追跡!バリサーチ

2021年09月24日 (金)頭皮&髪も夏バテ!?秋の紫外線対策


今日のバリサーチ、調査したのは。

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2000年代に関西を中心に大流行。
その特徴的なフォルムで通行人の視線をくぎ付けにし、
市民権を得た今でも独特な存在感を放つ、巨大なサンバイザーです。

日焼け対策の名プレーヤーとして、
長年、自転車利用者に愛用されています。

ところが、その意外な落とし穴(といいますか、ぼんやり気になっていた)、
「頭部の日焼け」について、追跡調査を行いました。

7月9日に放送した特別編「#てれふく 替え玉・特盛り増刊号」にて投稿をいただいた、
サンバイザー愛用者のエミさん(50代・女性)。

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真夏に肌を露出しない日焼け対策をされていましたが、
「サンバイザー着用時は、帽子をかぶらない」とのことでした。

サンバイザーを着用すると、頭にとりつけるホルダー部分と
帽子が当たってしまい、2つ同時にかぶることができないそうです。

その後、街中でサンバイザーを着用されている方を見かけましたが、
その多くの方が、頭部はむき出しのままでした。

ということで、9月。福岡市中央区にある発毛治療のクリニックを訪れ、
エミさんの頭皮の調査をお願いしました。

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結果は、頭皮がちらほらと赤くなっていました。
健康な頭皮は青白い色をしています。

「ひどい状態ではないが、紫外線が当たり続けると、
炎症や抜け毛につながるので注意してください」とのことでした。

長年、発毛治療を行うクリニックの浜中聡子先生にお話しを伺いました。

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【髪の分け目は要注意!】
分け目をつけた髪型の人は、分部部分の頭皮に集中して紫外線が当たってしまう
→帽子をかぶる、髪型を変えて分け目を変えるなど、紫外線が当たり続けないように対策を。

【頭皮&髪は秋こそ要注意!】
さらに、サンバイザー利用者に限らず、
秋も引き続き紫外線対策に注意を払ってほしい、とのこと。

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「秋口は一番抜け毛が多くなりやすい時期です。夏バテのときは、食欲低下や睡眠の質が悪くなり、身体的な負担が出てくると、髪も夏バテしてしまい、影響が出てきます」
「髪の毛の原料はたんぱく質。肉、魚、大豆など、できるだけ高たんぱく低脂肪な食事を心がけてほしい」

秋はバランスのよい食事と睡眠をしっかりとって、髪と頭皮の夏バテを解消しましょう!
(「頭隠して尻隠さず」ならぬ「顔隠して頭隠さず」にならないように…)

今回の調査は、エミさんの投稿「サンバイザー仲間を見つけてほしい」から派生して、紫外線対策について取材することにつながりました。改めましてエミさん、ありがとうございました。放送の感想、ご意見、新たなご要望など、引き続き皆さんからのリアクションをお待ちしています。

NHK福岡放送局
ディレクター 丸山光理

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:18時55分 | 固定リンク


2021年09月24日 (金)「バイクの"騒音"」取材後記


9/10放送の『追跡!バリサーチ』はバイクの騒音に苦しむ現場を取材しました。
担当した記者の西潟茜子です。放送後、新たな動きがありました。

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今回の現場になった糸島市の二丈パーキングが10月1日から夜間閉鎖されることが正式に発表されました。発表の文書には、赤い文字で「一部の利用者による違反行為により近隣住民の皆さまに多大な迷惑をおかけしていることから、やむをえず夜間閉鎖を行うものです」と書かれていました。

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放送内容には盛り込んでいませんが、実は、このパーキングはもともと長距離トラックの運転手などの休憩用の施設です。だから24時間、利用できるようになっています。
ところが近くの有料バイパスが無料化され、バイパスを利用する人が増えたことから、駐車場の本来の目的が少しずつ変化する中で、放送でもお伝えした自動車やバイクの暴走行為や空ぶかしによる騒音が問題化しました。
発表文にある「やむをえず」という表現には、管理者の国やパーキングを観光資源の一つとしてきた地元糸島市など、「閉鎖」とは違う形で問題の解決を望んできた人たちの悔しい気持ちが込められていると私は思います。

夜間閉鎖によって、あのバイクの集団は、別の「居場所」を求めるのだろうか。

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彼らに直接、話を聞きに行って一番印象に残ったのが「居場所がない」という言葉でした。
バイクに乗って集まることができる県内の複数のスポットが閉鎖され、さまよう彼らの気持ちもわかるような気がしたからです。それはコロナ禍で、不要不急の外出が制限され、気軽に出かけたり、旅行したりすることができない私も自分の「居場所」を求めるような気持ちになることがあるからだと思います。

それでも、リサーチを進めていくと日常生活の「居場所」で苦しむ人たちの姿が見えてきました。二丈パーキング周辺の地域に住む人たちです。
当時の私の取材メモをご紹介します。

(6月14日の取材メモ)
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「静かにしていただけませんか?」と注意をした住民の方は「なんや、おまえ!」と怒鳴られ、その後1時間ほど家の窓にライトを照らされ、怖くて外に出ることもできなくなったといいます。その恐怖とストレスから、帯状ほう疹を患い、薬を飲まないと眠れなくなって本当に苦しいと話しました。「夜は安心して眠りたい」そんな声をたくさん聞ききました。
「夜、現場に行ってみてほしい。そうすればあなたも分かる」そんな言葉もたくさんかけられました。

また、地域に長年住んでいる住民の方からは、「以前からバイクがよく通る場所。こんなことで声を上げていたらきりがない。ここに住むのであれば仕方ないと割り切らなければ。これまで我慢してきたのだから」という声もありました。

住民の中には、市役所へ相談したという方もいました。ところが、騒音問題に対応する専門の部署はなく、さまざまな部署を紹介されるうちに、声を上げること自体がためらわれるような気持ちになったと困惑していました。

こうした状況から、実態をインタビューで応えてほしいとお願いしてもなかなか答えてもらえず、放送に向けた取材は難航しました。その中で、ある住民の方が、放送前日に騒音被害の実態について手紙で伝えてくださいました。
放送では一部の紹介にとどまったので、ここで全文を掲載します。


