吉竹顕彰

2020年03月11日 (水)福岡のソメイヨシノに異変が?


気象予報士の吉竹です。

さまざまのこと思い出す桜かな 芭蕉

春を代表する花といえば、やはり桜ですね。
気になる桜のつぼみがどうなのか、
先日9日に福岡管区気象台のソメイヨシノの標本木を見にいってきました。

福岡管区気象台のお天気相談所の許可をいただいて、写真を撮ってきました。
まず、こちらが標本木の全景です。
高さ10メートルを超えそうな立派な桜です。
この標本木の桜が5~6輪以上開けば、「開花」が発表されます。

y_200311_01.jpg

標本木の根元には立札があります。
裏を見て見ると「1979年2月」の文字。
つまり1979(昭和54)年の2月に
気象台のこの地に移植したことが記されています。
もう40年以上たっています。立派な大人の桜です。
(※実は、この標本木の近くにもう一本、ソメイヨシノが植えられています。
もし、標本木が病気や台風などで折れた場合にはこの予備の木が選手交代、
新しい標本木に昇進します)

y_200311_02.jpg

y_200311_03.jpg

今年は暖冬の影響で桜の開花は早いという予想、
もうつぼみは随分大きくなっているだろうな、
と思い肝心のつぼみに近づいてみると、

y_200311_04.jpg

「ウワッー、これは・・・」
「まだつぼみ堅くて小さい!茶色で緑が見えてない」
「開花予想日まであと1週間、絶対無理!」
「このままでは平年の開花日3月23日より遅くなるのでは?」
とつぶやいてしまいました。

予想が外れ、心の片隅にあった恐れていたことが起こっているようです。
前回のブログ(2月27日)で少し説明しました「休眠打破」です。
この春、福岡のソメイヨシノについては
記録的暖冬の影響でこの休眠打破が「不十分」である可能性が。

ソメイヨシノは冬の寒さが足りないと目覚めが悪くなり、
開花が通常より遅れる傾向が強くなります。
近年、鹿児島の桜が、暖かい冬が多いため開花が異常に遅い年が増えています。
この現象がとうとう福岡でも。

y_200311_05.jpg

福岡のこの冬(12月~2月)の平均気温は9.8度、平年より2.2度も高い。
1890(明治23)年の観測開始以来、第1位の記録的高温となりました。
ベスト5を並べてみると
第1位 9.8度 2019年12月~2020年2月の冬
第2位 9.2度 2018年12月~2019年2月の冬
第3位 9.0度 2006年12月~2007年2月の冬
第4位 8.8度 1988年12月~1989年2月の冬
第5位 8.7度 2016年12月~2017年2月の冬
※平年は7.6度

2位以下に大きく差をつけ、ダントツの高温です。
「9.8度」という気温は、鹿児島の平年の冬の気温「9.6度」を上回っており、
「福岡が鹿児島に引っ越したような冬であった」
と言うことができます。
これまでに経験したことがない未知の領域に足を踏み入れたような状態です。

さあ、福岡の桜は、開花がいつになるのか?
こまめにつぼみの状態を確認する必要があります。

ちなみに、きょう(3月11日)現在、
東京のソメイヨシノの標本木は1輪開花とのことです。
ほころびそうなつぼみもたくさんあり、
東京は過去最も早い3月16日を抜き記録的に早い開花になる可能性も。
「この春、全国の桜前線に異変あり」の様相を呈してきました。

y_200311_06.jpg
撮影:日本気象協会

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:16時44分 | 固定リンク


2020年02月27日 (木)桜の開花、今春はいつ?


気象予報士の吉竹です。

通勤の途中、バスの窓から、毎年、早咲きの桜が確認できます。
今年もピンク色の桜の花が咲き揃ってきましたので、
その公園の桜を見に行ってきました。

y_200227_01.jpg

すでに満開です。
この公園の桜は「オオカンザクラ(大寒桜)」という品種。
カワヅザクラ(河津桜)に開花時期の早さは譲りますが、
比較的早い早咲きの桜です。
ソメイヨシノよりピンクが強く、花は丸っこくかわいらしいです。

y_200227_02.jpg

毎年、定点観察しているのですが、この公園のオオカンザクラは、
例年3月初めに開花、3月10日前後に満開になりますので、
今年は例年より半月も早い見ごろです。
やはり、この冬の記録的暖冬が影響している可能性が大きいと考えられます。

