2021年03月11日 (木)坂井市 雄島(おしま)地区でみつけ隊!【今村有希】

3月8日(月)放送の「ほやほやみつけ隊」は、坂井市の雄島(おしま)地区へお邪魔しました!
雄島地区は、坂井市の北西部にあります。日本海に面した町で、皆さんご存知の東尋坊や越前松島水族館がある県内有数の観光地です。
越前松島水族館でリポートを始めようとしたら、ちょうどイルカが来てくれたんです!しかもコメントが終わるまでずっと私の横にいてくれました!ありがとう~♪
■指令「港町に残るお宝を探せ!」
1.謎の巨石
1つ目のお宝は、三国港駅から歩いて3分ほどの道路脇にありました。
それが、この大きな2つの石!縦・横およそ1,8メートル、厚さ30センチほどあり、街中で圧倒的な存在感を放っています。しかも「笏谷石」なんですよ。
実はこの石、九頭竜川の河口から引き揚げられたものなんです。
発見されたのは昭和4年・三国漁港修築工事の時でした。なぜこの辺りに眠っていたかはわかっていませんが、この石に関する伝説が2つ残されています。
1つは、かつて北海道から注文を受けたものの、年に一度の出船に間に合わずそのまま捨てられたという説。
もう1つは、暴君だったと伝わる2代目福井藩主・松平忠直(まつだいら・ただなお)がこの石を乱行に使ったという説です。
港の修築工事完了を記念して昭和7年に建てられ、以来、港を見守り続けています。
2.戦前の “愛” の技術
続いて向かったのは、布に刺しゅうで模様を描く「刺し子」の教室。
地区に住む皆さんが迎えてくださいました。
作品を見て驚いたのが、模様の細かさ!「モッコ」といい、戦後まで三国町の安島地域で受け継がれてきた技術です。なんと縫い目の大きさは1ミリほどしかありません。
この地域は、江戸から明治にかけて、多くの男性が北前船に乗り込んだことで知られていますが、その帰りを待つ女性は、海女として働きながら、夫が着る服の補強や保温のための刺し子に時間を割いていたんです。
昔は、モッコができなければこの地域の嫁入りは認めてもらえなかったほどだそう。
しかし、流通が発達すると服が簡単に手に入るようになり、技は途絶えてしまいます。
戦後70年ほどは途絶えたモッコ。その復活に向けて動き出したのが、森岡千代子(もりおか・ちよこ)さんです。
森岡さんは、およそ20年前に移住してきて、
みくに龍翔館で偶然見つけたモッコのとりこになってしまったそう。
自身のギャラリーでモッコを紹介するなど、技の魅力を広めるため活動してきました。
森岡さんの影響で、同じくモッコに魅了されたのが、
刺しゅうが趣味の坂野上百恵(さかのうえ・ももえ)さんです。
資料などは残っておらず刺し方を知っている人もいなかったため、虫眼鏡で拡大するなどしながら解明してきたそうです。
2016年の末、ついに刺し方を解明すると、伝統の祭りで使う法被にモッコを施すなど、地域の女性たちで技を守る活動を続けてきました。
皆さんに教えてもらいながら、私もモッコに挑戦しました!
細かい縫い目にかなり苦戦。針を出しすぎると次の縫い目が大きくなるし、
出さないで次に行くと針が抜けてしまって、なかなか進みませんでした。
これを服全体にしようと思うと、何年かかることやら・・・。
私が縫った部分が写真の真ん中の直線です。特に右側は縫い目が大きくなっているのがわかりますよね。これでも細かく縫ったつもりだったのですが・・・泣
モッコが施された服を見ていると、「あたたかい服を着て頑張ってほしい」という愛情が伝わってきました。
港町の暮らしの中で生まれた技術、これからも守っていってほしいですね。
撮影にご協力いただいた地区の皆さん、ありがとうございました♪