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2022年01月21日 (金)ソフトバンク 新人選手の胸の内


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プロ野球・ソフトバンクは、今シーズン19人のルーキーを迎えました。このうち去年秋のドラフトで支配下選手として指名された1位から5位の選手、そして育成選手のうち、地元・福岡の3選手のあわせて8人のインタビューをお届けします。

目次
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▼1位  風間球打投手  明桜高校(秋田)  目標「300勝」「沢村賞」
▼2位  正木智也外野手 慶応大学      勝負強さで本塁打王
▼3位  木村大成投手  北海高校(北海道) サファテ投手を継承
▼4位  野村勇内野手  NTT西日本    盗塁王目指す新人最年長
▼5位  大竹風雅投手  東北福祉大学    絶対的抑えになりたくて
(育成)
▼1位  藤野恵音内野手 戸畑高校(福岡)  トリプルスリーを
▼3位  井﨑燦志郎投手 福岡高校(福岡)  プロか進学か悩んで
▼14位 仲田慶介外野手 福岡大学(福岡)  憧れの球団でガッツを
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▼ドラフト1位 風間球打投手
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秋田・明桜高校出身    最速157キロの直球が持ち味。背番号は「1」

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Q 風間投手の強みは

角度がある真っ直ぐというのはあまりいないタイプなので、自分の持ち味です。


Q 1年目の目標は160キロを出すことだと聞きました

日本の選手ではなかなか出せない球速なので、そこ目標にしてやっていきたいと思って います。


Q 球速にこだわる理由は

とにかく速い球が投げたいという思いがありました。周りより速い球を投げられると自信になる。どれだけ球速を上げられるかというのは、自分でも楽しみながらやっていました。


Q 目標のピッチャーは

千賀滉大投手を1番の目標にしています。球も速いですし、変化球も精度が高い。同じチームになったので、聞いてみたいことがたくさんあります。しっかり聞いて、身につけていけたらいいと思います。


Q 将来の目標は

300勝、そして沢村賞を獲得したいと思います。200勝を目標にしている人が結構多いと思います。それを超える300勝を目標にしていると、小さい目標はどんどん達成できると思います。大きい目標を立てて、しっかりとこつこつとやっていきたいと思っています。

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Q 背番号は「1」、希望したのですか

違います。球団の方が決めて下さいました。「期待している」と言われたので、しっかりと期待に応えるようにがんばっていきたいと思います。



▼ドラフト2位 正木智也外野手
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慶応大学出身   大学では4番として活躍し、チームは34年ぶりの日本一に

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Q 「ここは負けない」という持ち味は

勝負強さにはすごく自信があります。大学でも4番で出してもらって打ってきました。なんといってももらった背番号「31」は、栗原陵矢選手がつけていた番号です。栗原選手の勝負強さを受け継いでいけたらいいと思います。


Q 目標とする選手は

ホークスでは柳田選手が目標です。見ていてすごくロマンがあるというか、見ていて楽しい選手なので、僕もファンの方から見ていて楽しいと思ってもらえるような選手になれればと思います。あとは巨人の坂本勇人選手です。同じ右バッターとして、僕も打率を残して、ホームランも打てるバッターを目指し、バッティングなども参考にしてやっていました。


Q 対戦したいピッチャーは

オリックスの山本由伸投手と対戦してみたいと思っています。テレビで見ていてもすごい球ですし、打席であの球がどういう風に見えるのかすごく楽しみなので、一度、打席に立って対戦してみたいです。


Q 将来とりたいタイトルは

ホームラン王を取りたいと思っています。打撃が持ち味で、1番難しいのがホームランだと思います。ホームラン王を目指してやっていきたいです。


Q 理想のホームランは

レフト、センター、ライトの3方向にホームランというのはずっと目標に掲げてやってきました。引っ張るだけではなくて、逆方向のホームランを見てほしいと思っています。



▼ドラフト3位 木村大成投手
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北海道・北海高校出身   背番号は引退したサファテ投手の「58」を継承

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Q 自身の持ち味は

気持ちの強さは誰にも負けないと思うので、そこをアピールして試合に出られるようにがんばっていきます。


Q 気持ちの強さが出たエピソードは

思いっきり投げたときには声が出ます。結構でかい声で、「うおりゃ!」みたいな感じです。

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Q 背番号は「58」。引退したサファテ投手がつけていました

うれしいです。サファテ投手はとても好きです。すごいピッチャーなので。


Q 将来的な目標は

侍ジャパンのユニフォームは、子どもの頃から見ていてかっこいいと思っていたので、いつか着てみたいという思いはあります。


Q ファンヘのメッセージは

北海道という遠いところから来て、福岡は初めてでわからないことがたくさんあります。1日も早くなじんで福岡のみなさんに愛される選手になれるようがんばります。



▼ドラフト4位 野村勇内野手
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NTT西日本出身。25歳で新人最年長  去年長女が誕生

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Q 将来的な目標は

足が持ち味なので、盗塁王というタイトルが1番ほしいです。


Q ヤクルトの山田哲人選手が目標と聞きました

山田選手は、3拍子揃った選手です。僕も足、守備、バッティングに自信があるので、「トリプルスリー」をとれるような山田選手が目標です。


Q 山田選手から見習いたいところは

何回もタイトルを受賞し、コンスタントに打って、走れるというのが本当にすごいと思います。


Q 1年目の目標は

開幕1軍で、すぐにスタメンは難しいと思うので、まず代走や守備固めなどから試合に出て、レギュラー争いに食い込んで、1年目に新人王がとれたらいいと思っています。


Q 周りの新人選手は高校生が多いですが

僕が1番年上ということで、みんな少し気をつかっているかなと・・・。僕から話しかけていきたいと思います。
    


▼ドラフト5位 大竹風雅投手
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東北福祉大学出身  投手を始めたのは高校からという異例の経歴

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Q 目標はセーブ王とお聞きしました

自分あんまり先発で投げるタイプではないので、抑えだったら最多セーブを目標にできたらと思います。


Q 高校から投手を始めたと聞きました

高校では2番手投手という形で、主に内野手がメインでした。


Q 投手としての持ち味は

フォークボールとスプリット。投げ方や握りを変えて、落差とスピードが変わります。


Q 目標の選手は

サファテ投手。引退してしまいましたが、「絶対的抑え」というのが憧れです。


Q 対戦してみたいのは

オリックスの吉田正尚選手です。バットコントロール、長打力がすごいので、どう抑えるか考えながら対戦してみたいと思います。



▼育成1位 藤野恵音内野手
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福岡・戸畑高校出身

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Q 指名を受けて反響は

学校のみんなからすごいと言ってもらいました。大学進学と迷っていたのですが、周りからのそういう声もあって、プロに行こうという気持ちになりました。


Q 将来の目標は

1日でも早く支配下登録されるようになりたい。そこからしっかり1軍に行って、「トリプルスリー」にはこだわりたいと思っています。


Q 特技は

サッカーが得意です。習っていたわけではないのですが、小さい頃から遊ぶ時はだいたいサッカーをやっていて、上達しました。リフティングもサッカーをしている人よりも多くできたりしました。


