2021年6月28日

ワクチン接種 どこまで


6/25の追跡バリサーチは「ワクチン接種」について。
いつ接種できるのか、いま、関心の高いテーマの1つです。
自治体の取り組みや工夫をバリサーチしました。

b_210625_01.jpg

まず訪れたのは、福岡市から車でおよそ30分にある粕屋町です。
町内の集団接種会場では、この日も、65歳以上への接種が行われていました。
粕屋町では、接種に従事する医師の確保が課題となっていました。

b_210625_02.jpg

そこで町が利用しているのが、厚労省が運営する医師紹介サイトです。
サイトでは、必要となる日にちや時間帯などを入力し、全国から医師の希望者を募ることができます。経費は国が負担します。

すると、東京や千葉、北海道からも応募が来ました。
各地の医師の応援により、現在の接種率は70パーセントを超えています。

b_210625_03.jpg
(粕屋町 健康づくり課 古賀みづほ課長)。
「いままでは午後なら午後だけ、午前なら午前だけという接種日も多かった。ドクターに来てもらえるので、一日できるでかなり拡大という意味ではありがたかったです」。

b_210625_04.jpg

役場の人員不足が課題となっている自治体もあります。人口1万8千の築上町です。
築上町では当初、町民の希望日をとりまとめる予定でした。
しかし、住民から、1日に400件もの問い合わせがあり、接種日の調整が一向に進まなかったといいます。

b_210625_05.jpg

そうした中、逆に接種日を町が指定する方法に切り替えました。
役場が定めた接種日をはがきで町民に通知。
少ない人員でもスムーズに割り振れるようになったと言います。

 

b_210625_06.jpg
(築上町 新川久三町長)。
「われわれやっぱり少人数ですので、土日はほとんど休みになりません。はがきに変えてしまったら、このほうが非常にスムーズですね」。


自治体が高齢者の接種を急ぐ背景には、国が掲げた「7月末」という目標があります。

b_210625_07.jpg
(管首相)。
「7月末までの接種を完了させます」。


b_210625_08.jpg

しかし、様々な対策を試みても、なかなか進まない自治体もありました。筑豊地方にある人口8千の小竹町。
現在、接種率は37パーセントにとどまっています。

b_210625_09.jpg

接種を呼びかけるために防災無線を利用。


b_210625_10.jpg

県が設置した広域接種会場を利用する小竹町では、高齢者を運ぶためのシャトルバスも導入しました。
しかし、町外の会場までは車で40分。なかなか利用者の数は増えませんでした。

9便を準備しましたがこの日の利用者はわずか4人でした。
役場は、接種を進める地元の病院に、やむなく追加の接種を依頼しました。

b_210625_11.jpg

この病院では、一日あたり60人を接種していましたが、今週から受け入れを倍増しました。

(町民)。
「主治医がいるでしょ。急がなくても順番がくれば打てる」

しかし、医師が少なく、接種の負担が増えることで、一般診療への影響を懸念しています。

b_210625_12.jpg
(病院事務局長)。
「やはり医師の数も限られてはくるし、一般診療しながら早くしなければというのも分かりますけど、そこにはついて行けないところも当然ある。一方で、7月末までに終わらすと言っているでしょう。各市町村」。

町では7月末の完了を目指すものの、その後の接種について不安を抱いているといいます。


b_210625_13.jpg
(小竹町 松尾勝徳 町長)。
「接種回数を倍近く上げていただいたことで、7月末までに終わるのではないかと思います。ただその先がありますから、やっぱり全国民が8割以上は接種しなくちゃいかんじゃないか」。

b_210625_14.jpg

住民に接種の前倒しを相談する自治体もありました。人口1万6千の大刀洗町です。

b_210625_15.jpg

(コールセンター)。
「大刀洗町ワクチン接種コールセンターです」。

町では、8月以降に予約している住民の接種を前倒しすることで、7月末の期限に間に合わせようとしていました。

b_210625_16.jpg
(コールセンター担当者)。
「8月のほうに予約はされておりますけど、国からそういうご指示がありますので。極力ですね、早めに接種、2回目まで終わらせていただきたいという思いで、7月の誘導といいますか、ご案内のほうはさせていただいております」。



町民に話を聞いてみました。

b_210625_17.jpg

(農家の方)
「田んぼをいっぱいしていて、ゆっくりしてからお父さんと2人打とうかな。ちょうど今の時期が取り入れから、田植えからもう本当に忙しいんですよ」。
「打ってなにかあった場合いかんでしょうが、先延ばしにしたほうがいい」


b_210625_18.jpg
(大刀洗町 中山哲志 町長)。
「何をもって接種の完了というだろうと思います。100パーセント完了というのは、まずない。住民それぞれのできるタイミングで接種いただければと思っています」。

ワクチン接種は、できるだけ早く進むべきだと思いますが、VTRであったような住民の声や自治体の実情をみると、一律に来月末の期限に間に合わせることにどんな意味があるのか、あらためて考えてしまいます。

取材を進めてみると、自治体と住民の接種に対する温度差や、自治体の規模や体力によってかなり無理をしながら接種を進めている実態が見えてきました。
実は、県内の自治体すべてが国に対して、来月末までに高齢者への接種を終えられると回答しています。
しかし、今回、取材した自治体からは、こうした声も聞こえてきました。

b_210625_19.jpg

自治体A「何を持って接種完了とするのか難しい」。

自治体B「そもそも100%は無理」。

自治体C「7月末はオリンピックの都合ではないか」。

国に対しては「終える見通し」と回答している一方で、取材を通して自治体の本音も見えてきました。

自治体によっては一般の診療にあたる医師をワクチン接種にあてるなどして何とか期限を守ろうとしている一方で、住民にとっての利便性よりも自治体側のスケジュールを優先させているようにもみえました。今回、高齢者の接種が来月末までに完了できたとしても、今後、64歳以下の接種が本格的に始まった際、どのように接種を進めていくのか大いに疑問を感じました。
今後の接種がどうなっていくのか、引き続きバリサーチしたいと思います。

ぜひ皆さまからもご意見頂ければと思います!

bnr_baresearch.png
追跡!バリサーチのページはこちら

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:10時43分 | カテゴリ:追跡!バリサーチ | 固定リンク

ページの一番上へ▲