントを他にも教えてもらいました。

① バッグは車道の反対側に持つ

セコムの
竹島さん

肩掛けのバッグの場合は、体の前の方に抱えるようにして持つことでひったくりや強盗の被害に遭いにくくなります。また車道から離れて建物側を歩くのも効果的です

廊下を道路にみたてて歩き方を教わりました

② 警戒心をアピールする

セコムの
竹島さん

ながら歩きはせず、歩く時は後ろを振り返りながら、背筋を伸ばしてすたすた歩きます。また、防犯ブザーをカバンから見えるようにつけることでも警戒心をアピールできます。不安な時は、防犯ブザーの引きひもに手をかけておくと、いざカバンを奪われてもカバンから音が鳴り続けるので防犯対策として有効です

(取材後記)
 夜道を安全に歩きたい。記者として、そしていち福岡県民として率直に感じたのがこの取材のはじまりでした。取材を進めると、比較的安全だと思っていた駅の近くでもリスクが潜んでいることや、電話をしながら歩くことがリスクを高めていることなど誤った認識を持っていることに気づきました。柴田教授によると、暗い道に一本入るときに、後ろを振り返る癖をつけるだけでも効果的な防犯対策になるそうです。
福岡で暮らす人たち、これから新しい生活がスタートする人たちに充実した日々を楽しんでもらうために知って欲しいという思いでまとめた記事。1分を超える内容になってしまいましたが、大切な人にも伝えていただきたいです。

  • 堀井香菜子

    NHK福岡放送局 記者

    堀井香菜子

    2022年入局。北海道出身。
    事件・事故の取材を担当。

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