対馬

長崎県
2017年10月6日 放送

「遠く飛べ、朝鮮半島まで飛べ、朝鮮半島まで行って、米買うてこい」。島の子どもたちは昔、タンポポの綿毛を吹きながら、こう唄ったという。
九州と朝鮮半島の間にある対馬。3万人ほどが暮らすこの島では、朝鮮半島との深い関係を物語る風景に出会う。人々が手を合わすのは朝鮮渡来の仏像。大陸から伝わった古代米・赤米の田んぼもある。島が「日本誕生の、へその緒」と呼ばれるゆえんだ。
対馬は東アジアの平和の要でもあった。江戸時代、守護大名だった宗家は朝鮮通信使のエスコート役を務めた。秀吉の出兵で悪化した関係・・・それを修復するための交流をバックアップする一大事業だった。朝鮮王朝と江戸幕府、互いの面子を立てながら友好を演出した宗家。現代にも通じそうな国際交流の秘訣だ。北部の比田勝(ひたかつ)港は釜山までわずか50km。戦中まで定期船があり、お年寄りは「キネマも、晴れ着を買うのも、義歯を作るのも釜山」と振り返る。最近また交流が盛んになっている。年間30万人に上る韓国人観光客。人気は免税店や100円ショップだ。8月の祭りでは「朝鮮通信使行列の再現」が復活。日韓の若者が協力して祭りを盛り上げる。
海峡は両国を隔てる壁でなく、つなぐ道。夏の対馬を旅すれば、友好のカギが見えてくる!?

旅のとっておき

対馬の回を担当した武井と申します。
番組をご覧いただいた皆さま、
取材にご協力頂いた皆さま、本当に有難うございました。
日本本土と朝鮮半島の狭間に位置する対馬。
その特別な環境は、古来から、現在まで、島で暮らす人々の生活を形作ってきました。
取材をしていて、その節々に国境の島を感じることができました。続きを読む

ポスター
最新のポスター
桜写真:青木千波/岡田正人/越野龍彦/迫文彦/タケウチトモユキ/竹内康訓/田澤純/中島健藏/橋本タミオ/星井欣/柳澤俊次/油谷勝
Page Top