Q ファンヘのメッセージは

まずは1日でも早く支配下登録されるように頑張って、そして1軍の舞台でファンのみなさんに勇気や感動を与えられるような選手になりたいと思っています。



▼育成3位 井﨑燦志郎投手
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福岡高校出身

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Q 進学と迷いましたか

五分五分くらいで悩んでいました。ずっとプロ野球の選手になるのが夢でした。大学に進学した方がいいという考えも、プロになれるときになりたいという考えもありました。


Q 最終的に決断した理由は

去年11月に球団の方の話を聞いて、自分が野球をするならば、ホークスの環境が1番成長できると思えたので、入団を決めました。


Q プロでの1番の目標は

1番大事なのはチームが勝てることだと思うので、まずはチームの勝利に貢献できるような投手になりたいです。どんな使われ方でも大丈夫なので、何勝というよりは、何回、どれだけ貢献できるかです。


Q ファンのみなさんにひとこと

1軍で投げるにはまだ課題がたくさんありますが、1つずつ克服して少しでも早くホークスの戦力になれるように全力でがんばります。



▼育成14位 仲田慶介外野手
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福岡大学  福岡大大濠高校出身

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Q 地元の球団は憧れでしたか

小さい頃から憧れの球団で、そのユニフォームを着られることはすごくうれしいです。川﨑宗則選手がずっと好きで、元気はつらつとしたプレースタイルが好きでした。


Q アピールポイントは。

ガッツがあり、粘り強いプレーというところを1番意識してやっていこうと思います。


Q 負けたくない選手は。

三浦銀二選手(法政大、DeNAドラフト4位)と古賀悠斗選手(中央大、西武ドラフト3位)は、高校時代の同期なので、何としても自分が支配下選手になって負けたくないと思います。


Q 将来的な目標は。

とにかくはい上がって、まず支配下登録に何としてもなるというのが1番です。1日1日大切に積み上げていって、1軍で活躍できるような選手になれるようにがんばりたいです。ゆくゆくは首位打者を取りたいと思います。



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新人選手たちは、今月29日まで合同の自主トレーニングを行い、2月1日に始まる春のキャンプに備えます。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:17時48分 | 固定リンク


2022年01月20日 (木)特集 「ぶれない便利屋」 ソフトバンク・又吉克樹投手


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プロ野球の又吉克樹投手は、独立リーグ出身の選手では初めてFA=フリーエージェントの権利を行使して中日からソフトバンクに移籍した。中日の8年で通算400試合に登板したタフさが持ち味のリリーフ投手に、新天地、そして故郷・沖縄への思いを聞いた。

(聞き手・NHK沖縄・寺内皓大アナウンサー)


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△インタビュー風景

【独立リーグ出身初のFA移籍】

Q 独立リーグでプレーした選手のFA移籍は初めてです。どういった思いがありますか。

1つの節目になると思います。独立リーグから来て、自分でもFA権を取れると思っていなかったです。実際に権利を行使して「独立初」っていうニュースをいろんなメディアに連日取り上げてもらいました。
独立リーグから中日に入団した時のドラフトが終わってすぐ、当時の代理人とお酒を飲みながら話している時に「僕の夢はFA選手を出すことだ」と話してくれました。僕は「なれるように頑張ります」と約束しました。今実際にFA移籍を達成し、報告すると、「本当におめでとう。約束を覚えていてくれてありがとう」と言ってもらえました。独立リーグにいる選手が僕を見て、独立リーグ出身でもFAを宣言して移籍できるような選手になれる可能性があると思ってくれれば、それだけでうれしいなと思います。


Q 中日でプレーした8年間は又吉投手にとってどういった経験となりましたか。

間違いなく僕の野球人生の土台はドラゴンズに作ってもらったものです。偉大な先輩、同学年や後輩からいろんな刺激を受けて、8年間で400試合を投げさせてもらいました。
400セーブした方(岩瀬仁紀さん)から50歳までやった方(山本昌さん)までレジェンドと呼ばれるような方たちがいました。その人たちがけがをしながらも、愚直に、まじめに、丁寧に、リハビリをして、練習している姿を生で見たのは代えがたい経験でした。ドラゴンズには感謝しています。使っていただいた首脳陣の方にも改めてお礼をしたいと思います。

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△入団会見

【なぜソフトバンクに】

Q 移籍先にソフトバンクを選んだ理由は何ですか。

一番は、トップクラスにある施設です。そして、多様な選手がいて、その中に自分が行った時に、自分が今まで知らなかった部分を知ることができるのではないかというのが決め手です。
 
 中日の経験をどういかしますか。

受け継いだものをただ教えるのではなく、相手から求められた時に、求められた答えをピンポイントで渡せるようにしたいと思います。体の強さは人それぞれですが、なぜそういう体になったか、どういうケアをしていたか、どういう練習していたかというのは、惜しみなく教えたいと思います。

Q 又吉投手はどういうポジションを狙っていますか。

中日の時と変わらず「便利屋」です。何でもできるというのは強みだと思います。誰かがいない、トラブルになったという時に「そこに又吉を入れよう」というポジションでいたいです。「チームのために何でもします」というのが僕のスタンスで、それを崩す必要はないと思います。
 

Q ピッチングスタイルは変えませんか。

基本的に変えないですけど、変えざるを得ない、変えた方がいいという場面も出てくると思います。ソフトバンクの投手は球が速いです。球が速くなるトレーニングがあり、自分にあいそうであれば、どんどん取り入れたいです。変わろうとするのではなくプラスアルファで何かをつかんで自分のものにしたい。目の前の相手をとにかく抑えるために何をしたらいいかというのを一番に考えてやっていきたいと思います。


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△筑後市の球団施設でトレーニング

【故郷・沖縄への思い】

Q 故郷・沖縄にも近いソフトバンクへ移籍しましたが、故郷への思いはいかがですか。

ひとつでもいい結果、いい報告ができるようにしたいです。沖縄の高校でレギュラーでもなかったような自分がソフトバンクで野球をするのを見て、今の高校生が「僕ももっと練習したらいい結果出るかも」と思ってほしいです。極論を言えば「又吉でもプロ行けたのだから僕も」と思ってもらえるように頑張りたいです。今は女子野球があるので、「私は女子野球をがんばってやってみたい」と思ってくれる子が増えるといいと思っています。沖縄県内の野球のすそ野を広げられるように、1つずつ還元していきたいと思います。

 
Q ソフトバンクには東浜投手やリチャード選手といった沖縄県出身の選手がいますよね。

うれしいです。特に東浜は、僕が高校生の時に活躍して、甲子園に行っているピッチャーです。そのピッチャーがどういう事を考えて大学に行って、プロに入ってきて野球をやっているのかというのは気になるので、会った時に積もる話をしたいと思います。

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【パ・リーグで新たな挑戦】

Q セ・リーグからパ・リーグへ移籍し、対戦したい選手は誰ですか。

沖縄出身の西武・山川穂高選手ですね。同郷だったり同級生だったりすると、やっぱり気になります。交流戦でドラゴンズ相手に投げる自分というのもどうなのだろうと楽しみだったり、不安だったりします。


Q 具体的な数字の目標はありますか。

あまりないです。1試合を投げれば、2試合目のチャンスをもらいます。2試合目に投げてそれがよければ3試合目。それがだめだったらもう次はないかも知れない。そういう気持ちでやった結果、シーズンが終わった時にこれだけ投げられた、こういう成績だったと振り返りたいです。数字を求めるのではなく、働く場所で丁寧にすごしていくことにもっと集中して、こだわって、やっていきたいと思います。


Q 最後に、意気込みをお願いします。

ソフトバンクでも、やることは1イニング、1人、1アウトを丁寧に。1年間、芯をぶらすことなくやっていきたいと思います。

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(完)

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:17時37分 | 固定リンク


2022年01月07日 (金)" 世界一の 称号に 満足しない男 "


福岡に「世界一のコーヒー焙煎士」がいるのをご存知でしょうか?

