2019年10月17日 (木)こつこつ天気図を描く


気象予報士の吉竹です。
ロクいち!福岡で気象キャスターを担当させていただいています。

10月12日の台風19号では東日本・東北各地に甚大な被害が発生しました。
被災された地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

私は気象の仕事に携わり40年近くたちますが、今年ほど全国的に相次いで大きな気象災害が発生している年はないと思います。
福岡県でも7月に久留米市など筑後地方を中心にした豪雨が発生、8月下旬には佐賀県や筑後市など筑後地方を中心にした豪雨災害がありました。

y_191017_01.jpg

気象の仕事を志すようになったのは、小学校のときに父からもらった1枚の黄ばんだ白地図用紙がきっかけです。
佐賀弁で「とうちゃん、この紙、なんばすっとね(何をするの)?」

そしてこの1枚の白地図に、NHKラジオで放送されていた「漁業気象」を聞きながら天気図を描き始めました。
最初は1枚描くのに1日かかっていました。

中学2年の夏休みの自由研究に40日間描いた天気図を提出しました。
右上の赤いラベルは、「金」「銀」「赤」の順に先生が評価したもので、みごと参加賞に相当する「赤」でした。
一番いいのはもちろん「金」ですね。

y_191017_02.jpg

その中の1枚を見てみると、昭和46年8月5日、台風19号が九州を直撃しています。
955hPaで長崎県付近に上陸していますので、私が当時住んでいた佐賀県も相当、風が強く吹いたことと思います。
現在は台風の進路は予報円ですが、このころは「扇型」になっています。
自分の左下のコメントを読むと、恥ずかしいですね。

y_191017_04.jpg

それから50年余りたった今でも、NHKのスタジオの片隅の机で放送の出番の間に、毎日、天気図を描いています。
今では1枚、5分でさっーと描きます。

y_191017_03.jpg

数値予報でさまざまな予測資料が画面上で見られる時代、なぜ、毎日、自分で天気図を描くのか?

それは私自身の気象予測、そして気象キャスターとしての解説のためには、まず実況の観測データと気圧配置の把握が最も大切なこととして身体に染みついているからです。
毎日起こっている、微妙な変化、大きな変化、あるいは変化がないことをアジア全体で微細にそして俯瞰的に確認するためです。

私の原点は父からもらった1枚の紙切れ、そして今も地道にこつこつと描き続けています。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:15時34分


ページの一番上へ▲