2月20日に日本気象協会から発表された桜の開花予想では、
福岡のソメイヨシノの開花は3月16日です。
平年より1週間早い開花予想です。
ソメイヨシノの開花としては、福岡が全国トップの開花になる可能性があります。

y_200227_03.jpg

そして、今春の桜前線は九州を北から南へ南下し、
鹿児島が九州で最も遅い3月28日の開花予想です。
従来、ソメイヨシノは鹿児島、宮崎から咲き始め、
九州を北上、最後に福岡で開花していましたが、
近年はまったく逆の「南下型」の開花がたいへん多くなっています。

ソメイヨシノは前年の夏に花芽が形成され、その後休眠します。
そして初冬の寒さでぱっちり眼を覚まし開花の準備に入ります。
これを「休眠打破」と呼びます。
さらに初春の暖かさで蕾が膨らみ、3月に一気に花が咲きます。

y_200227_04.jpg

実は、近年、地球温暖化などにより顕著な暖冬の年は、
鹿児島など九州南部でこの休眠打破が不十分となり桜の開花が遅れ、
桜前線が九州を南下する年が急増しています。
つまり、鹿児島などでは暖かすぎて桜が「ボーッとした状態」で
いつ開花していいのか戸惑ってしまい、とりわけ開花が遅れるのです。
桜の開花には寒さが必要です。

一方、福岡管区気象台に植えられている
ソメイヨシノの標本木の開花日(1952年以降)をグラフにしてみると、
過去50年でおよそ9日早くなっています。

y_200227_05.jpg

福岡の桜の開花が早くなっているのは、
地球温暖化や福岡市の都市化による気温上昇が原因と考えられます。
このように温暖化をベースにした気温上昇が、
各地の桜にさまざまな影響を与えているといえます。

ちなみに、福岡の桜の過去最も早い開花日は2013年と2009年の3月13日。
今のところ今年の開花予想日は3月16日ですが、
今後の暖かさ次第では、この記録に迫る可能性が考えられます。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:16時44分 | 固定リンク


2020年01月31日 (金)記録的大雨と記録的暖冬


気象予報士の吉竹です。

ロクいち!の気象コーナーに向けて、毎日、天気図とにらめっこしています。
さまざまな気象資料を解析して、きょうお伝えするポイントを頭の中でまとめ放送に臨みますが、
時には私が経験したことがない予想以上のことが起こります。

y_200131_01.jpg

1月27日(月)の出来事です。
発達中の低気圧の通過で九州北部は雨になりました。
放送中、大分県南部に発達した雨雲が発生、気になっていました。

y_200131_02.jpg

放送終了後、みんなできょうの番組反省会をしていましたが、
大分県佐伯市に相次いで「記録的短時間大雨情報」が発表され、
報道フロアは一気に緊張、慌しくなり、特別番組の対応に追われました。
私は雨雲の状況、雨の降り方、水蒸気の流れ込みなど、いろいろなデータを確認。
「線状降水帯」の発生です。
午後7時27分までの1時間に佐伯市で117.5㎜の猛烈な雨を観測。
1月としては日本歴代1位の記録更新。
雨雲は午後8時ごろからようやく東へ動き始め、
佐伯市の雨の峠は越えましたが、被害が発生しました。

y_200131_03.jpg

経験のない豪雨、ここでポイントになるのは、
(1)なぜ1月のこの時季に?
(2)南西諸島ならわかるが、なぜこれほどの猛烈な雨が九州で降る?

データを解析すると、低気圧が大量の暖かい湿った空気を持ち込み、
南東の風が大分県南部の山に吹きつけ、佐伯市付近に線状降水帯が形成されました。
そして、季節はずれの暖かい大量の水蒸気が九州付近まで持ち込まれたのには、
どうもこの冬の記録的暖冬とも関係があるようです。

y_200131_04.jpg

この冬は偏西風の位置が例年よりかなり北に位置した状態が続いています。
このため、シベリアの寒気が南下できず、九州を含め全国的に記録的暖冬になっています。
大分県佐伯市大雨当日の1月27日、お隣の熊本県八代市で最高気温が23.7度、
平年より13.5度も高い5月上旬並みの記録的高温になりました。
つまり初夏並みの暖かい空気が九州に流れ込んでいたわけです。

y_200131_05.jpg

この冬の記録的暖冬についてはさまざまな要因が考えられますが、
太平洋の日付変更線付近の海面水温が高いことや
通常とは異なるインド洋の海面水温の状態が日本の南の高気圧を強め、
ひいては偏西風を北上させていることが大きな原因のひとつ。
これに加え、地球温暖化による気温の上昇も暖冬に拍車をかけているものと考えられます。