「ご担当者様
はじめまして。
202号線沿いに住む住民のものです。
糸島は海も山も近く、環境的に子育てにとても良いと思っていました。が、現状はとてもひどいもので、夜中はバイクや車によるドリフト行為で、
子供も泣きながら起きてしまい、私も不眠症になってしまいました。
元々パニック障害を患っており、正直この騒音のせいでとてもストレスのかかる生活を送っており、パニック発作も頻繁に出るようになりました。
二丈PAが集いの広場になっていること。
警察の方から、沿線上を行ったり来たりしながら、二丈PAに集まってきていると聞きました。一部のマナーやモラルのない方の行為によって、近隣住民の方の生活に支障をきたしていること。騒音がいかに心理的なストレスに繋がり、身体の不調にまでつながる事。
この現状をこのままで放置せず、管理者にはきちんと対応いただきたい。
実際にものすごいスピードですれ違うバイクや車と衝突をしかけて、
命の危険をも「何度も」感じました。
正直人身事故が起きるのも時間の問題と思っております。
明日自分の大切な人の命が奪われ、あの時二丈PAを閉鎖していれば、、、っていう結末にならないように。
一日も早い閉鎖のご検討をお願いいたします。
そして一日も早く、住民の方たちに平和な日常が戻りますように。
心より願っております。」


放送の最後で触れましたが、騒音は公害の一つです。その中でも「感覚公害」というものに分類されます。簡単に言えば「うるさい、くさい、きたない」など、人の感覚に作用する公害です。総務省によると「感覚公害」は公害被害のおよそ7割を占めています。日常生活に密着した公害とされる一方で、自治体に感覚公害を専門とする職員や部署が少なく、問題が長期化しやすくなる傾向にあるということでした。感覚公害は、個人差があり定量化も難しいため、具体的な解決策を導きにくい実態があることを知りました。

感覚公害。皆さんの身近に潜んでいないでしょうか?社会では、時として声を上げることが、傲慢だとか異常だと思われてしまうことがあるように思いますが、声を上げることで物事は少しだけ良い方向に動くかもしれない。今回の取材で得た私の実感です。


NHK福岡放送局
記者 西潟茜子

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:13時20分 | 固定リンク


2021年09月10日 (金)バイクの"騒音" どうしたら・・・


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「おまわりさんへ。
ぼくは夜になると困っています。
ブンブンブーンという大きな音。
たすけてください」

交番に届けられた小学生からの手紙が、今回の取材のきっかけです。

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いったい何が起こっているのか。
向かったのは、福岡県西部・糸島市二丈の海岸です。
この海岸に隣接しているパーキングエリアが今回の「現場」。

日中は、ドライブの休憩場所や観光スポットとして
家族連れやカップルなど多くの人が訪れますが
夜になると、様子が一変しました。

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けたたましい音を立ててパーキングに集まった派手なバイクの数々。
空ぶかしやドリフト走行、時には花火を上げることもあり
明け方まで大きな音が鳴り響きます。

警察で調べてみると今年4月までに、騒音に関する110番の件数は例年の2倍近くに上っているというのです。
警察も取り締まりを行っていますが、悪質行為は繰り返されています。

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いったいなぜ、彼らはここに集まるのか。直接、聞くことにしました。
出会ったのは、10代後半から20歳までの若者たちでした。

(記者)
「なぜ、大きな音を出しながら走るの?」
(グループの1人)
「海の近くで比較的住民も少ないし、ここは大丈夫かなと思っていた」と答えました。

(記者)
「困っている人たちがいることをどう思っているの?」
(グループの1人)
「うるさいことは自覚しているけど、今はここしかない。自分たちの居場所でもある」

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調べると、近年、県内各地のパーキングが次々に夜間規制されていました。
彼らが「居場所」を求めて行き着いた先が、ここ二丈パーキングだと言うのです。

私は、住民の人たちの声も聞きたいと、インタビューをお願いしましたが
取材は行き詰まりました。
「報復が恐ろしく、声を上げられない」と答えた人や、実際に嫌がらせを受けたという人もいました。
その中で、どうしても知ってほしいことがあると、後日メールをくださった方がいました。

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「糸島は海も山も近く、環境的に子育てにとても良いと思っていましたが、子どもも泣きながら起きてしまい、私も不眠症になってしまいました。ものすごいスピードですれ違うバイクや車と衝突をしかけて、命の危険をも、何度も感じました」

この二丈パーキングの周りでは、山に音が反響し、かなり遠くまで騒音が響きます。
取材で会った人のなかには、パニック障害の発作やストレスから帯状ほう疹になったという方もいらっしゃいました。実際の心理的、身体的な被害は私の想像を超えるものでした。


警察はしっかり取り締まりをしているのか?という声もありますが、取り締まりを強化しているものの、いたちごっこになっているのが現状です。
それに、『騒音』自体を取り締まることの難しさもあります。
警察によると、急発進や空ぶかしについては、現行犯での検挙が前提となっていたり、エンジン音の測定を行っても、基準内ギリギリで検挙に至らなかったりするケースも多いということです。

こうした事態を受けて、住民たちが動き出しました。
去年11月、地域の住民は、夜間の閉鎖を求める要望書を国道事務所や警察そして糸島市に提出しました。
でも、夜間の閉鎖は観光への影響も少なくない、夜も駐車場を利用したい人たちのためにはできれば避けたいなど、さまざまな意見が交わされました。
その結果、ことし7月、二丈パーキングを管理する国道事務所は、「住民の声を大切にしたい」として、駐車場の閉鎖に踏み切る方針を住民側に伝えました。
現在、具体的な開始時期について、調整が続いています。

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こうした動きに地域の代表者はこう話していました。
「もっと時間がかかると思ったが、早く前向き対応していただいて本当に助かっています。少しでも眠れるように、安心して生活できるようになれば助かります」。 


今回取材をすすめる中で、大きな問題に行き着きました。
それはこうした騒音被害は「感覚公害」というものにあたるということです。
大気や水質の汚染など目に見えるものだけでなく、うるさい、臭い、きたないといった
ひとに不快感を与えるものは、「感覚公害」というものに分類されます。
総務省によると、全体の7割を占めるとされ、
知らない間に健康被害を引き起こす可能性があるといいます。

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福岡の暮らしの中で、こうした「感覚公害」がまだ潜んでいるのではないかと思います。
皆さんからもこんなことに困っている、または解決策がある!といった声をお待ちしています。
その声に「追跡バリサーチ」でこたえていきたいと思っています。

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:18時45分 | 固定リンク


2021年07月09日 (金)バリサーチ拡大版 放送!


