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福井県在住 ボードゲームクリエイター 川口洋一郎 創作の秘訣は

福井ザクザク!掘らナイト「福井から世界へ!熱きイノベーターたち」2023年4月14日放送
  • 2023年06月05日

    シンプルなのに奥が深く、何度遊んでも飽きることがないボードゲームの世界。なかでも、その独創的なアイデアから“ボードゲームの異端児”とも呼ばれているのが福井県越前市在住の川口洋一郎さんです。日本だけでなく海外にも多くのファンを持つ川口さんの作品、その魅力に迫ります。

    “シンプルなのに奥が深い”とは?

    優れたおもちゃを表彰する「グッド・トイ」を2度受賞するなど、ボードゲーム界で高い評価を得ている川口さん。その人気は国内にとどまらず、ゲーム制作のためクラウドファンディングをしたところ、目標額の10倍を超える資金が世界中から集まったと言います。そうして作られたゲームがこちらです。

    使うのは「感」や「幸」など漢字一文字とそれを表す英単語が書かれた黒い石、それに1日24時間を示す物差しです。

    遊び方は簡単、まず黒い石をめくってキーワードを確認、きのう起きた出来事のうち、ぴったり合うものを思い出し、その出来事があった時刻に置きます。

     そのとき抱いた感情がポジティブなら物差しより上に、ネガティブだったら下に置きます。さらに感情が大きければ大きいほど、物差しから離れた所に置きます。これを10回繰り返したらおしまいです。

    実際に遊んでいる様子を見てみようと、福井県敦賀市にあるボードゲームカフェを訪ねました。最初に「味」というキーワードをひいた男性、少し迷って、物差しの上、朝9時のメモリに石を置きました。いったいなぜ?

    プレイした男性

    休みの日って朝起きて家でコーヒーをいれて飲むんですよ。コーヒーをいれて飲んだ時は大体うまいなって思うときなので。

    ゲームを進めていくと、感情の基準となる定規より上に石が溜まっていきました。遊んでみて男性が気づいたのは、“思っていたよりポジティブな一日だった”という事だと言います。 

    やる前は悪い感情しか出てこないかと思ったけど、1日を振り返るってあまりないので俯瞰でこう見られるって良いなと思います。

    一人でも遊べて、どこか充実感を感じられるゲーム。これこそが、川口さんが“ボードゲーム界の異端児”と呼ばれる理由です。

    ボードゲームクリエイター  川口洋一郎さん
    「ああもう、いつもと一緒でなんかつまらんかったわ」って思いがちなんですけど、「実は色々な気持ちを感じていて、こんなにもいつもと違う1日だったんだな」と気づいてもらえるとすごくうれしいなと思います。

    ゲーム試作の現場に密着!

    将棋やオセロ、すごろく型のボードゲームとはひと味もふた味も違う川口さんのゲーム。

    こちらは、名画の好きなところに“小さな額縁”を置き、切り取った絵の中の人物が考えていることを想像するゲームです。 全国の学校や図書館、美術館で遊ばれています。 

    川口さんがいま開発中なのが“屋外でも遊べるボードゲームです。ルールはこれまたシンプル。外にあるモノの前で「楽しい」「悔しい」などの感情が書かれたカードを引き、《もしも身近なモノが感情を持っていたら…》と、想像を膨らませて遊びます。開発のきっかけは、川口さんが公園を散歩しているときに「この植物にもし意思があったら何を考えてるんだろう?」という考えが浮かんだことでした。この日初めて、息子の儀典くんと一緒に公園で遊んでみました。

    川口さん

    このブランコは「悲しい」。なんで悲しいんやろ?

    儀典くん

    もしかしたらやけど、昔はめちゃめちゃ遊んでもらえてたけど、今はそんなに遊んでもらえてないとか。

    儀典くん、《悲しい》というキーワードから、子ども達に使われなくなって悲しんでいるブランコの気持ちを想像しました。川口さんは、「なんでもないものも遊びの対象として注意を向けることで、新たな発見があるのではないか」と言います。

    “小さな幸せ”に気付かせたい

    4人の子供をもつ父である川口さん、もともとボードゲームのファンでしたが、10年前に自分で作ることを思い立ちました。現在は会社に勤めながら、趣味でボードゲームを制作しています。


    美由紀さん

    「ちょっと試作品ができた」とか言って私もやらしてもらうんですけど、ほかの人に遊んでもらってちょっと「良かった」と言われると喜んで帰ってきたり。

    “何気ない毎日の大切さ”をボードゲームで表現したいという川口さん。日常の小さな気づきをノートに書き留め、そこからアイデアを膨らませています。

    ボードゲームクリエイター 川口洋一郎さん
    自分自身が納得して、いい思い出を作って生きていけることがいいんじゃないかと僕は思うので、遊んでそう感じてもらえるようなゲームを作れたらすごい幸せだと思います。

    ボードゲームで、日々のささやかな喜びを味わってほしいという川口さんの願い。 その思いはゲームを通じて多くの人に伝わっています。

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