福岡の1月の平均気温を1890年(明治23年)の観測開始以降、グラフにしてみました。
右肩上がりに気温が上昇しています(100年あたり1月の気温は1.9度上昇)。

y_200131_06.jpg

そして福岡における今年2020年1月の月平均気温(1月30日まで)は9.6度。
これは平年より3.0度も高く、観測開始以来130年間で2位を大きく引き離し、
経験したことがない記録的高温です。
9.6度とは3月上旬から中旬の気温に相当するまさに季節はずれの高温。
地理的には福岡市が鹿児島市や枕崎市のさらに南、種子島の近くまで移動したような状態です。

すでに記録的暖冬の影響で、
農作物の生育や冬物商品の消費など社会的にも大きな影響が出ていますが、
いろいろな資料を検討してみても、2月も暖冬が続く可能性が高いと考えられます。
今後も気候の動向に注目していく必要があります。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:17時07分 | 固定リンク


2020年01月17日 (金)「雪中四友」 初雪はいつ?


気象予報士の吉竹です。

先日、成人式の日に福岡市植物園に行ってきました。
天気はくもり、福岡市の最高気温は10.7度、平年並みの気温で寒の内らしい寒さでした。
花の数が一年で最も少なくなる時季ですが、
いろいろな植物に挨拶しながらおよそ3時間、
すっかり寒さを忘れ、広い園内を散策するのはとても楽しく贅沢なひとときです。

「雪中四友(せっちゅうしゆう)」という言葉があります。
雪の中に咲く、冬を代表する四つ花のことをこう呼びます。

雪中四友、咲き始める順にまずはサザンカ(山茶花)

y_190117_01.jpg

初冬のころから次々に咲き続けているサザンカ、
冬枯れのモノトーンの季節に彩を添えてくれます。
この赤いサザンカの名前は「勘次郎」、日本的ないい名前ですね。
そろそろサザンカは雨に濡れて散り始め地面を赤く染めますが、
そんな雨が「山茶花散らし」。

次にスイセン(水仙)

y_190117_02.jpg

この冬の暖かさでスイセンは12月から早々と開花、
今、最盛期を迎えています。
植物園には斜面いっぱいに日本水仙が植えられてあり、
上品な香りにいっぱい包まれて幸せな気持ちになります。
スイセンの別名はまさに「雪中花」。

そしてロウバイ(蠟梅)

y_190117_03.jpg

y_190117_04.jpg

ロウバイは例年より早い年末から咲き始めました。まもなく満開を迎えます。
蠟細工のような光沢があり、梅に似ているのでこの名前。
黄色の花の中心は、少し赤みがかっています。
一方、下の写真はソシンロウバイ(素心蠟梅)です。
薄い黄色一色で、素心とは混じり気がないという意味です。

雪中四友の中で最後に開花を始めるのがウメ(梅)

y_190117_05.jpg

y_190117_06.jpg

園内のウメの中で毎年最初に咲くのは「雪月花(せつげっか)」という白梅。
紅梅の「緋の司」も咲き始めていました。
近くでみると長い長い雄しべが、パッチリおめめのつけまつ毛のよう。
凛とした寒さの中に馥郁たる香りを漂わせ、早春の訪れが感じられます。

そんな雪にちなんだ花が咲き揃う季節ですが、
肝心の雪がまだなんですね。
福岡の初雪の平年日は12月15日、
もう一ヶ月過ぎていますが、初雪が観測されていません。

y_190117_07.jpg

1月17日現在、初雪が観測されていない地点は、
九州の県庁所在地7地点、さらに四国全県、下関、広島、京都、名古屋、岐阜など
西日本から東海にかけての広い範囲です。
これらの地点は福岡市と同じように平年より1ヶ月前後も初雪が遅れています。

福岡の初雪の遅い記録は、今から111年前、
1909年(明治42年)2月6日です。

y_190117_08.jpg

いろいろな気象の予測データを見て見ると、九州北部はこのあと1月下旬にかけても
平地で雪が降るような強い寒気の南下はなく、暖冬傾向が続く見込みです。
従ってこの冬は、これまでの初雪の遅い記録にかなり迫るか、
場合によってはこれまでの記録を更新する可能性もあり注目です。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:16時31分 | 固定リンク


2019年12月27日 (金)福岡 年末年始の天気は?