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7月9日(金)は、金曜夜7時半に放送している「#てれふく」とコラボ!
「追跡!バリサーチ 替え玉・特盛り!増刊号」として、福岡のみなさんにおなじみの山本カヨさん、藤本一精さん、HKT田島芽瑠さんをゲストにお招きしました!
さらに今回は、NHKのスタジオを飛び出し、天神・ソラリアプラザにて収録。
ご覧いただいたみなさん、ありがとうござました!

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これまで、「追跡!バリサーチ」に寄せられたご意見や疑問は3か月で100件以上!
おひとりさま/外国人のいま/福岡のどこが好き?/子育て・環境など、様々な身近なテーマを扱ってきました。

そして、今回の「#てれふく」コラボでは、さらなるお悩みや疑問について追跡調査しました。
 
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▼博多駅が大きいのはなぜ?
まずは、博多駅前で出会った小学生からの疑問!ということで、
JR九州・第16代の博多駅駅長、鐘ヶ江理恵さんに突撃取材しました!
JR九州・JR西日本、さらに地下鉄と、合わせて利用者が一日20万人を超えるため、大きくないと皆さまのご利用に耐えられない、というのがお答え。
ちなみに、駅ビル9階の映画館の奥に、行き交う電車とたくさんの人を見渡せるトレインビュースポットもあるそうです!

▼誇れる歴史観光スポットを調べてほしい!
県外から友達が来ると、なかなか歴史・観光スポットをオススメできないというお父さんからの質問。
福岡の歴史に詳しい、福岡市博物館の宮井善朗さんに伺いました。
おすすめしてくれたのは、博物館が誇る本物の「金印」・・そして、「福岡城」!
約3千4百メートルの長い石垣に、その敷地の広さから九州で最大級の城と言われているんです!

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さらにスタジオでは、山本カヨさんから、
「東長寺」(福岡市博多区御供所町)の日本一の大きさを誇る木造坐像もオススメとの情報が。博多駅から徒歩10分ということでアクセスも抜群!休日などにぜひ!

※ちなみに、放送でお伝えできなかった藤本一精さんのおすすめは、
100年続くしょうゆ蔵や養蜂場がある、朝倉市とのことでした!
養蜂場では、10年モノのはちみつを食べたとのこと。ものすごく味わいが深く、絶品だったそうです。

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▼サンバイザー仲間を探したい!
東京からUターンしてきたという女性からの投稿。
便利なのに、福岡ではあまり見かけないサンバイザー仲間を探したいということで、一緒に福岡の町でバリサーチしました!

▼コロナ禍で出会いがない…
「コロナ禍で自由に外出できなくなり、家で孤独感を感じるようになりました。」
コロナ禍で2か月、人と直接会わない期間もあったという投稿者・コネコさんのお悩み。
コネコさんが始めようと思っている、「マッチングアプリ」事情を調査しました!

町で若者を中心にインタビューをすると、「いまや主流になりつつある」という一方、「プロフィールに30代とあったのに、会ったら60代だった」「恋愛目的じゃないひとの登録も・・」などの声も。マッチングアプリでの婚活はリスキーなのか・・?

しかしその中で、アプリを通じて結婚したというカップルにも接触!決め手は、文章などから感じられる誠実さだったそう。女性からコネコさんへ、「会うなら明るい昼間に外で」「連絡先をすぐに交換しない」など、アドバイスもありました。

山本カヨさんからは、福岡県が実施する「あかい糸めーる」の紹介も。こちらは、少子化対策の一環として、結婚を希望される独身者の出会い・結婚を応援するために、独身者の出会いの場となるパーティー、食事会、旅行、体験活動、マナーアップ講座等のイベント情報を発信しているメールマガジンとのこと。
19歳の娘さんがいるという藤本一精さんからは、
「男性だけでなく、女性と知り合うことから始めて、信頼できるひとを紹介してもらったら?」というご意見も。

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▼スーパーのリサイクルコーナーにゴミが…!
バリサーチへの投稿、「私はスーパで働いています。店でリサイクル回収をしていますが、ゴミを捨てる人があとを絶ちません。マナーが悪いのは、解決しないのでしょうか?」
そんなスーパーで働く方からの切実なお悩みでした。

そこで、普段あまり意識しない、スーパーのリサイクル事情をバリサーチ。市内のスーパーでは、回収している「ペットボトル」「発泡トレー」「牛乳パック」「アルミ缶」以外の品目や、洗っていないものまで入れられるため、分別に多大な労力がかかっている現状が。
田島芽瑠さんやゲストの皆さんが仰るとおり、ひとりひとりが意識を高めるにはどうすればよいのか?福岡のマナー全般について、これからもご意見募集します!

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番組は、7月10日~16日にてNHKプラスでも配信!是非ご覧下さい。

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:19時55分 | 固定リンク


2021年07月02日 (金)福岡の自転車マナーどうすれば良くなる(解決編)


6月18日のバリサーチでは、福岡の自転車マナーを徹底調査しました。
すると、「交通ルールが知られていない」、
「車道を安全に走れる環境が足りない」などの課題が浮き彫りになりました。
「いったい、どうすればいいの?」
今回は、その解決策を調査しました。

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<話をしてくれたBike is Life代表 山田 大五朗さん(左)と
聞いた丸山 めぐディレクター(右)>

訪ねたのは、山田大五朗(やまだ・だいごろう)さん。
マウンテンバイクの元日本代表で、
現在は福岡を拠点に、イベントなど自転車の普及活動をしています。
その山田さんから、街を安全に走るための方法を教わることに。

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ツーリング仲間と一緒に、博多駅から大濠公園駅まで向かいました。
走っていると、早速ポイントとなる場所に。
 
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(Bike is Life代表 山田大五朗さん)
「あそこ見えますか。あの一方通行の標識なんですけれども、実は自転車もこの標識があると逆走できないんですよ。どうしても裏道入ってしまうと一方通行とかいうものがあって、ジグザグに走らなければならなかったりとか」

都心部の裏道は幅が狭く、歩行者とぶつかる危険性も高くなります。

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今回は大通りの車道にある「矢羽根(やばね)」と呼ばれる標示に沿って走ります。
この標示で自動車からも自転車は車道を走るものと認識することができます。

