うなぎ

2017年8月25日 放送

暑い夏になると精をつけるため食べたくなるのが「うなぎ」。その食の歴史は古く、縄文時代の遺跡からはうなぎの骨の一部が出土。さらに万葉集には、夏バテ対策のためにうなぎを食べるよう薦める大伴家持の和歌があるなど、古くから栄養食品としてその効果が注目されてきた。今も、世界で獲れるうなぎのおよそ7割を日本人が食べているという。
長年日本人に親しまれてきた「うなぎ」だが、その生態は未だ謎に包まれている。日本のうなぎは河川で5~10年過ごした後、太平洋を回遊し、日本から2千キロ以上離れたマリアナ海域で産卵するとされるが、その詳細はよくわかっていない。乱獲や環境の悪化で稚魚のシラスウナギが激減。3年前にはニホンウナギが絶滅危惧種に指定された。
うなぎを取り巻く環境は激変したが、日本人との関係は変わらない。全国各地にうなぎに関する言い伝えがある中で、岐阜県郡上市には、うなぎが鬼の退治を助けてくれたという伝説が残る。うなぎは神の遣いとして崇められ、食べてはならないとされている。一方、島根から岡山へと中国山地を抜ける場所には「うなぎ街道」と呼ばれる道も。江戸時代、うなぎが多く獲れた松江藩は、大阪での販売をねらいうなぎを籠で運び山越えをした。出雲産うなぎは大阪の食文化に大きな影響を与え、今でも大阪のうなぎ屋には「いずもや」「出雲屋」の名が残る。
縄文の昔から日本人のDNAにしっかりと根を下ろしている、あの味、あの香り。番組では、うなぎに縁深い日本各地を訪れ、日本人とうなぎの深い関係を見つめてゆく。

紹介したトピックス
旅のとっておき

「うなぎ」を担当した伊勢です。
暑い夏はビールとうなぎが売れるらしいです。僕はどちらも好きです。日本人がビールを飲むようになったのは明治かと思いますが、うなぎは5000年以上前の縄文時代。そんな長い付き合いの「うなぎ」の豆知識をいくつか。続きを読む

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