2019年9月2日(月)
出演者:食探案内人 太田実穂キャスター
20年前から福井で漁獲量が多くなり、今では全国1位の水揚げを誇る、「サワラ」。このサワラの魅力を新発見するシリーズ第2回。今回はサワラが多く獲れる町、南越前町 旧河野村で、サワラのおいしい食べ方を探します。
まずは、サワラの家庭料理。地元の味を教えてくれる民宿を訪ねると、出てきたのは、酢・薄口しょうゆ・砂糖で漬け込んだ、サワラの南蛮漬け。サワラは、水揚げから通常、2日程度しかもちませんが、こうすれば、1週間は冷蔵庫で保存できるそうです。「サワラがたくさん獲れるから、長持ちさせたいし、おいしく食べたいからよく作る。」と女将の与力仁美(よりき・ひとみ)さん。夏の疲れた体にしみこむような味でした。
続いては、サワラの新しい味を生み出した料理旅館を訪ねました。女将の高砂三枝子(たかさ・みえこ)さんのイチオシは、オリジナルのサワラのソテー。ソースに意外なものを使います。日頃から、お客さんに喜んでもらうため、身近な食材を使って、創作料理を作る高砂さん。サワラの身は、淡泊なため、味にインパクトをつけたいと考えだしたのが、バターソースとガリの組み合わせ。ガリの甘酢酸っぱさと爽やかな辛みが、濃厚なバターソースをすっきりまとめます。淡泊なサワラの身にぴったりの新感覚な味わいでした。
最後に訪ねたのは、サワラのだしに注目したレストラン。まず、見せてくれたのが、サワラを干して作った、かつお節ならぬ、サワラ節。オーナーシェフの宮本浩司(みやもと・こうじ)さんは、サワラの身ではなく、だしとしていかす、新しい方法を研究中。さらに、厨房をのぞくと、鍋の中には、サワラの骨でとったスープがありました。焼いてうまみを引き出した骨と野菜を3時間煮込んだもの。サワラからスープをとると、あごだしに引けをとらない、香り豊かで上品な味わいになるんだそうです。これでリゾットを作って、骨も身も丸ごとサワラを楽しめる料理を提供しています。あおさやチーズが入った濃厚なリゾットをサワラのスープが上品に仕上げます。「サワラも町も、もっとPRできるような新名物を作っていきたい」と宮本さん。
同じサワラでも個性豊かなそれぞれの味が印象的でした。
「サワラの南蛮漬け」
「サワラのソテー ガリバターソース」