さらに気をつけているのが…。

(丸山ディレクター)
「歩行者の信号が青になったんですけど、自転車は進まないんですか」
 
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(山田さん)
「あの、こちらですね、歩車分離信号といいまして/歩行者が全部青になっているんですけど、車両信号は赤なんですよ。自転車は車両なので、今車道にいるので車両信号に従います」

車側の信号を守ることで、横断歩道を渡る歩行者との衝突も避けることができます。
そして、目的地の大濠公園駅に到着したところ…。

(山田さん)
「違う道から帰りましょう」

一体どういうことなのでしょうか・・・

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行きと同じルートで帰ろうとすると、
大型商業施設や市役所があるエリアが左手になります。

左折する車が多くなるため、
自転車が巻き込まれる可能性が高くなるというのです。

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そこで、山田さんが提案するのがこのルート。
多少、遠回りになってしまいますが、
自転車用のレーンがある歩道も多く、事故のリスクを減らすことができます。


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(山田さん)
「どういう選択肢があるかっていうのを理解して、で、あとは安全な方を選ぶということがとても重要なポイントになってきます。己の安全を守るということであり、他の方の安全を守るということだと思ってます」

続いては、バリサーチしたのは、ある工夫で事故を減らしたという、石川県金沢市です。
金沢市では12年で自転車事故を72パーセント減らすことに成功したんです。

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お話を伺ったのは、20年前に事故を減らすための草の根活動を始めた三国成子(しげこ)さん、千秋(ちあき)さんご夫妻です。
呼びかけたのは、どんなに細い道でも左側通行を徹底することだといいます。

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<話してくれた金沢自転車ネットワーク協議会委員 三国 成子さん(右)
夫・千秋さん(左)>

(三国成子さん)
「やっぱり右側通行に自転車事故が多いということに気づきまして/やはり左側通行をすることによって出会い頭事故を減らすということがまず一番では無いかなと」


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自転車は左側通行をすると、交差点でも車の視野に入りやすく、
余裕を持って止まることができます。

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一方、自転車が右側通行をすると、突然、姿を表すことになり命の危険も。

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三国さんたちは、金沢市や警察と協力し、市の中心部に「自転車走行指導帯」を設置するなど、自転車の左側通行を根付かせました。


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(三国成子さん)
「やはり最初の1、2年でみんなの認識が変わるとは思わないですけど、この10年やってきて、自転車は左側通行当たり前みたいな感じで金沢の意識は変わってきていると思います」

時間はかかりますが、みんなが理解すれば変わるかもしれないと思いました。
バリサーチでは、引き続き自転車のマナーについて調査したいと思います。
また、皆様からのアイデアを募集しています。

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:19時37分 | 固定リンク


2021年06月28日 (月)ワクチン接種 どこまで


6/25の追跡バリサーチは「ワクチン接種」について。
いつ接種できるのか、いま、関心の高いテーマの1つです。
自治体の取り組みや工夫をバリサーチしました。

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まず訪れたのは、福岡市から車でおよそ30分にある粕屋町です。
町内の集団接種会場では、この日も、65歳以上への接種が行われていました。
粕屋町では、接種に従事する医師の確保が課題となっていました。

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そこで町が利用しているのが、厚労省が運営する医師紹介サイトです。
サイトでは、必要となる日にちや時間帯などを入力し、全国から医師の希望者を募ることができます。経費は国が負担します。

すると、東京や千葉、北海道からも応募が来ました。
各地の医師の応援により、現在の接種率は70パーセントを超えています。

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(粕屋町 健康づくり課 古賀みづほ課長)。
「いままでは午後なら午後だけ、午前なら午前だけという接種日も多かった。ドクターに来てもらえるので、一日できるでかなり拡大という意味ではありがたかったです」。

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役場の人員不足が課題となっている自治体もあります。人口1万8千の築上町です。
築上町では当初、町民の希望日をとりまとめる予定でした。
しかし、住民から、1日に400件もの問い合わせがあり、接種日の調整が一向に進まなかったといいます。

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そうした中、逆に接種日を町が指定する方法に切り替えました。
役場が定めた接種日をはがきで町民に通知。
少ない人員でもスムーズに割り振れるようになったと言います。

 

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(築上町 新川久三町長)。
「われわれやっぱり少人数ですので、土日はほとんど休みになりません。はがきに変えてしまったら、このほうが非常にスムーズですね」。


自治体が高齢者の接種を急ぐ背景には、国が掲げた「7月末」という目標があります。

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(管首相)。
「7月末までの接種を完了させます」。


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しかし、様々な対策を試みても、なかなか進まない自治体もありました。筑豊地方にある人口8千の小竹町。
現在、接種率は37パーセントにとどまっています。

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接種を呼びかけるために防災無線を利用。


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県が設置した広域接種会場を利用する小竹町では、高齢者を運ぶためのシャトルバスも導入しました。
しかし、町外の会場までは車で40分。なかなか利用者の数は増えませんでした。

9便を準備しましたがこの日の利用者はわずか4人でした。
役場は、接種を進める地元の病院に、やむなく追加の接種を依頼しました。

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この病院では、一日あたり60人を接種していましたが、今週から受け入れを倍増しました。

(町民)。
「主治医がいるでしょ。急がなくても順番がくれば打てる」

しかし、医師が少なく、接種の負担が増えることで、一般診療への影響を懸念しています。

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(病院事務局長)。
「やはり医師の数も限られてはくるし、一般診療しながら早くしなければというのも分かりますけど、そこにはついて行けないところも当然ある。一方で、7月末までに終わらすと言っているでしょう。各市町村」。

町では7月末の完了を目指すものの、その後の接種について不安を抱いているといいます。


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(小竹町 松尾勝徳 町長)。
「接種回数を倍近く上げていただいたことで、7月末までに終わるのではないかと思います。ただその先がありますから、やっぱり全国民が8割以上は接種しなくちゃいかんじゃないか」。

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住民に接種の前倒しを相談する自治体もありました。人口1万6千の大刀洗町です。

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(コールセンター)。
「大刀洗町ワクチン接種コールセンターです」。

町では、8月以降に予約している住民の接種を前倒しすることで、7月末の期限に間に合わせようとしていました。

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(コールセンター担当者)。
「8月のほうに予約はされておりますけど、国からそういうご指示がありますので。極力ですね、早めに接種、2回目まで終わらせていただきたいという思いで、7月の誘導といいますか、ご案内のほうはさせていただいております」。