福岡県大野城市でコーヒー豆店を営む 後藤 直紀さん(46)です。

でもただの「世界一の焙煎士」ではありません。

そのすごさは、「世界一の称号に満足していない」ことにあるのだとか。

世界一になってからもコーヒー豆と向き合って、納得のいく味作りを目指しています。
そこにはどんな「こだわり」と「仕事の流儀」があるのか、取材してきました。

<<後藤さんの焙煎を映像で見る場合はここをクリック>>

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▼目次▼
1.“世界一のコーヒー焙煎士” 後藤 直紀 さん
2.“「ブレを 抑える」 焙煎士の仕事”
3.“ブレを抑えるための積み重ね 「データ」”
4.“「豆の音」を 聞く”
5.“開業できるかも?でもコーヒーの世界は甘くなかった”
6.“世界一になった。・・・でも上には上が ”
7.“コーヒー仲間はかく語りき”
8.“趣味の撮影 も 修行の一部”
9.“世界一の称号には 満足しない”
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1.“世界一のコーヒー焙煎士” 後藤 直紀さん
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(焙煎機の前に立つ後藤直紀さん)

後藤さんのお店は、福岡市のベッドタウン大野城市の住宅街の一角にあります。
ビルの1階に入っている小さなお店ですが、店内は世界各国のコーヒー豆がところ狭しと並んでいます。その数15カ国20種類、「コーヒーのおいしさは人それぞれ」がお店のモットー。「自分に合うコーヒー探しをしてくれる」ということで、県内外のコーヒー好きに支持される人気店です。

棚には後藤さんが獲得した国内外のコーヒー焙煎の大会のトロフィーが飾られています。その中でひときわ輝いているのは、コーヒー焙煎の世界大会「World Coffee Roasting Championship」のトロフィーです。8年前、後藤さんは日本人初のチャンピオンに輝きました。世界中の焙煎士たちにとって憧れの大会で、後藤さんの後に日本人のチャンピオンは現れていません。(2022年1月現在)

そんな世界一の焙煎士の後藤さんですが、店頭でその姿を見ることはほとんどありません。店の隣のビルにある「焙煎室」で焙煎に専念しています。

「世界一」になり、様々なメディアにも取り上げられて、大企業ともコラボするほど注目を集め順風満帆。少しは現役から離れているのかと思っていましたが、そんなことはありません。私たちが訪れた日も「焙煎室」で現役バリバリの「焙煎」を見せてくれました。

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(焙煎機の繊細な操作を繰り返す後藤さん)

2.“「ブレを抑える」 焙煎士の仕事 ”
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コーヒーの「焙煎」は、生豆を煎ることでコーヒーの『味』と『香り』をコントロールする大事な作業です。
豆の「種類」や「産地」で『味』や『香り』は異なります。それぞれの豆の特性を理解した上で、焙煎で加熱の「強弱」や「長さ」をコントロールし、理想の『味』や『香り』を作り上げていきます。
しかし、豆を加熱する焙煎機の操作は簡単ではありません。焙煎機は「天気」や「気温」の影響で「ガス圧」が変わってしまうため、「火力」や「風力」の調整の加減も毎日異なります。同じように操作をしても、同じような『味』と『香り』が再現できるわけではないのです。
「焙煎」は一瞬たりとも油断ができない、とても神経を使う繊細な作業なのです。

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後藤直紀さん
「焙煎って必ずブレがあるんですね。
今まで何万回って焼いてきたんですけど1回も同じ焙煎ってないんです。
そのブレを抑えていくというのが私たち焙煎士の仕事だと思うんです。」
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最も理想的な豆の『味』と『香り』を引き出し、それを再現し続けるために、後藤さんは
1日6時間以上焙煎室にこもり、多い時でおよそ120kgのコーヒー豆を焙煎します。

3.“ブレを抑えるための積み重ね「データ」 ”
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ブレのない味作りのために後藤さんが大事にしているのが、“データ”です。

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(およそ1年分の記録)

後藤さんが棚から分厚い紙の束を取り出して私たちに見せてくれました。
ことし1月から12月までの焙煎のデータを記録した用紙です。そこには、豆の種類、その日の気温、1分ごとの豆の温度など様々な数値が実に細かく書かれています。
お店を始めてから12年間、欠かさず書き続けてきました。

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後藤直紀さん
「技術的な資産とでも言いますか、データを残すことで過去のデータと比較できるん
です、同じ天気の時のものを見てこういう風に焼けばいいのかわかりますし、
ブレのない味を再現するためにも大事なことですね」
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4.“「豆の音」 を聞く ”
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(豆の音を聞くために周囲の雑音を減らすヘッドホンをつけて作業する)

もうひとつ大事にしているのが“音”。
後藤さんは豆が焼ける時にはじける小さな音を聞いて、焙煎機の操作を微調整しています。焙煎が進むとだんだん豆の水分が抜けて音も軽くなっていきます。次第に変わる「豆の音」を聞いて『味』や『香り』を想像しているのです。

作業中に耳につけているのは周囲の雑音を減らす機能があるヘッドホンです。焙煎機が出す轟音が鳴り響き、豆が焼ける時の小さな音が聞こえにくいためです。

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後藤直紀さん
「豆が爆(は)ぜるんですねバチバチバチってポップコーンみたいに、その爆(は)ぜの強さや間隔で豆の状況がわかる。例えばパチパチパチって言う弱い音だったりすると火力がちょっと弱すぎるのかな?とか。そういうのもやっぱり情報として大事なんですよね」
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ノイズキャンセリングヘッドホンがなかった時は焙煎機に直接 “聴診器” をあてて音を聞いていたそう。豆の“音”で『味』や『香り』がわかるなんて驚きです。

私たちは丸1日焙煎室で取材していましたが、後藤さんは一度も食べ物を口にしませんでした。聞くと、焙煎する日の食事は夕食のみ。焙煎中に味の確認をする舌の感覚が鈍るのだそうです。
ストイック過ぎるほどの姿勢でコーヒーに向き合う後藤さん、まさに「世界一に満足しない焙煎士」の姿を私たちは目の当たりにしました。

5.“開業できるかも?でもコーヒーの世界は甘くなかった”
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(焙煎を始めたころの後藤さん)

後藤さんがコーヒーの世界に入ったのは20代のころ。当時の仕事はお酒の営業でしたが、社会人のコーヒーサークルに入っていろいろなカフェを巡り、どんどんのめり込んでいきました。
「そんなに好きなら自分で焙煎してみたら?」と行きつけのコーヒー豆店の店主に焙煎を勧められたのです。それから独学で焙煎を学び始めた後藤さん、学べば学ぶほど焙煎のおもしろさ、奥深さに魅了されていきました。

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後藤直紀さん
「何年か焼いていると、たまにそこのお店よりもおいしいのができちゃうことがあったんです。今思えばたまたまなんですけど、ちょっと上手になってきたなっていうのが自分の中にあったんで、そろそろコーヒー屋できるんじゃないかって思っていました」
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(師匠の田口護さんと)

27歳になり、独学で身につけた「焙煎」技術に自信を持ち始めた後藤さん。
本格的に開業しようと東京で開催されていたセミナーに参加しました。

有名店「カフェ・バッハ」が主催するセミナー、開業を目指す同じ立場の人たちが参加していました。
そこで後藤さんは周囲とのレベルの違いに打ちのめされます。焙煎に関する知識が圧倒的に足りておらず、できていたと思っていた味作りは自分本位でしかなかったのです。