気象予報士の吉竹です。
まもなく2019年から2020年、新しい年を迎えます。
みなさまもお忙しい年の瀬かと思いますが、
年末年始の天気はどうなるのでしょうか?

まず、年末年始の天気のポイントは、

y_191227_01.jpg

2020年は穏やかな天気でスタートしそうですよ。

では、具体的に12月28日から1月3日までの福岡県の天気の予想です。
これは私独自の福岡県の予想です。

y_191227_02.jpg

具体的に
28日(土) 穏やかに晴れて日中は寒さも緩みます。
      絶好の大掃除日和、お正月の買い物日和です。
29日(日) 天気はゆっくり下り坂。夕方ごろから雨が降りだします。
30日(月) 低気圧の通過で昼過ぎまで雨。雨量は20mm前後としっかり降ります。
31日(火) 一時的に冬型気圧配置。天気は回復しますが風が冷たいです。
      夜は「紅白」を見ながら年越しそば。
      私が注目しているのは「Perfume」「星野源」です。

2020年元日(水)
      高気圧に覆われて晴れ。
      初日の出が見られるところが多いでしょう。
      最高気温13度前後で暖かい元日。初詣日和です。
2日(木) 大陸高気圧に覆われて大体晴れ。初売り、行ってみたいですね。
3日(金) 冬型気圧配置で風が冷たくなります。
      晴れ間が出て、正月3が日は天気に恵まれそうです。

ということで、2020年の初日の出、今年は見られる可能性が高いと思います。
では、「日の出」とはどの状態でしょうか?
(1) 太陽の上端が水平線に接したとき
(2) 太陽の半分が水平線に達したとき
(3) 太陽の下端が水平線に接したとき

y_191227_03.jpg

答えは (1) 太陽の上端が水平線に接したときです。
図では一番左の状態ですね。
ちなみに日の入りとは、太陽の上端が水平線に没したとき、
つまり、完全に沈んだ状態をいいます。

2020年、初日の出の時刻は次のようになります。

y_191227_04.jpg

福岡県内では、午前7時21分~23分ごろにご来光。
もちろん、高いところに登るとそれだけ日の出は早くなるわけで、
標高千メートルを超える英彦山では午前7時14分。
山からご来光というかたは、十分な寒さ対策も必要です。

2019年は大雨、台風の気象災害が多発しましたが、
2020年は気象の上では平穏で平年並みの年であってほしいと思います。
では、みなさま、よいお年をお迎えくださいませ。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:15時25分 | 固定リンク


2019年12月13日 (金)お正月の準備(2020年のカレンダー)


気象予報士の吉竹です。

12月は何かとあわただしい季節ですね。
暖かい日が続き、まだまだ紅葉した木々が青空に映え、師走という実感は薄いのですが、
新しい年を迎えるにあたり、少しずつ新年の準備を始めています。
ちょうど12月13日は「正月事始め」、
昔から「すす払い」「松迎え」といい大掃除やお正月の準備をスタートする日です。

私はまず2020年のカレンダーをそろえました。
右の小さい市販の卓上カレンダーは、仕事場の机上に置きます。
スケジュール帳の役割ですが、
仕事の予定より飲み会の予定を大きく記入、忘れないようにしています。
左の壁掛けカレンダーは、職場用と自宅用で2部用意します。

y_191213_01.jpg

特に、この壁掛けカレンダーは、私が所属する日本気象協会作成の特別カレンダーです。
何が特別かというと、「二十四節気(にじゅうしせっき)」「雑節(ざっせつ)」などの暦と
過去の大雨、台風、地震など大きな災害の名称が日付の下に記入されてあるのです。
自宅のトイレでボーっと眺めながら、そろそろ「大寒」、ネタは何にしようか?
おっ、かみさんの誕生日もうすぐだ、忘れるとこだった、危ない危ない・・・
あ、この日は何年前に大雪が降った日だ!
などといろいろ妄想しながら、毎年、公私に渡る大切な日を確認する資料となっています。