町民に話を聞いてみました。

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(農家の方)
「田んぼをいっぱいしていて、ゆっくりしてからお父さんと2人打とうかな。ちょうど今の時期が取り入れから、田植えからもう本当に忙しいんですよ」。
「打ってなにかあった場合いかんでしょうが、先延ばしにしたほうがいい」


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(大刀洗町 中山哲志 町長)。
「何をもって接種の完了というだろうと思います。100パーセント完了というのは、まずない。住民それぞれのできるタイミングで接種いただければと思っています」。

ワクチン接種は、できるだけ早く進むべきだと思いますが、VTRであったような住民の声や自治体の実情をみると、一律に来月末の期限に間に合わせることにどんな意味があるのか、あらためて考えてしまいます。

取材を進めてみると、自治体と住民の接種に対する温度差や、自治体の規模や体力によってかなり無理をしながら接種を進めている実態が見えてきました。
実は、県内の自治体すべてが国に対して、来月末までに高齢者への接種を終えられると回答しています。
しかし、今回、取材した自治体からは、こうした声も聞こえてきました。

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自治体A「何を持って接種完了とするのか難しい」。

自治体B「そもそも100%は無理」。

自治体C「7月末はオリンピックの都合ではないか」。

国に対しては「終える見通し」と回答している一方で、取材を通して自治体の本音も見えてきました。

自治体によっては一般の診療にあたる医師をワクチン接種にあてるなどして何とか期限を守ろうとしている一方で、住民にとっての利便性よりも自治体側のスケジュールを優先させているようにもみえました。今回、高齢者の接種が来月末までに完了できたとしても、今後、64歳以下の接種が本格的に始まった際、どのように接種を進めていくのか大いに疑問を感じました。
今後の接種がどうなっていくのか、引き続きバリサーチしたいと思います。

ぜひ皆さまからもご意見頂ければと思います!

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2021年06月18日 (金)福岡の自転車マナー どうすればよくなる?


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皆さん、自転車のこんな運転、身に覚えはありませんか?
片手スマホに…。傘を差しながらの運転。
さらには、人混みの中を、猛スピードですり抜けて行ったり。
街で皆さんに「自転車でヒヤッとしたことありませんか」と尋ねてみると・・・

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「あります。歩道を歩いていても すれすれで来るときあるじゃないですかシャッて来たとき」。
「歩行者の間を通って、通り抜けていきます」。
「信号無視、それから歩道を通っていてもほとんどゆっくり行く方おられんですもんね」。
「ぶつけられたこともありますね」。

「危険な目にあったことがある」という声が、どんどん寄せられました。

追跡!バリサーチ。今回は、不意の事故にもつながりかねない「自転車マナー」を、新人ディレクターの丸山が調査しました。

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<取材した、丸山めぐディレクター>

調査のきっかけは、5月に「福岡をもっと良くするには?」というテーマでご意見を募集したところ寄せられたこのような投稿でした。

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「福岡は自転車のマナーが悪すぎる。
 歩道を横一列。猛スピードで走る。車道を逆走など、
 軽車両という意識が欠落していると言わざるを得ない」。

実は福岡県は、自転車の事故発生率がなんと全国3位なんです。
私もひと月前に福岡に赴任してきたばかりなのですが、歩いていると自転車にぶつかりそうでちょっと危ないと思ったことがありました。
今回、どうしたら自転車のマナーがよくなるか、ぜひ調査したいと思いました。

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自転車マナーのどこに原因があるのか。まず福岡県警察本部を尋ねました。
交通企画課の井上さんに、県内の現状をお聞きしました。


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<福岡県警察本部 交通企画課 井上秀晴課長補佐>

「自転車事故の大半、6割以上は交差点で発生をしております。
 また出会い頭の事故も半数以上を占めているというところになっております」。

実はここ10年、自転車事故の総数は減少していますが、
一方で、歩行者との事故はこの通り。年間100件ほどを横ばいしています。



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(井上警部)
「自転車側の脇見運転によって歩行者と衝突する事故が発生したり、また歩行者の間をすり抜けようとして衝突をしてしまった事故、そういったものがあります。自転車側が、そもそも歩道をバンバン走っているのが自転車が車両なんだという意識の低さだと思うんですね」。




そこで警察では、道路交通法にもとづいて、「安全ルール」を呼びかけています。

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自転車は車道が原則、歩道はあくまで「例外」。
車道でも、左側を通行する。右側通行は、
他の車両との事故を招くため、禁止です。

さらに、やむをえず歩道を走る際にも、車道寄りをいつでも止まれるスピードで走ることが決められています。

現在、少しでも事故を減らすために、一方通行の逆走や片手運転など、取り締まりを
強化しているといいます。

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自転車は車道が原則。しかし取材を進めていくと、こんな場面を見かけました。
車道のはしにある、青い自転車のレーンを走っていても、車との距離が近く、歩道を走らざるを得ない実態が見えてきました。

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「この問題は、見過ごせない!」と、訪ねたのは、福岡大学の辰巳浩教授。(たつみ・ひろし)福岡の交通計画を長年研究してきました。


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 <福岡大学 辰巳浩教授>

「車道に走るスペースが十分にあればいいんですけれどもなかなかそれが福岡の場合はなくてですね。走るには少し危険を感じるということで、歩道を走ってしまう自転車が多いというのがですね、その理由かなと思っています。自転車の走行空間を捻出するというのはなかなか難しい状況にあるわけですね」。

最後に、自転車について、自分も福岡育ちだという辰巳教授から、こんな意見も。

(辰巳教授)。
「福岡の人たちは良くも悪くもおおらか、関東だとかですねあちらのほうは比較的こう周りの目が厳しくてでなにかちょっとマナー違反すると周りからとがめられる状況にありますね。福岡にずっと小さいときからですね、生まれ育った人にとってはそういった環境の中で育ったので、それが普通だという風に思っていると思うんですよね。なかなかこれを変えるっていうのは難しい話になってきます」。





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自転車の安全ルール、特に気をつけたいのは、自転車は車道が原則。
歩道を走っていい例外はこちらだけです。

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▼子どもやお年寄りが運転する場合
▼車道や交通の状況から見てやむを得ないと認められる場合など。

もし歩道を走る時も、車道寄りを徐行、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止、ということです。