自分の実力を思い知り、「このままでは開業なんて夢のまた夢だ。」と一度は落ち込みましたが、それだけでは終わりませんでした。
セミナーが終わってすぐに、「どうしたら「焙煎」の技術を磨けるのか」セミナーの主催者に相談したのです。

その主催者は「カフェ・バッハ」の店主でもある田口護さんでした。

NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介されるほど、焙煎を極めたコーヒー界のレジェンド。その田口さんから「うちで勉強してみる?何年かかるかわからないけど、技術はつけてあげるから」と提案されたのです。

田口さんの元で修行する決心をした後藤さん、それからサラリーマンを続けながら3年間、福岡から東京へ通い続け、焙煎の技術を磨きました。

6.“ 世界一になった。・・・でも上には上が ”
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(世界大会優勝の瞬間)

本格的にコーヒーを学び始めて10年。37歳の時にフランスで開かれたコーヒーの焙煎技術を競う世界大会に出場し、この大会で日本人初のチャンピオンに輝きました。
しかしその大会を後藤さんはこう振り返ります。

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後藤直紀さん
「たまたま私の焙煎が認められましたけど、3位だった台湾の女性のコーヒーは
当時飲んだ中で一番おいしくて、こんなに上手く焼ける人が世の中にはいるんだ、
上には上がいるなと思ったんです」
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世界一になったはずの大会で自分よりすぐれた焙煎に出会ったことで、いっときたりとも慢心することはありませんでした。

それから8年。まだ自分は足りないことだらけだと語り、今でもコーヒーに関する様々な競技会に出場し続けています。

7.“ コーヒー仲間はかく語りき ”
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(焙煎士仲間 須永紀子さん)

後藤さんのこの姿を見続けてきた、つき合いの長い福岡の焙煎士仲間はこう評します。
「100%純粋、超オタクのコーヒー好き」と。

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須永紀子さん
「世界一になったら大体、コーチになったりするんです。自分自身が挑戦するっていうのは珍しい。勇気がいると思うんですよね。一回自分を否定して一から作り直さないといけないから。挑戦することが好きなんでしょうね、Mっていうか、打ちのめされるのが好きなんじゃないですか(笑)」
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(焙煎士仲間 田原照淳さん)
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田原照淳さん
「世界一になったからといって終わりではなくて、世界一なった焙煎よりも今焼いてる方がおいしいなと思えるようなことを日々考えてるので、いまだに競技会に出てトレーニングをしている。その知識でお客様にサービスをしているところが、努力をやめない後藤さんの凄さではないでしょうかね」
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8.“ 趣味の撮影 も 修行の一部 ”
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(神社で撮影をする後藤さん)

「飽くなき向上心」と「データの積み重ね」で論理的に焙煎の技術を高めてきた後藤さんですが、最近は「自身の成長が鈍っている」と感じています。

そこで始めたのが趣味のカメラをマニュアル設定で撮影することです。

「カメラとコーヒーに何の関係があるの?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、これコーヒー業界では有名な関係性だそうです。
撮影でどれくらいの光を取り込むのかという感覚などが、焙煎でどの程度の火力を豆に落とし込んでいくかという点に似ているそう。

焙煎士は後藤さんのようなお客さんの求める味を作りあげる『職人タイプ』と、自分の感性で良いと思ったものを提供する『アーティストタイプ』に分かれると言われます。
自分とは違うタイプの『アーティストタイプ』の閃きも手に入れたい。
感性を磨くことでコーヒーの味作りのヒントを探っているのです。

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後藤直紀さん
「写真の技術が上達するというよりは写真を見る力がよくなっていけば。自分のコーヒーを見る力っていうのも上がっていって、そうなると自分のコーヒーにまだできてないところに気づくかもしれない。結局コーヒーのことしか考えてないですけど(笑)何かコーヒー以外のことを取り入れて自分を高めてよりいいコーヒーを作れたらなって思ってます」
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9.“ 世界一の称号には 満足しない ”
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(焙煎機の前でインタビューに答える後藤さん)

最後になぜそこまで焙煎に向き合うことができるのか聞きました。

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後藤直紀さん
「満足してしまうとそういう技術とか味覚の扉って開かないと思うんですね、だからもっと上手になれるっていう可能性があるなら、そこは開いていきたいと思うんですよね、そこをずっと開き続けて今の自分があるので、それでいくと一生満足とかできないだろうなっていう気もするんですけれども(笑)」
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後藤さんがコーヒー業界に飛び込んだころ、大ベテランたちにこんな言葉をかけられたそうです。

「後藤君ね、コーヒーって40年やっても難しいし、わかんないんだよ」

それだけコーヒーの世界は答えがなく奥深いということなのです。

「現状で満足してしまったら成長はない」

今回の取材から後藤さんの焙煎に向き合う姿から学んだことです。

みなさんの仕事はいかがでしょうか。ひとつの専門を突き詰める後藤さんの姿に共感する方もいるのではないでしょうか。

わたしはカメラマンになって19年ですが、まだまだ映像のなんたるかがわかっていないと感じます。映像の世界も正解がない沼のようなもの、後藤さんを見習って少しでも上を目指していきたいと思います。


<<後藤さんの焙煎を映像で見る場合はここをクリック>>


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□取材:野口真郷カメラマン□
最近コーヒーのいれ方のコツを教えてもらってから、コーヒーがおいしくなりました。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:14時55分 | 固定リンク


2021年12月27日 (月)「どげんね、しのげていけそうね」コロナ禍の年末年始 生活困窮を支援


「若い世代や女性が目立ってきている」と話すのは、路上生活者を長年、支援している団体のメンバーです。懸念は“ニアホームレス”の増加。住む場所があっても、近いうちに路上生活になる恐れがある人が増えているといいます。
メンバーは、年末年始を前に「どげんね、しのげていけそうね」と声をかけています。
(文末に支援先の一覧があります)

■ 困ったときはお互い様

 12月上旬の平日、午後7時すぎ。福岡市博多区のNPO「福岡おにぎりの会」の事務所には約60人のボランティアが集まっていました。団体は30年以上前から、路上生活をしている人たちなど生活に困った人たちに、食料や衣類などを無償で届けています。

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「福岡おにぎりの会」事務所の様子

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福岡おにぎりの会 郡島俊紀 理事長

福岡おにぎりの会 郡島俊紀 理事長
「コロナの関係で仕事を失ってどうしようかという人もいるし。
その人に福祉の手立てでなどをつないでいくことが今やることでしょうね」

この日、活動に出発する前に黙とうがささげられました。
寒さが厳しくなってきた11月下旬、団体が支援を続けていた路上生活者の男性2人が体調を崩し、相次いで亡くなりました。
支援の際、生活困窮者に積極的な声かけをして、体調の変化などをチェックすることを改めて確認していました。

福岡おにぎりの会 郡島俊紀 理事長
「(ホームレスは)死と隣り合わせですので。
(ボランティアの皆さんには)1歩踏み出していただいてですね。
『どげんね、しのげていけそうね』と聞いていただきたい」

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(出発前のミーティングの様子)

団体では年末を控え、今月(12月)からおよそ4か月間を「越冬期」と位置づけ、通常、2週間に1回の炊き出しの回数を1週間に1回の倍に増やします。
炊き出しやテントの見回りなど、市内での支援活動のエリアはおよそ10か所で、事務所から各地への移動は、それぞれの自家用車での乗り合わせです。
この日の取材では、中州地区での活動に同行しました。
 