y_191213_02.jpg

最近、市販のいろいろなカレンダーを見てみると、
実は二十四節気などの大切な暦が記載されているカレンダーがとても少なくなっています。

二十四節気とは2000年以上前の古代中国で考案された暦で、
日本へも伝わり定着しました。
昔は中国も日本も月の満ち欠けを基準にした「太陰暦」、
いわゆる旧暦を使っていたため、
暦と季節が大きくずれてしまい、農業を行うにはとても不便でした。

そこで、太陽の運行(1年がおよそ365日)を基準に、
一年を24等分した二十四節気が考案され、
米作りやいろいろな作物を作るための大切な季節の指標にしたのですね。
ちなみに、旧暦から現在の太陽暦、いわゆる新暦に代わったのは1873年(明治6年)。
カレンダーには季節の節目として
「春分」「立夏」「大暑」「霜降」などの二十四節気が合わせて記載され、
私たちの生活の大切な季節暦となったのです。

y_191213_03.jpg

また、二十四節気に加え、日本独自に考えられた「雑節(ざっせつ)」
という暦も記載されるようになりました。
「彼岸」「八十八夜」「土用」「二百十日」「節分」などが雑節です。
立春から数えて88日目まで遅霜に注意、
立春から数えて210日目ごろは台風襲来に注意、
といった具合に先人たちはこれまでの経験をもとに暦を考案し、季節の大切な節目としたのです。

y_191213_04.jpg

「四季がおかしい」「季節感がない」などといわれて久しくなりますが、
近年は地球温暖化により、日本の春夏秋冬が以前と比べさらに大きく変わってきています。
桜がとても早く咲く、
5月にもう夏のような暑さ、
9月になっても猛暑日、
冬になってもまだ紅葉が続いている。

そんな季節のずれや日本の四季の大切さを確認する上でも、
二十四節気や雑節が記載されたカレンダーを
身近なところにひとつ置いておくことは大切なことと思います。
みなさんもカレンダー購入の際には、二十四節気などの暦が記載されているかどうか、
ひとつの基準にされてはいかがでしょうか。

お正月の準備といえば、
一ヶ月前にベランダに干した渋柿、
途中、だれかがつまみ食いして個数が減りましたが、
50個余りの干し柿がなんとか出来上がりました。
新年を迎えると、我が家では干し柿を巡り激しい争奪戦が繰り広げられます。

y_191213_05.jpg

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:16時45分 | 固定リンク


2019年11月29日 (金)私の趣味は植物観察


気象予報士の吉竹です。

休みの日は何をするか?
家族の冷たい視線を背中に感じながら、ひたすら趣味に没頭します。
その中のひとつが「植物観察」。
ということで、週末になるといそいそと福岡市植物園に出かけます。
バスと徒歩で植物園正門に到着しました。

y_191129_01.jpg

きょうは穏やかな小春日和。
おっ!いきなりきれいな寄せ植えがお出迎え。
植物園では春夏秋冬、いろいろな工夫が施されており、来園者を楽しませてくれます。

y_191129_02.jpg

園内は遅れていた「イロハモミジ」がようやく見ごろ、錦秋の季節を迎えていました。
さあ、きょうはどんな植物たちが私を待っていてくれるのか、
毎回、ワクワク!ドキドキ!です。

y_191129_03.jpg

「ジュウガツザクラ(十月桜)」です。
桜といえば春ですが、
名前の通り、10月ごろから咲き始め、
冬にかけて風雪の中でも次々に可憐な花を咲かせます。

y_191129_04.jpg

植物の状態を次々に「みて」いきます。
「見る」はなんとなくボーっとみる、いわゆるチコちゃんですね。
「視る」は「おや?いつの間にか咲いてる」といいながら近づいてしっかりみる。
「観る」は「この花はどうなってるのかな?」と観察しながら、写真に撮っていきます。
そして必ず、その植物の名前を観察野帳に書き込みます。
私は書かないと覚えられないので、とにかく書いて植物の名前を覚えます。
過去の観察野帳をさかのぼることにより、植物の開花などの遅速もわかります。