自転車のマナーをよくするには、
▼ルールを知る。
▼安全に走れる環境をつくる。
ということが大切なのですが、これもなかなかすぐには難しいと、今回実感しました。

ということで、自転車マナー問題、ほかの県で成功例はないか?など、解決策を継続取材したいと思います!!
是非皆さまからも、アイデアを頂ければと思います。

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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:19時30分 | 固定リンク


2021年06月11日 (金)どうして?性暴力の加害者"支援"


バリサーチに1通の投稿が届きました。

「福岡県で性暴力の加害者相談窓口を設置したそうですが、
 どんな支援が行われているか調べてほしい」。

6/11のバリサーチは、この投稿を元に、福岡県が去年から始めた性暴力の加害者相談窓口を取材しました。

まず背景を聞こうと投稿者の女性に会うことにしました。

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【あおさんからの投稿】

投稿してくれたのは、ペンネーム「あお」さん。
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【投稿していただいた あおさん】

あおさんは、性暴力の被害者を支援しています。
投稿のきっかけは、
被害者でなく「加害者」の相談窓口ということに
違和感を持ったためだといいます。

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(あおさん)
「被害受けられた方は何年、何十年にもわたって
 そのトラウマを抱えて自費で治療を受けられている人もいる。 
 加害者を手厚く支援するより、
 被害者の負担を考えてそちらの支援をもっと増やした方がいいのではないでしょうか。
 犯罪を予防するニュアンスもあるのかなと思うのですが、
 実際どの程度効果があるのかなということも考えます」。

なぜ「加害者」の相談窓口なのか?

こうした窓口を自治体が設けるのは全国で福岡県が初めてです。

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窓口では、▼面談や▼カウンセリングに加え、
▼通院が必要な人に対する医療費の一部補助や、
▼仕事を失った人への就労支援なども行います。

手厚いとも感じる支援を行う背景には、福岡県の現状があります。

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人口10万人あたりの性犯罪の発生率で、
福岡県は全国で2番目に高い期間が長く続きました。

最新のデータでは8番目になっていますが、
依然として高い水準であることに変わりはありません。

あえて加害者の支援に取り組むのはなぜなのか、現場を取材しました。


訪ねたのは、県が運営する相談窓口です。

相談者のプライバシーを守るため、
どこに設置されているか場所は公表されていません。
取材は室内のみという条件で行われました。

取材に応じたのは窓口の担当で、精神保健福祉士の井上俊明さんです。
去年5月に窓口を開設して以来、問い合わせは88件にのぼるといいます。
その内容について井上さんのこう説明します。

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【県加害者相談窓口担当 井上俊明さん】

(県加害者相談窓口担当 井上俊明さん)
「一番多いのがスマートフォンを使っての盗撮してしまったという方、
 その次は相手の同意なく体をさわってしまったりする強制わいせつ。
 それから電車やバスの中で痴漢行為をしてしまったという相談が割と多いですね」。

さらに相談者にはある共通点がありました。

(県加害者相談窓口担当 井上俊明さん)
「再発してしまう、再犯罪してしまう。
 繰り返してしまうっていう方がこちらの相談に来るケースではほとんどですね。
 ご本人も悪いことをやってる認識はありながら、
 ご自身の意思ではコントロールできない状態なので、
 依存している状態になると思います」。

なぜ衝動をコントロールできないのか。

かつて、住宅に侵入し下着の窃盗を繰り返したという男性が
自分の経験が何かの役立てばと取材に応じました。

自身の生育環境に悩んできた男性。
犯行に及んだのは仕事のストレスが理由でした。

(男性)
「会社の中できつい思いをしているとか、
 たとえば、俺だけ『きつい』みたいなに思っていらいらして。
 その負荷を感じないためにする、
 そういう気分を変えさせてくれるものがずっと必要でした」。


男性に、被害者に申し訳ないという気持ちはなかったのかを尋ねると。

(男性)
「ないわけではないんでしょうけど、
 ほとんど意識にのぼることがあまりなかった。
 自分中心の考えしかなくて
 『ばれないようにすればいいだろう』という思いから始まるわけです」。

当時は相手のことを考える感情が欠けていたと振り返る男性。

5年前に逮捕されたことをきっかけに
専門家のカウンセリングを受け、再発を防いでいます。


県のカウンセラーの大黒剛さんは、
相手のことが考えられないという
多くの性犯罪に共通する「共感性」の欠如をどう補っていくかが
今回の取り組みの目的の1つだといいます。

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【県カウンセラー 大黒剛さん】

(県カウンセラー 大黒剛さん)
「自分が相手をどう見てるのかというところを知って、
 初めてコントロールができるという面があります。
 どうやって自分の感情を持っていけばいいのか
 本人も気づいていない部分をプログラムを通して気づくきっかけを作っています」。

カウンセリングはおよそ半年間かけて
20回にわたって行い、改善を目指します。

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加害者の生い立ちから振り返り、
相手を思う気持ち、その「認知の歪み」がどこで生じたのか、
要因となる出来事を見つけていきます。

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(県カウンセラー 大黒剛さん)
「これまでの人生の浮き沈みをグラフを使って振り返り
 一番下のところで何が起こったのか、
 どう傷つけられたのかなどを話し合っていきます」。

取材の最後にここまで加害者に手厚くサポートする必要があるのか、カウンセラーの大黒剛さんに改めて尋ねてみました。

(県カウンセラー 大黒剛さん)
「加害者たちはいつか社会に出て行くわけです。
 そこでしっかりとした生活をしてもらわないと
 もしかしたらまた同じような被害者が出てしまうかもしれない。
 犯罪を再び繰り返さないために自分たちが力を注ぐのは
 被害者のため、被害を生まないためです」。

取材をしながらどうしても気になったことがあります。
それは被害者の方たちが
この取り組みをどのようにとらえているかということです。

長年、被害者の支援に取り組んできた
「性暴力被害者支援センター・ふくおか」の浦尚子理事長に話を聞きました。

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浦さんは、
加害者を“支援する”ということばには違和感を覚える、と率直に話しました。

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その上で、被害者は、
▽また被害にあうのではないかという思いや、
▽加害者は更生しているのかという不安を持ち続けているため、
こうした取り組みで加害者が社会的な関わりを持つことは
被害者を守ることにもつながり得るとして、一定の評価はしています。