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(炊き出し会場の公園には多くの人が集まる)

公園に到着したのは午後9時すぎ。気温は10度を下回る中、すでに30人ほどが集まっていました。団体によると、コロナ禍の前と比べて、およそ1点5倍に増えていて、若い世代や女性が目立ってきているといいます。
また団体が「ニアホームレス」と呼ぶ、近い将来、路上生活を選択せざるをえないような生活困窮者の増加が懸念されています。

福岡おにぎりの会 郡島俊紀 理事長
「(コロナ禍前、炊き出しの利用者は)100人切りかけた頃だったんですけれどもね、 前回(の炊き出しでは)150名だったということでですね。だから、だんだん増えてきているわけですね。その上、家はあっても食べられないという若い方が結構おられますよね」

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(訪れた人には豚汁とおにぎり、飲み物などが提供された)

炊き出しのメニューは、温かな豚汁とおにぎり。訪れた人に料理を配りながら、次回の活動で防寒着を渡そうと、服のサイズも聞き取ります。そのすぐ近くでは、地元の病院による無料の健康相談も行われていました。
この日の活動では、市内で合わせて160人余りが支援を受けました。
団体では、支援する側のボランティアのなり手や車の燃料費などを含めた活動資金の支援も受け付けています。誰でも生活困窮者になってしまう恐れがある世の中だからこそ「困った時はお互い様」という気持ちが大切だといいます。


福岡おにぎりの会 郡島俊紀 理事長
「(生活に困ったら)遠慮せずに助けてくれといっていただきたいことですね。
よくあるのは、これ以上人に迷惑をかけられないといって、
結局最後は路上で倒れて病院に搬送される。
困ったときには助けてくれと声をあげられるのが、本当は1番大事なことでしょうね」

■「親不孝通り」で広がる支援

福岡市中央区の親不孝通り。ここでは、新しい「子ども食堂」の支援の形が始まろうとしています。

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タッグを組んだのはネットサービスなどを手がける地元の会社です。この会社の「ごちめし」と名付けられた仕組みを使って、親不孝通りの飲食店を「子ども食堂」として利用してもらおうというのです。
支援したい人は、「ごちめし」の専用のアプリから、食事の支援を受けたい子どものために「食事券」を購入する形で寄付をします。

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(「ごちめし」アプリ画面)

子どもたちが無料で食事を食べられるのは、親不孝通りにある飲食店です。支援の仕組みに参加しているラーメン屋では、自慢の特製ラーメンを提供します。
「ごちめし」の“子ども食堂”を利用したい子どもたち(対象は小学生以下)は、お店にくれば、無料で食事をすることができ、その食事代の支払いはアプリで「食事券」を購入した支援者が行うという流れです。

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(子どもたちにふるまわれる温かなラーメン)

このシステムの特徴は、新たに子ども食堂の場所や担い手を確保するのではなく、既存の飲食店が通常営業をしながら「こども食堂」になることができる点だということです。
 
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親不孝通り商店会 河田茂樹 会長
「登録したら簡単にこども食堂ができる、店にも負担がないのが一番の魅力。
これをきっかけにお店にも売り上げも立つし、子どもたちも喜んでもらえる」

実は、このシステムは約2年前にスタートしていて、これまでに、およそ1500食を子どもたちに提供してきました。しかし、新型コロナの影響で、飲食店が休業を余儀なくされ、一時休止状態になっていました。
感染拡大が少し落ち着いたことから、再開することを決め、新たにキッチンカーも導入し、持ち帰ることができる弁当の提供ができるように体制を整えました。

親不孝通り商店会 河田茂樹 会長
「安全安心で笑顔があふれる商店会にしていきたいのが第一。
子どもたちが安心して通りを歩けて、安心して店の人たちが声をかけるとか、
和気あいあいとした通りを目指してやっていきたい」


■ 困ったときはためらわずに相談を

今回の取材を通して「どげんね、しのげていけそうね」という声かけのことばの温かさを
感じました。長引くコロナ禍、新たな変異株など先行きが不透明な中で迎える年末年始。
周囲の人への声かけや、助けてという声をあげることが大切だと思います。

取材した団体の許可を得て、相談窓口の一部を以下にまとめました。相談先が直接支援にあたることもあれば、状況を聞き取った上で別の機関を紹介することもあります。
 

<自立に向けた相談・住居確保給付金の支給申請など>
▼福岡市 生活自立支援センター 
・0120-17-3456
・福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラオフィス棟7階
・平日 午前9時~午後5時
・年末年始の12月29日から1月3日は休み

<自立に向けた相談・生活保護の申請など>
▼博多区役所
・092-441-2131
・福岡市博多区博多駅前2-9-3
・平日 午前8時45分~午後6時
・年内は12月31日まで対応、年始の1月1日~3日は休み

<自立に向けた相談・生活保護の申請支援・債務整理など>
▼福岡県弁護士会 天神弁護士センター
・092-741-3208
・福岡市中央区渡辺通5-14-12 南天神ビル2階
・平日   午前9時~午後7時
 土日祝日 午前9時~午後1時
・年末年始の12月29日~1月4日は休み

<自立に向けた相談・炊き出し・衣類の提供など>
▼NPO法人 福岡おにぎりの会
・092-431-5785
・福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
・火木金 午前10時~午後5時
・年末年始は原則休み(12月28日、30日、31日は対応可)

<自立に向けた相談・炊き出し・衣類の提供など>
▼NPO法人 美野島めぐみの家
・080-6439-3294
・福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
・火 午後0時~午後3時
・年末年始の12月29日~1月10日は休み

<自立に向けた相談・住宅確保の支援など>
▼NPO法人 福岡すまいの会
・092-292-6166
・福岡市博多区空港前3-9-24 アクセスエアポート101
・年末年始の12月29日~1月3日は休み

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:10時13分 | 固定リンク


2021年12月09日 (木)真珠湾攻撃から80年 当時の乗組員は



 

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1941年の12月8日、
旧日本軍は、ハワイの真珠湾に停泊していたアメリカ軍の艦艇や航空基地を攻撃。
日本とアメリカは4年近くに及ぶ太平洋戦争に突入しました。
真珠湾攻撃から80年が経ち、当時のことを知る人は少なくなっています。

現場では何があったのか、いま何を思うのか。
実際に真珠湾攻撃に参加した福岡市の101歳の男性がインタビューに応じました。

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福岡市南区に住む長沼元さんです。
101歳の長沼さんは80年前、21歳の時に
日本海軍の一員として真珠湾攻撃に参加しました。

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当時、航空母艦の「加賀」に乗船していた長沼さん。
太平洋を航行する船の上で乗組員が集められ、
艦長から突然、アメリカと戦争をすると告げられました。

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「重大発表ということで甲板の台に上がった艦長から
『12月8日にハワイ真珠湾を攻撃する。
 米英に対して宣戦布告の予定だ』と言われた。
 まさか戦争と思っていなかったので
最初は本当にぽかんとした。
 『これを知っておるものは
  天皇陛下と作戦本部の人たちと君たちだけだ』と言われて、
 初めて『はあー戦争か』という気がした」

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長沼さんは攻撃の当日、整備兵として97式艦上攻撃機の発艦準備を担当しました。

長沼元さん
「艦内では飛行機の翼が全部折りたたまれている。
 その翼を広げながら発艦準備をしたあと、
 攻撃機が空母から真珠湾に爆撃に行った。 
 そのときはみんな帽子を振って見送った。
 40分か50分後に『爆撃が成功した』と第一報が入って
 艦内が『ワァー』と湧き上がった」