y_191129_05.jpg

おっ、今年も逢えたね。
足元には「キチジョウソウ(吉祥草)」が。
大きな木の下、日に反り返った落ち葉をかき分けたら、
5cmほどの高さに小さな花が咲いていました。
吉祥という名のとおり、縁起のいい花です。

y_191129_06.jpg

途中、展望台に登ります。
眼下には福岡市の街並みと山々が一望できます。絶景です。
お茶を飲んだりしてひと休み。

y_191129_07.jpg

人目につかない場所にひっそり、
「ロウヤガキ(老爺柿)」の実です。
サクランボくらいの大きさです。
去年は10個余り実をつけていましたが、今年はこの貴重な1個です。
カラスに食べられないか見守っていましたが、きれいに色づきました。

y_191129_08.jpg

植物園は、私にとって植物の面白さと奥深さを教えてくれる大切な場所。
数年前、NHKで「植物男子ベランダー」なる植物萌えの中年おじさんの番組がありました。
私はそんな植物男子です。
ロクいち!の気象コーナーでは、私の趣味をいかし、
これからも季節の花、四季折々の季節の移ろいをご紹介していきたいと思います。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:14時05分 | 固定リンク


2019年11月13日 (水)我が家の初冬のイベント


気象予報士の吉竹です。

11月9日に所要で糸島市に出かけました。
出かける直前に家族から
「そんなら、あれあれ、そうそうJAであれ買ってきて~~」
「あれってあれね。立冬過ぎて、そんな季節だもんね」
長年連れ添う夫婦の会話は大体「あれ、あれ」で以心伝心、通じるものです。

ということで、糸島市のJA産直市場に寄ってみると、ありましたありました。
生産者のお名前が書かれた立派なおいしそうな柿が。
ネット入りの柿をレジに持っていくと
「これ渋柿ですがよろしいですか?
(このスーツ着たおじさん、甘柿と渋柿の違い知らんかも)」
私は「もちろん!渋柿大好きですから」と
ネット入りの渋柿をたくさん買いこんできました。

y_191113_01.jpg

翌日、朝から恒例の渋柿の皮むきです。
家族のために一心不乱、粉骨砕身して鮮やかな包丁裁きで次々に。
まだ修行が足りないかも知れませんが、
私はおよそ30分で担当の20個の渋柿を一気にむき終わりました。
柿の皮、途中で切れずに最初から最後までつながってむけたときは
「オー、芸術的」と一人悦に入りながら。

y_191113_02.jpg

全部で60個あまりの渋柿の皮むきが終了。
柿のへたがある枝の部分をビニール紐に結わえて、
熱湯にざぶんとしばらくつけて消毒。

y_191113_03.jpg

そして、ベランダの雨が吹き込まない物干し竿にズラリと並べます。
初冬の柔らかい日差しと朝昼の大きな温度差を受けることで、
1ヶ月でおいしい干し柿の出来上がりです。

故郷佐賀の実家では、毎年、祖母や母が干し柿を作っていました。
子供のころから元日には、家族全員で必ずこの干し柿を食べて新年を迎えます。
食べた後に入っていた種の数でその年の運勢を占います。
具体的なことは忘れてしまいましたが、
種の数によって「ぼくは今年は縁起がいい!」などと。

y_191113_04.jpg

今も毎年作る干し柿、まずお正月に食べて、
あとは冷蔵庫に保管しながら少しずつ出して大切に味わいます。
家族がとても好きなので奪い合いになり、
私の口に入るのは毎年2~3個です。

干し柿作りは、初冬の我が家の大切なイベント。
そして朝起きて窓を開けてベランダの干し柿に向かって、
「おはよう!!きょうは調子どう?」
と声をかけるのが私の毎日の日課です。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:14時53分 | 固定リンク


2019年11月01日 (金)天気予報と季節の写真


朝の通勤途中、空を見ながらバス停までとぼとぼ。

心の中で
「きのうの予想通りかな?
だいぶ巻雲が出ているが・・・
上空1万メートル付近はこんなに湿る予想だったっけ?
それにしても予想外にきれいな筋雲だな
写真に撮っとこう(カシャと)」