ただ、大きな課題もあると感じています。
それは今回の取り組みが凶悪な性犯罪に対処できるか、という点です。

実は県の窓口に寄せられている相談のうち、
凶悪な性犯罪の関係はまだ少ないというのが実態です。

県としてもまだ手探りの状態で、今後も取材を続けていく必要を感じました。

バリサーチでは性犯罪を生まない社会をどう目指していけばいいか、
視聴者の皆さまからの意見を募集しています。

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【福岡県性暴力加害者相談窓口】
092-289-9398(平日9時~17時)


【性暴力被害者支援センター・ふくおか】
092-409-8100 
24時間・365日(年中無休)

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:20時20分 | 固定リンク


2021年06月04日 (金)地名のナゾ 「牟田」の由来は


バリサーチ取材班には、地名に関する話題が数多く寄せられています。
その1つがこちらです。

ペンネーム「やす」さん。
「大学進学をきっかけに福岡に来たのですが、
『牟田』がつく地名、大牟田や名字の方が多いのが気になりました。
何か理由はあるのでしょうか」。

今回はこの疑問をもとに取材しました。

そもそも、福岡県内にどのくらい「牟田」とついた地名があるのか・・・。

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調べてみると、なんと県内全域に30か所以上!!
大牟田市だけでなく、
福岡市博多区や糸島市、水巻町の辺りにもありました。

さらに一口に「牟田」といってもさまざまな種類があるようで、
「上牟田」「中牟田」「牟田尻」、「八町牟田」などといった地名がありました。
なぜ、これだけ多くの「牟田」という地名があるのか。
牟田の謎を明かすべく、バリサーチしました。

まず訪ねたのは、地名に詳しい研究者です。

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【地名研究家 池田善朗さん】

御年88歳の池田善朗さん。
小学校の教師を退職後、福岡を中心に30年近く地名を研究しています。
バリサーチにも地名の由来について情報を寄せていただいてきました。

(地名研究家 池田善朗さん)
「地名を調べると真実を知るという喜びを得られる。
こういう意味があるんだなと」

池田さんは、地名の由来は、その土地の地形にあるといいます。
さらに、地名からは先人たちのメッセージが読み取れるとも。

(地名研究家 池田善朗さん)
「今、災害で問題になっていますけどね、例えば旧朝倉郡。
あれが完全に土地の様子を表しているわけです。
朝倉の『アサ』というのは『アズ』という音で、古いことばで『崩れる』という意味。
それから『クラ』は『えぐり取られる』という意味がある。
なので、『崩れ谷』とか『崖崩れ』といった意味が込められて
『アサクラ』と呼んでいたわけなんです」(※諸説があります)

では、「牟田」とはどんな地形に由来しているのか。
(地名研究家 池田善朗さん)
「沼田、沼地の田、『沼田』が最初だったんじゃないでしょうか。
それが『ぬた』という音に縮まり、そのあと発音が変わっていって、
『牟田』という発音に変わっていったのではないかと思います」


牟田の真実を探るため、さっそく現地へ。
向かった先は、県南部の大牟田市です。

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【江戸時代の大牟田周辺の地図】

地元の歴史資料館を訪れると、江戸時代に書かれた絵図がありました。
「大ムタ」という地名が初めて登場したのは、江戸時代といわれていて、
当時の「三毛郡」の中に、「大ムタ」という地名があったことが分かりました。

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【大牟田市立三池カルタ・歴史資料館 梶原伸介館長と藤澤アナウンサー】

歴史資料館の梶原伸介館長によると、
以前は大ムタのほかにもムタがつく土地はたくさんあったといいます。
しかし、今ではその多くが、違う名前に変わりました。

そこで、今は姿を消した「牟田」のつく地名を、現在の地図に書き込んでもらいました。
すると・・・。

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(大牟田市立三池カルタ・歴史資料館 梶原伸介館長)
「三川町(鴨牟田)は現代のみなと小学校校区なんですが、
去年の7月の水害で被害が大きかったところになります」


去年の豪雨で、大きな被害に見舞われた大牟田市。
牟田という地名と、浸水被害との接点が見えてきました。

(大牟田市立三池カルタ・歴史資料館 梶原伸介館長)
「沼地が多いということで牟田地名がついたんだろうと思われますし、
市内北部の上内も去年の豪雨災害で大きな被害が出たところ。
市内全域にそういう豪雨災害の危険性があるということが再認識できたと思います」

そもそもなぜ大牟田には、沼地を意味する「牟田」が多いのか。
そこには、土地の成り立ちが深く関わっていました。

訪ねたのは、手鎌地区の歴史を調べている「手鎌歴史と里山の会」のみなさん。

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【手鎌歴史と里山の会の皆さんが作った干拓地図】

これは、大牟田市の干拓の歴史を時代ごとに説明する地図です。
大牟田市は長い年月をかけて海の浅瀬を干拓し、農地へと変えてきました。
今陸地となっている多くの場所が、かつては海や海岸線に近い場所だったのです。

牟田だった場所は、実際に浸水被害に見舞われやすいのか。
近くにかつて「湯牟田」と呼ばれていた場所があり、
その地域を「手鎌歴史と里山の会」の方と一緒に訪れました。

おとずれたのは、海岸線から3キロほど内陸に入った交差点です。

最新の技術で大雨の際の被害を可視化する機械をこの交差点に重ねてみると。

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近くの川が大雨で氾濫すると、
1メートル以上、
浸水することもあることがわかりました。

腰の上まで浸かり大人の男性でも歩くことが難しくなる高さです。

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【手鎌歴史と里山の会 坂本陽子さん】

(手鎌歴史と里山の会 坂本陽子さん)
「地名を勉強して地図を作ってきましたが、
水との関係で見るということが大事だなと思いました。
特に去年、災害があった後なので、今後はどこにくるか分からない。
知っておくと、早めの避難も考えられるなと思っています」

湿地帯で、沼地ということを示していた「牟田」。
水害と密接な関係のある場所だということも分かりました。

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この地図は県が公表している大牟田市の浸水想定区域に
かつて「牟田」という地名がついていた場所を示したものです。

このように、現在の浸水想定区域と重なる部分や、
距離が近い場所が多いことが分かりました。

昔の人たちがメッセージを込めた地名は「牟田」だけではありません。

みなさんもお住まいの住所の地名に注目していただき、
ぜひ、ハザードマップも見てほしいと思います。

バリサーチでは、皆様からの疑問やご質問を、HPと郵送で募集しています。
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投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:19時23分 | 固定リンク


