ページの本文へ

読むNHK福岡

  1. NHK福岡
  2. 読むNHK福岡
  3. 水際対策緩和で往来活発に!知りたい、台湾のいま

水際対策緩和で往来活発に!知りたい、台湾のいま

屋内でのマスク着用ルールの緩和でまちにどんな変化が?福岡との意外な共通点も!
  • 2023年03月03日

福岡空港から直行便で2~3時間ほどの台湾。新型コロナが世界的に流行し始めたころに感染を抑えこみ、対策の「優等生」とも呼ばれましたが、2月20日からは日本より一足早く、屋内でのマスクの着用ルールも緩和されました。水際対策の緩和もあって福岡との往来が再び活発になり始めた今だからこそ知りたい、まちの様子を取材しました。福岡との意外な共通点も見つけましたよ!
(台湾取材班・河野千尋)

台湾へ出発!人気観光地の様子は?

私たちが台湾に向かったのは、2月下旬の平日。水際対策が緩和され、国際定期便の再開が相次ぐ福岡空港の国際線の出発ロビーでは、保安検査を待つ人たちの長い行列ができていました。

福岡空港国際線ターミナルにできた行列

台湾の航空会社チャイナエアラインによると、新型コロナの感染が拡大していたときは直行便がゼロになった週もありましたが、私たちが台湾に向かった2月下旬には週8便と、コロナ禍の前の半分近くにまで回復したそうです。

台湾へ出発

福岡空港を離陸しておよそ2時間半後、台湾に到着しました。水際対策の緩和が続く台湾では、2月7日からは到着時の抗原検査なども不要になり、体調に問題がなければ、そのまま外出することができます。

台北の名所「迪化街」

最初に向かったのは、台北の観光名所の1つ「迪化街」です。100年以上の歴史がある問屋街で、乾物や雑貨などの買い物、カフェなどを楽しむことができます。シンガポールやフランス、日本など世界各地から観光客が訪れていました。

迪化街では多くの人が買い物などを楽しむ

屋内でのマスク着用ルール緩和! 人々の反応は?

3年にわたるコロナ禍をへて、台湾でも明るい兆しが見え始めています。2月20日にはマスク着用のルールが一段と緩和され、病院などを除く屋内でのマスクの着用が個人の判断に委ねられることになりました。そうなると気になるのは、これまでマスクで隠れていた口元です。台北にあるデパートの化粧品売り場は、新しく化粧品を選ぶ人たちでにぎわいを見せていました。

化粧品売り場で取材した女性は、屋内でのマスク着用が緩和された日からさっそくマスクを外したそうです。

買い物客

気楽で自由な感じがします。これでやっと正常な生活に戻れます

買い物客

そろそろ口紅も買いますよ

ただ、取材を進めてみると、屋内・屋外問わず、マスクの着用を続けている人のほうが多くいました。

家に子どもがいるので、しばらくはマスクをつけます

まわりもほとんどの人が外したら私も外そうかな

多く聞かれたのは、「重症化しやすい人への配慮を続けたい」といった声や、「周りが気になる」といった声でした。日本でも、3月13日からは屋内・屋外を問わず、着用するかどうかを個人の判断に委ねる方針を政府が決定していますが、国内ではどんな反応が見られるのでしょうか。

夜市のにぎわいも復活

一方、台湾の伝統的な料理からデザートまで多くの屋台が軒を連ねる「寧夏夜市」では、社会経済活動の回復が強く感じられました。

台北にある「寧夏夜市」

新型コロナの感染が拡大したときには店も客も激減しましたが、感染状況が落ち着くとにぎわいが戻り始め、管理者によりますと、1月下旬の旧正月の休みの期間には、売り上げがコロナ禍の前を上回った店も相次いだそうです。

地元の人や観光客でにぎわう

私たちが取材した日は雨が降っていましたが、それでも前に進むのに肩がぶつかり合うほどの人出でした。夜市に来ていた地元の人たちは、「夜市は何を食べればよいかわからないときに来ます」とか、「好きな食べ物がすべてあります」などと話していました。台湾の人たちにとって、夜市は本当に大切な場所のようです。

お店の人

コロナの感染状況が落ち着いてきて、人々も気軽に出かけられるようになりました。心の大きな石がなくなってほっとしたように見えます

台湾と福岡 食の共通点!

福岡との意外な共通点も見つけました。台北では最近、ラーメン店が増えていて、豚骨ラーメンも人気があるそうです。

取材した店では、濃厚なスープの豚骨ラーメンが看板メニュー。常連のお客さんもたくさんいるそうです。

看板メニューの豚骨ラーメン。
閉店より前に売り切れることも

店主の林匀翰さんは、日本で修業したのちに自分の店を構えました。台湾の人が豚骨ラーメンが好きな理由について、次のように答えてくれました。

店主
林さん

なぜ台湾の人が豚骨ラーメンが好きなのかといえば、豚骨の特別なにおいがあるからでしょう。台湾の伝統料理、たとえば台湾の人も大好きな排骨スープや豚足スープのような肉と骨の味になじみがあります。だから台湾の人も受け入れやすいのだと思います。

ほかの人に話を聞いても、台湾では豚肉を使う料理が多いと話していました。台湾の食文化が福岡との意外な共通点を生み出していたようです。

食事は大事

最後に、台湾の人々が大切にしていることを表すことわざを紹介します。

「呷飯皇帝大」。

「食事は皇帝のように尊い」という意味で、台湾では、決まった時間にあたたかい食事を摂ることが大事にされてきたといいます。日々忙しくても食事の時間をしっかりとる。台湾の人たちの元気の理由がわかった気がしました。

  • 河野千尋

    北九州放送局

    河野千尋

    2017年入局。
    台湾では人々の優しさと美食に癒されました。何度でも行きたいです。

ページトップに戻る