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真珠湾攻撃について伝える当時の新聞です。

当時は軍国主義の時代で
日本を守るため、「敵」と教えられたアメリカと戦争をすることに
みな興奮していたと言います。

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「国のために日本を安全にしたい。
 戦争には負けないという気持ちだった。
当時は軍国のそういう風潮で高揚感があった。
 ただ、『やったー』という反面、 
 兵ですからいつ帰れるか分からんという気持ちはあった」


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しかし、半年後のミッドウェー海戦で
長沼さんが乗っていた航空母艦「加賀」は沈没。
長沼さんもアメリカ軍から爆撃を受けて
足に大やけどを負い、兵役免除となりました。

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けがから回復し、戦後は農業を営みながら
平和に暮らしていた長沼さん。
あの戦争は何だったのか考えるようになりました。

専門家の本などを読む中で、
日本が起こした戦争は
無謀だったと思うようになったと言います。


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長沼さんは自分の体験を通じて
戦争の悲惨さ・愚かさを伝えようと、
真珠湾攻撃当日の状況などを詳しく記した体験記を執筆。

地元の図書館に寄贈するなどして地域の人たちに伝えてきました。

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「本当にみじめ。
 食料や、戦闘用具、飛行機などが不足しているのに
 どうしてあの当時日本は戦争したのか疑問に思う」


戦闘が始まってから攻撃の応酬が続いた太平洋戦争。
軍人だけでなく多くの民間人も犠牲になりました。
真珠湾攻撃から80年となる今、
戦争を防ぐためには
相手を思いやって対話することが何よりも大切だと長沼さんは考えています。



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「どうして世界中でいまだに核兵器の問題などがあるのか。
 真珠湾攻撃から80年たっても
まだまだ平和にならないなとつくづく思う。
 もしこうやったら相手がどうなるか、
 まず相手のことを考えないといけない。
これが一番だと思う」

▼取材後記
真珠湾攻撃から80年をテーマに取材を始めたときは
実際に攻撃に参加した人が福岡市にいるとは想像していませんでした。
101歳の長沼さんが元気に暮らしていらっしゃることに正直驚きました。

真珠湾攻撃の際に、長沼さんが乗っていた
航空母艦の加賀の定員はおよそ1700人。

あれから80年がたち、
当時のことを実際に知る人は少なくなっています。

戦争を知らない人がほとんどの今の時代、
戦争の記憶の風化が懸念されています。

長沼さんの話は戦争や平和を考えるきっかけとなる
非常に貴重なもので、証言を残し、伝えていくことが必要だと思います。

そして、ひとりひとりが、
しっかりと受け止めて考えることが大切だと感じました。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:10時08分 | 固定リンク


2021年11月30日 (火)ゾンビランドサガにひかれて取材してみると『進化』があった


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(佐賀市唐人2丁目にあるゾンビランドサガマンホール)

佐賀の路上で見かけたとき、思わず笑みがこぼれました。

鮮やかな色のバルーンフェスタの熱気球の背景から飛び出してきそうな笑顔のキャラクター。
縁に刻まれた「おすい」の文字にも不思議と愛着がわくような気持ちになりました。
「下水道のマンホール」が遊び心と人を引きつけるアートになっているのに驚きました。

描かれているのは、TVアニメ『ゾンビランドサガ』のキャラクター「源さくら」です。

『ゾンビランドサガ』は「アニメ総選挙2018 年間大賞」など数々の賞に輝いた人気アニメで、
ゾンビとしてよみがえった7人の少女が、佐賀を救うためにローカルアイドルとして奮闘する物語です。奇想天外さと音楽、個性豊かなキャラクターが魅力です。

なぜ、そんなに詳しいのか?
実は私(50代・カメラマン)もこのアニメに夢中になっている1人だからなんです。
取材を進めると遊び心にとどまらない、マンホールの「進化」を知ることができました。


『ゾンビランドサガ』マンホールを見に行こう

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(佐賀県内さまざまな場所に設置されたゾンビランドサガマンホール)

マンホールの『ゾンビランドサガ』は、佐賀県とのさまざまなコラボレーションの1つです。

ことし「佐賀城跡」や「道の駅鹿島」「唐津市歴史民俗資料館」など県内14か所に出現しました。
キャラクターと佐賀の名所や名物が組み合わされていて、アニメのファンにマンホールを探しな
がら各地を訪ね歩いてもらうことで観光につなげようというのです。

新型コロナ感染拡大の影響を受けた観光業界。アイドルたちは、佐賀を盛り上げる使命と役割を
ここでも果たそうとしているということでしょうか。

インフラとしてのマンホールの目的を超えた活躍は、SNS上でも注目を集めています。

「唐津、伊万里方面のマンホールを訪ねました!」
「うれしのには、あいちゃんのマンホールもあるんだよ」
「ゾンサガマンホール巡りの旅!!順調!!順調!!」
(Twitterより)

現地を訪れたファンによって、毎日のように「キャラマンホール」が投稿されているのです。

(佐賀県広報広聴課担当者)
「人気アニメとコラボレーションすることによって、観光客が増えています。これをきっかけに、より多くの人に来ていただいて、佐賀をより深く知って、楽しんでほしい」。

私もマンホール巡りに挑戦中ですが、まだ、すべてを回りきることができていないので
いつかコンプリートしたいと思っています。

かわいいマンホールの裏に創業100年の技術力

『ゾンビランドサガ』のマンホールを手がけているのは、福岡市博多区に本社を置く日之出水道機器という会社。実はこの会社、知る人ぞ知る創業100年を超える老舗の鋳物メーカーです。

二輪車が上を通っても転倒しにくい表面のデザインや、素材開発、軽量化による環境負荷軽減など、業界のトップランナーとして、さまざまなマンホール技術を開発してきました。

その技術力を背景にしたマンホールに加えて、最近では、自治体からの要望が増えるのに合わせて、絵やデザインが描かれたマンホールを数多く生み出しています。

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(マンホールに着色する作業)

その作業の現場を取材することができました。

マンホール自体は、まず砂でできた型に溶けた鉄を流し込み、冷えて固まったら、砂の部分を崩して製品を取り出します。そして表面処理をすると黒光りするマンホールが出来上がりです。

今回のようなキャラクターマンホールの場合は、このあと塗料流し込みによる着色作業が待っています。1枚1枚、職人が手作業で塗料を流し込んでいました。

広い面は均一に、細かく区切られたところは高さのばらつきがでないように、フラットに仕上げていくのが熟練の技。

特に難しいのが顔の広い面で、細かいチリが入ったりムラができたりすると、きれいな肌にならないので、最初から全てやり直さなくてはいけないそうです。

一人前の技術者だけが知る、ある「領域」について責任者の佐藤邦弘さん(45歳)が
語ってくれました。

「塗料を流し込むとき、指先の感覚を大事にしながら入れていきます。目と手の感覚が合わないとフラットな面はできません。女性の化粧をしてあげるような感じで仕上げるのですが、難しいです。数をこなさないとその域にはたどりつかない。」

一人前になるにはとにかく数をこなすしかないという佐藤さん。
観光振興を担う愛らしいマンホールは、職人たちのこだわりの技によって生み出されていたのです。

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(着色について語る 佐藤邦弘さん)