2021年06月02日 (水)バリサーチ保育園 取材後記


5/28放送の追跡!バリサーチ、担当記者の米山です。
保育園に通う2歳の息子がおり、現在妊娠8か月。育児中の保護者のひとりである私の、取材の一部始終をお話しします。

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上司から、「こういう投稿が来たんだけど、調べてみない?」と声をかけられた私。
投稿文を読み、思い浮かんだのは1人目出産前にもらった先輩ママからのアドバイスでした。

「保育園によって、おむつ持ち帰りとかルール違うから、説明会で聞いた方がいいよ」。

そのアドバイスの通りに保活の際に尋ねてみると、ほんとだ!おむつや布団の取り扱いなど、園によってさまざまでした。
ただ、その時の私は、「ふ~ん、いろいろ違うのね」と思い、園選びの参考にして終わりにしてしまっていました。なぜなら、まだ育休中の身で、息子は0歳。復職後の日常や、保育園生活のイメージがついていなかったのです。

今、息子は2歳、イヤイヤ期真っ盛り。お着替えイヤ!自転車乗るのイヤ!何もかもイヤ!との主張を繰り広げる我が子を説得しながら、保育園の荷物を山盛り持って、仕事に間に合うように毎日登園するのは大変です。それこそが育児、と経験者の方は目を細めて仰ってくださいますが、渦中にいる身としては息継ぎの暇もなく溺れてしまいそう…

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(家の中でも外でもイヤイヤ…)

そんな毎日の中で、負担の大きい保育園のルール。たしかに、どうしてなんだろう。
子どものためになるとか、理由があるなら知りたい。もし理由がないただの慣習なら、見直して欲しい。
投稿者の疑問はもっともだと感じ、気合いを入れて調査に乗り出しました。

まず、認可している自治体に尋ねると、「把握していない」「各園に任せている」。
自治体は、保育業務そのものについては監査などで把握しているものの、おむつをどう処理しているか、布団をどう乾燥させているかは「保育業務そのものではない」ため、指導の対象ではないということでした。

言われてみれば、確かに…。これは、それぞれの園を調べるしかありません。
手分けして調べてみると、保育園のルールは本当にさまざま!
一部抜粋してご紹介します。

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(おむつには1枚1枚名前を書いて持っていきます)

<おむつ>
・子どもの排泄の発達のため、布おむつを使っている。
・布おむつの良さもあるが、洗濯など保護者の負担も大きいので保護者の実費負担で貸おむつ(布)を利用している。
・以前は布を使っていたが、今は紙おむつ。布時代のなごりで、保護者に持ち帰ってもらっている。
・紙おむつ、処理費用を保護者から徴収し園で処理している。
・紙おむつ、子どもの健康状態の把握のため持ち帰ってもらっている。
・紙おむつ、園で処理して欲しいという希望はあるが、園児の数も多く処理費用や保管場所の課題もあり、実現できていない。
・希望制なので、布・紙どちらも可。使用済みおむつは保護者持ち帰り。


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(冷ますのに時間がかかる…)

<3歳以上の主食>
・主食費を徴収し、園で提供している。
・以前は持参にしていたが、夏場の管理の問題や衛生面の配慮から園で提供することになった。
・主食持参。給食室が狭くて炊飯器が足りない。
・主食持参。親と同じごはんを食べることで離れている間も愛情を感じることができる。
・曜日を決めて、持参の日と園提供の日をそれぞれ作っている。
・給食室が狭く食器が置けないので、空の弁当箱を持ってきてもらって園で炊いたごはんを弁当箱に入れて提供している。


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(敷き布団とシーツ、タオルケット)

<布団>
・敷き布団、掛け布団すべて一式、毎週末持ち帰り。家庭で洗濯する。
・敷き布団は園で業者乾燥。シーツやタオルケットだけ毎週末持ち帰って洗濯。
・昼寝はコットを使用。指定のシーツを購入してもらい、毎週末持ち帰って洗濯。
・有料で貸ふとんを使用。
・入園時に持参してもらったあとは、園ですべて管理。おねしょの時だけ保護者持ち帰り。


各園に理由もあわせて尋ねると、一番多かったのは「施設の都合」という意見でした。
園舎の古さや狭さ、園児数の多さなど、各園の都合により判断が異なっているということです。また、保育理念が理由の園や、「保護者と共に保育をするため、保護者に一定の負担を求めている」といった園もありました。
一方、昔からのなごり、理由は特にない、と答える園はごく少数にとどまりました。

どうやら、理由はあるみたい。説明を聞くと、納得するものが多かったです。
また、放送でもご紹介したように、自治体の方針でルールが変わったところも。
コロナや園舎の建て替えなど、きっかけがあることでルールの見直しにつながったようです。

ここまで、保育園のルールについて調べてきました。
「そのくらいの負担、親なんだから引き受けるべき」「なんでもやってもらおうなんて、甘い」。そう思われる方もいるかもしれません。
保護者の一人としては、理由があると説明を聞けば、納得できました。
保育園が子どもを安全に保育してくれているから安心して仕事ができると、保育園への感謝は常に感じています。子どものために必要なことだからと言われれば、よし頑張ろうと、気合いを入れることもできます。

一方、専門家の指摘のように、共働きの増加や核家族化で子育てに対する負担が増している状況もあります。私自身、親などの手助けはなく夫と2人で手分けをして育児をしています。
仕事や家事、保育園の準備などさまざまなやるべきことに追われて余裕がなくなり、ついイライラしてしまうことも…。もし、負担の大きいルールを見直すことができて、その分ゆっくり子どもの話を聞いたり、一緒に楽しく過ごす時間が増えるなら、子どものためにもいいのかもしれないと思いました。

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(常に余裕を持って機嫌よく子どもと向き合えるのが理想ではあります…)

取材を進めてみて、保育園も、保護者も、子どものことを一番に考えているのは同じだと感じました。大切なのは、お互いにしっかりコミュニケーションをとること。そして、より良い保育のためにもっと工夫できることはないか、見直しを続ける姿勢を持つことだと思いました。

また、日頃からお世話になりつつも、保育園側の話は知らないことがたくさんあるなと感じました。保護者の方ももちろん、現場の保育士のみなさんも、実情やご意見をぜひお聞かせください。

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