毎朝、空を眺めながら、時には石ころに躓きながら、
そして予報が外れたときはロクいちでの言い訳を考えながらの出勤です。

y_191101_01.JPG

心の中で
「あれっ!
こんなところに黄色い花!
チコちゃんに怒られそうな二日酔いのボーっとした目に、鮮やかな黄色が飛び込んできたぞ
オーッ 石蕗(ツワブキ)が咲き始めているぞ!
おれの好きな花、写真撮っとこう(カシャと)」

y_191101_02.JPG

とまあこのようにして雨の日も、晴れの日も、雪の日も、
空と植物と街の風景の移ろいを五感で感じながら通勤しています。
カバンにはコンデジといわれるコンパクトなカメラを常時携帯。
シャッターチャンスを逃さないためですね。
携帯電話は相変わらずガラケーを使っていますので、
写真を撮るには少々重くてもこのカメラが必需品。

写真といえば、みなさまからたくさんの季節の写真を投稿していただいています。
「季節の写真」は今やロクいち気象コーナーの目玉になっています。
ほんとうに、ほんとうにありがとうございます。
たくさん送って頂いていますので、順番待ちの状態で嬉しい悲鳴です。
私が撮った写真は出番がない。

y_191101_03.JPG


「吉竹さん、あの写真のコーナーが一番よかよ」
「いろんな花が見られるけん、いっつも見よーとよ、ずーっと続けんしゃいね」
歩いていると天気のお話より、まずこんな嬉しいお言葉をかけていただけます。

うーん、今や天気予報は季節の写真に主役の場を奪われてしまった、感じですね。
いやいや、いいのです。
これからもロクいちの気象コーナーは、
みなさまからの写真で季節の移ろいを十二分に感じて頂き、
ついでに私の当たる天気予報を見ていただければ、これほどの幸せはありません。

みなさまからの旬の写真、独自ネタの写真、見てもらいたい写真、なんでもない写真、
どしどし投稿お待ちしています。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:11時07分 | 固定リンク


2019年10月17日 (木)こつこつ天気図を描く


気象予報士の吉竹です。
ロクいち!福岡で気象キャスターを担当させていただいています。

10月12日の台風19号では東日本・東北各地に甚大な被害が発生しました。
被災された地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

私は気象の仕事に携わり40年近くたちますが、今年ほど全国的に相次いで大きな気象災害が発生している年はないと思います。
福岡県でも7月に久留米市など筑後地方を中心にした豪雨が発生、8月下旬には佐賀県や筑後市など筑後地方を中心にした豪雨災害がありました。

y_191017_01.jpg

気象の仕事を志すようになったのは、小学校のときに父からもらった1枚の黄ばんだ白地図用紙がきっかけです。
佐賀弁で「とうちゃん、この紙、なんばすっとね(何をするの)?」

そしてこの1枚の白地図に、NHKラジオで放送されていた「漁業気象」を聞きながら天気図を描き始めました。
最初は1枚描くのに1日かかっていました。

中学2年の夏休みの自由研究に40日間描いた天気図を提出しました。
右上の赤いラベルは、「金」「銀」「赤」の順に先生が評価したもので、みごと参加賞に相当する「赤」でした。
一番いいのはもちろん「金」ですね。

y_191017_02.jpg

その中の1枚を見てみると、昭和46年8月5日、台風19号が九州を直撃しています。
955hPaで長崎県付近に上陸していますので、私が当時住んでいた佐賀県も相当、風が強く吹いたことと思います。
現在は台風の進路は予報円ですが、このころは「扇型」になっています。
自分の左下のコメントを読むと、恥ずかしいですね。

y_191017_04.jpg

それから50年余りたった今でも、NHKのスタジオの片隅の机で放送の出番の間に、毎日、天気図を描いています。
今では1枚、5分でさっーと描きます。

y_191017_03.jpg

数値予報でさまざまな予測資料が画面上で見られる時代、なぜ、毎日、自分で天気図を描くのか?

それは私自身の気象予測、そして気象キャスターとしての解説のためには、まず実況の観測データと気圧配置の把握が最も大切なこととして身体に染みついているからです。
毎日起こっている、微妙な変化、大きな変化、あるいは変化がないことをアジア全体で微細にそして俯瞰的に確認するためです。

私の原点は父からもらった1枚の紙切れ、そして今も地道にこつこつと描き続けています。

投稿者:吉竹顕彰 | 投稿時間:15時34分 | 固定リンク


ページの一番上へ▲