マンホールの「進化」した姿とは

この工場を取材していると、さらなる進化を遂げた「マンホールの最新技術」に出会いました。

マンホールメーカー、下水道事業会社、電気機器メーカーの技術を結集して作り上げた、水害から町を守る「マンホールアンテナ」です。

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(「マンホールアンテナ」の表と裏 / 日之出水道機器提供)
マンホールに水位計センサーを取り付けて、発信された情報をサーバで管理し、遠隔地でも、手元のパソコンでリアルタイムに下水道内の水位を監視することができます。

水位の変化をリアルタイムに把握できるので、危険水位になる前にポンプ場や処理場に適切な指示が出せるようになります。

浸水被害をいち早く察知して、被害の軽減を図ることができるのです。

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(「マンホールアンテナ」地下の配線状況/日之出水道機器提供)
マンホールは全国に1,500万個と言われています。この新しい技術が水害時の被害軽減に役立つと期待されています。すでに複数の自治体で導入が始まっているそうです。

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(ゾンビランドサガマンホールの型←レアな映像です)

ことし8月の記録的な豪雨で、武雄市の広い範囲が浸水する被害を受けるなどした佐賀県。

救うためゾンビとしてよみがえった少女たちが描かれたマンホールは、コロナで影響を受けた
観光を盛り上げるだけでなく、水害から命を守るための役割も担おうとしています。

佐賀を訪れたら、マンホールにいる「ゾンビランドサガ」に注目してみてください。


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筆者:木村史カメラマン

全国各地の「ご当地マンホールカード」を集めるのが最近の楽しみ

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:13時47分 | 固定リンク


2021年09月24日 (金)ITで"はいかい"を見守る


9月21日はWHOなどが定めた「世界アルツハイマーデー」。
予測として2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われているなか、“はいかい”、つまり1人歩きによる事故の防止が喫緊の課題になっています。
福岡県内の施設や企業などは、“はいかい”を見守るためのIT技術を取り入れています。
その進化した現場を取材しました。

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久留米市のある老人ホームでは、デイサービスを含める50人以上の利用者のなかで、
およそ1割の方が、“はいかい”の可能性を抱える重度の認知症患者です。

限られた介護スタッフで、いつ外出するか分からない入居者を見守ることは、重要な課題でした。

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そこで・・・
(機械音声)「おじいちゃん どこ行くと」

これは監視カメラではありません。
地元のメーカーが開発した、“はいかい”を見守るための顔認証と通知システムです。

事前登録された方が外出する瞬間の様子を自動で撮影します。

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そして間もなく、事前に登録されたスタッフ宛てに、メールで動画が届きます。
動画では入居者がどんな服装で出たか、正確に知ることができます。
スタッフはこのシステムを利用して、入居者の予想せぬ外出を迅速に発見することが
できます。

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共生の里・荒木 山口敏伸施設長
「このシステムを利用することによって安心して その認知症の方が自由に行動ができるというようなこともあります。それによって認知症の症状が落ち着いたり、気持ちが楽になったりされるので」。

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この日訪れたのはシステムの開発者、弥吉伸二さんです。
開発の背景には、認知症を患った弥吉さんの母の存在がありました。
ひとり歩きをする母がいきいき出来るように見守りたい。
しかし、製品化の直前に他界してしまいました。

(弥吉伸二さん)
「僕は今、認知症の、ここの施設も同じなんですけど、みんな僕の母親に思えるんですよ。だからこの人たちが本当に歩くこと、あるいは健全な生活を送ることによって、
少しでも長生きしてほしい」。

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一方で、どれだけ見守っても、予期せぬ外出を止めることができなかった場合、
思わぬ事故を招く危険性があります。
行方不明の発見に有効なのが、GPSです。位置情報をリアルタイムで知ることができ、
早期発見につながります。
しかし、こだわりが強い認知症の方は協力してくれません。

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宗像市のある靴工房です。GPSを必ず持ってもらう加工を行っています。
理学療法士の資格を持つ、靴職人の宮尾勇樹さんは、履き慣れた靴のかかとに
GPSを埋め込むサービスを提供しています。
「一番履いているものにこういった加工するというのが、気づかれにくい点では一番理想です」。

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サービスを開始して2年、利用者は全国に広がっています。ひとり歩きを見守る家族の負担は大きく軽減されたと好評です。

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「本当にずっと目が離せない緊張した状態から、少し余裕をもってすることができるようになった」。

(靴職人宮尾勇樹さん)
「何よりやっぱり喜んでいただく声が一番のやりがいです。そんな時こそやっぱりやってよかったなと思います」。

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スタジオ一橋キャスター
みまもる人も心配でみまもっているわけで、「出ないで!おばあちゃん、おじいちゃん」
と怒ってしまう事もなるべくしたくないと思いますし、いざとうときのためにこういうことがあるということで、見守っている家族の方にとっても、見守られる認知症の方にとってもほんとにハッピーにお互いなれる仕組みかなと思いますよね。

ひとりひとり症状が違うこともありますし、結局は人間がこうしてみまもる必要もあるわけですし、ITの技術を導入することでみんながハッピーになれるということですよね。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:12時00分 | 固定リンク


2021年09月22日 (水)半導体の模倣品に注意


 

自動車や家電などさまざまな製品に欠かせない
半導体が世界的に不足しています。

今、大きな問題となっているのが“模倣品”です。

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こちらの画像。
一見すると同じ製品に見えますよね。
しかし、
そもそも正規品は日本では作られておらず、右側のJAPANの表記はあり得ません。

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さらに、こちらはX線でみた内部の構造。
回路が全く異なります。

半導体がなかなか手に入らない中で、
企業が
模倣品をつかまされてしまうリスクが広がっています。

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半導体の調達は主に2つの方法があります。
メーカーから直接仕入れる方法。
あるいは商社などがもつ在庫をネットで買う方法です。

このネットで買うサイトの中には、
模倣品を本物のように販売しているケースもあるというのです。


★真贋判定サービスに依頼殺到
こうしたなかで、
模倣品と本物の真贋判定を手がける会社があります。

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東京のこちらの会社では、
もともと半導体製品の検査や評価・分析などを行っていますが、
模倣品の相談が急増したため、
真贋判定サービスとしてことし6月から依頼を受け付けています。

全国から依頼が相次ぎ、
すでに200件近くにのぼっているということです。

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「模倣品の可能性があるというものを含めると3割の懸念部品がある
 部品が著しく発熱して発煙発火につながるようなトラブルが懸念される」。


★奔走する商社
こうした模倣品のリスクをかいくぐって、
仕入れに奔走する企業を取材しました。

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福岡市南区にある商社。
半導体をメーカーから仕入れて取引先に卸しています。

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こちらの会社が仕入れている半導体は、
集中治療室にある医療機器の電源が落ちないように制御する機器に使われています。
いのちを守る重要な部品です。
この半導体が手に入らないのです。

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ことし3月、
会社は医療機器の関連会社から半導体の注文を受けました。

用意しなければならない半導体は750個。
伝えられた納入の期限は8月末でした。

さっそく、
この半導体を製造する日本のメーカーに注文しましたが、
12月まで時間がかかると言われました。

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模倣品がないと業界で信頼されてるサイトには、在庫はありません。
リスクがある怪しげなサイトからは注文できないため、
会社単独でなんとか調達先を見つける必要がでました。

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社内にはアルゼンチンやインド、中国など外国人の社員がいます。

さまざまな言語を使って人海戦術で世界中の企業と交渉。

その結果、
フランスの商社が在庫を持っていることが判明。

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なんとか必要な750個の半導体を確保できました。
しかし、
仕入れ価格は通常の5倍を要求されました。

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八洲産業 田島一義 常務取締役
「なんとしても調達してほしいと強い意向があったので
アメリカ、イタリア、ドイツ、フランスなどで探しました。
 日本製の半導体をフランスから仕入れたのは本当に初めて」。


しかし、
紹介した会社でも納入待ちの半導体はまだまだ大量にあります。

何度も同じような仕入れができるわけではないので
安定して供給できる体制作りが急がれます。

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半導体需給が逼迫するなか、 
国内では生産拡大の動きがすでに始まっています。

このうち、
福岡と熊本に生産拠点を持つ三菱電機は、
「今後、九州での生産能力を強化する予定」と
はっきりと答えています。
新製品などの開発の加速も進めるということです。

福岡をはじめ九州はシリコンアイランドと言われるように
半導体関連の企業の拠点が集積している地域です。

脱炭素社会に向けた自動車の電動化など
半導体の需要はさらに増す見込みの中、
新たな工場が九州・福岡に建設されれば、
地域経済の活性化にもつながります。
いまの逆境がそうしたきっかけにもなればと期待しています。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:12時00分 | 固定リンク


2021年09月21日 (火)新車が届かない その理由は?


