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コロナ感染確認から半年

2020年10月13日(火)

福井県内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてから半年。
この半年間、感染防止対策や社会生活のさまざまな変化があり、感染の拡大が私たちの生活に非常に大きな影響を及ぼし続けています。
一方で、素朴な疑問もあるのではないでしょうか。

「なぜ福井は隣県の石川や富山と比べると感染者数が少なくなっているのか」
「なぜ第2波では死者や重症者数が第1波より少ないのか」
こうした疑問について、専門家や県に取材しました。
その前にまずは7月以降の「第2波」の状況を確認します。


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こちらは第2波のグラフです。7月12日に最初の1人の感染確認。
その後感染が続き、7月29日には6人の感染確認がありましたが、この時期は特に「感染拡大注意地域」など 県外に滞在した人の感染が相次いでいた時期でした。
8月に入ってちょうど人の往来が増えるお盆の時期は、感染確認がない日が6日間続きました。

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しかしお盆明けからは再び増加。8月25日には7人、そして8月28日には県内で1日の感染確認として最多の16人と、いわゆる「昼カラ」を利用した高齢者を中心に感染が相次ぎました。県によるカラオケ喫茶への休業要請などの取り組みもあって9月に入って少なくなり、9月8日を最後に18日まで10日間連続で感染確認がない状態が続いています。


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第2波での感染者は122人。ちょうど第1波と同じ数で、県内の感染者は累計244人です。一方、近隣県を見ますと、隣の石川県は9月18日現在で744人と福井のおよそ3倍。富山県も409人で福井の1点7倍近くと、人口の違いを鑑みたうえでも福井を上回る数となっています。

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この違いはどうしてなのか。感染症に詳しい福井大学医学部附属病院の岩崎博道教授は、次のように話しています。

(岩崎教授)「感染者数だけ見ると他県と比べて少なく見えるものの、人口あたりの感染者数でみると数値は高く決して少ない人数と捉えてはいけない」

これは全国で見ると福井の感染者数は18日の時点で28番目に多くなっていて、一方、人口の順位は42位なので、「人口の割には感染者が多い状況」にあるということを指摘しています。

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続いて岩崎教授は、
「第2波では『昼カラ』を中心にクラスターが発生し、急激に感染者が増えたものの地域を限定した休業要請とあわせて迅速な検査が行われたことでいち早い収束につながった」。
と話しています。

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こちらは、PCRなどの検査実施数のグラフです。第2波で感染が相次いだあと、県は積極的に検査を実施しました。4連休のあとの感染が相次いだ7月20日からの週は578件と多くなり、その後、「カラオケ喫茶クラスター」が相次いだ8月下旬は1200件、1100件と非常に多くなっています。県は1日326件の検査ができる体制をとっていますが、実際この時期は1日302件の検査を行った日もありました。  

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(県) 「感染の確認をした段階では、すでにその感染者から家族などへ感染していることが予想されるので、その家族からさらに職場や知人などへの拡大を防ぐために発症前の感染の可能性がある人の検査に迅速に対応してきた」

一方、県内の第1波、第2波ともに同じ122人が感染しましたが、第1波では8人、第2波ではこれまでに1人が死亡しています。

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岩崎教授は、こうした死亡者や重症者の数の違いについて次のように話しています。
(岩崎教授)「第2波では従来のPCR検査に加えて抗原検査など検査体制が拡充されたほか、病床数や受け入れ先の病院が増え医療体制も整っていた。さらに、感染確認後は無症状や軽症の人も含め、感染者を迅速に入院させたことで症状の経過をたどることができ重症化を防ぐ治療につながった」

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医療体制の整備が第1波の時より進んだ、というのは朗報ですが、それでもなお、今後の再流行時の医療体制のひっ迫は心配です。そして一番気になるのは、インフルエンザの流行も重なることも懸念される今後のことです。

県は、「新型コロナウイルスの感染対策はインフルエンザを含めた他の感染症の感染防止にもつながるので、県としても気を緩めず対策を続けるとともに、県民のみなさんにも引き続き感染を防ぐための対策の徹底をお願いしたい」としています。

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