 

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緑色の基盤。埋め込まれている黒い小さな部品が半導体です。

家電製品や自動車などの頭脳の役割を担う小さな部品で、
これが無いと、機器は動きません。
いま世界的にこの半導体が不足して、深刻な影響が広がっています。

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福岡市早良区にある自動車販売会社です。
こちらでは新車の納期が遅れ、注文してもほしい車が手に入らない事態になっています。

仕入れ先のディーラーに納期を問い合わせても、
帰ってくるのは「未定」という答えのみ。
顧客に迷惑をかけてしまう事態に頭を抱えています。

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★半導体不足はなぜ??

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どうして新車が入ってこないのか、要因は大きく2つあります。
1つは、「コロナ禍の影響」。
もうひとつは、「中国とアメリカ」です。

まず、コロナ禍の影響ですが、
テレワークの拡大や外出自粛の広がりで
パソコンやゲーム機の需要が急速に拡大しました。
さらに、
巨大市場の中国とアメリカで、コロナ禍で落ち込んだ経済が回復し、
自動車をはじめ半導体を使うさまざまな製品の需要が急速に伸びています。

さらに、
世界大手の日本の半導体メーカーの工場火災も重なりました。

この半導体の世界的な不足で、
大手自動車メーカーのトヨタやホンダなどは
減産や販売計画の見直しに踏み切っているのです。


半導体が不足しているなら
半導体を増産すればよいのではないか。

そう思いますよね。
ただ、簡単ではないんです。

まず、そもそも工場に設備投資を行って
新しい生産ラインを作り、
実際に本格稼働するにはその準備に1年近くかかるものなのです。
つまり、
増産には時間が掛かります。

さらに、いまの半導体不足で、
生産ラインの製造装置に使う半導体さえも、
不足する事態になっています。
増産には通常よりもさらに時間が掛かる状況です。
    

★影響は中古車市場にも波及

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半導体不足は
中古車市場にも大きな影響を与えています。

新車がなかなか買えない客が中古車の購入に切り替えるケースが増加。

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需要が増えたことで、
中古車を仕入れている
オークション市場の相場が高騰する事態に。


仕入れ価格は車種によっては
コロナ前より1割以上上昇しています。

しかし、顧客との関係もあり
すべてを販売価格に転嫁できず、
会社の利益も削っている状況です。

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福岡自動車販売
山口雄二社長
「本当に大変。新車の納車ができれば中古車の在庫不足が解消される。
 元の流れに早く戻って欲しい」。


★解消はいつ?

深刻な自動車業界への影響。
さらに、半導体不足はノートパソコンやタブレット端末、
エアコンなどの家電製品の品薄も引き起こしています。

半導体不足はいつまで続くのか。
今後について、
半導体業界に詳しい専門家に聞きました。

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 半導体市場の動向に詳しい
イギリスの調査会社「オムディア」
 南川明 シニアディレクター
「もう25年くらいこの業界みていますけど、
 これほど半導体が足りなくなったのは初めて。
 政府が半導体メーカーになるべく車用の半導体を
 作ってほしいと要請したので
 この秋くらいから自動車用の半導体が多く出てくる。
 ことしの年末に向けて
 新車の品薄は解消に向かうと思う。
 ただ、
 生産能力を車に振り向けてしまったので
 エアコンとか産業機器とかは
 足りない状態がまだまだ続いてしまう。
 特に来年の後半くらいになってこないと
 解消しないのではないかと思っている」。


世界的な半導体不足の中、
日本を含めて半導体を自国で数多く生産しようという
国際的な競争も始まっています。
暮らしへの影響が長期化する中、安定供給が急がれます。

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:13時25分 | 固定リンク


2021年07月14日 (水)最先端の3D通話システム


テレワークでビデオ会議システムを使うことが増えていますが、
対面でのやりとりと比べると距離感を感じたりすることも多いのではないでしょうか?

この課題を解決しようと、福岡市には最先端の3D通話システムの開発に取り組むカナダ人の起業家がいます。

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アーロン・ヒルトンさんは、3年前に福岡市に移住して、ソフトウェアの開発会社を立ち上げました。
カナダで最先端の3DやAR=拡張現実を使った技術の開発に取り組んでいましたが、ビジネスチャンスを求めて日本人の妻とともに来日。
福岡市で日本人技術者とともに独自の技術を実用化しています。

▽瞬時の3Dスキャン技術

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タブレット端末を持つアーロンさん。
3Dスキャンを行っています。

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撮影したい人の回りを360度撮影すると
わずか1分でデータができあがります。

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こちらは、人間ではなく、本人そっくりの3Dデータです。

クラウド上に保存してシェアできます。
また、現実世界に投影して、自由にサイズを変えて動かすこともできます。

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この3Dデータ技術は、すでに広がっています。

福岡市博物館は、コロナ禍で来館できない人も家で楽しめるように、
博多人形などの展示物をアーロンさんの技術で3Dデータ化して公開しています。


▽独自の3Dコミュニケーションシステム

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アーロンさんがいま開発に最も力をいれているのが、
AR=拡張現実を使った3Dのコミュニケーションシステムです。
上の2人は遠くにいる人の3D映像です。

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専用グラスをかけると、遠くにいる相手がホログラムで浮かび上がる仕組みです。
まるで対面しているかのようにリアルタイムで会話できる最先端テクノロジーで、映画の世界が現実になりつつあります。

先月からは、福岡市内のARの研究開発会社が導入し、
今後、社員のテレワークや商談、新たなサービスの開発に活用したい考えです。

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▽パラレアル 明永喜年 会長
「このやり方のほうが社員や取引先と早く打ち解けられると考えている。
日本だけじゃなく海外の人とも関係を深めたい」


▽取材後記
コロナ禍のテレワークなどで遠くにいる相手と映像越しに初対面することも多いですよね。
3Dを使ったAR=拡張現実のシステムだと、距離感や壁を感じずに相手と楽しく打ち解けられると感じました。

福岡市は、外国人起業家を誘致して経済を活性化するため、
ビザの取得要件の緩和や家賃補助などの支援を行ってきました。
これまでに45の会社が起業され、アーロンさんも制度を利用しました。
コロナ禍のニーズに合った新しいテクノロジーが福岡の社会を変えるイノベーションにつながるのか、今後の進展に期待したいと思います。

 

投稿者:ロクいちスタッフ | 投稿時間:11時42分 | 固定リンク


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