若狭湾

2017年7月7日 放送

日本海側の海岸線、本州のほぼ真ん中に大きく湾曲している場所がある。福井県の南、日本海側で数少ない、大規模なリアス式海岸が広がる若狭湾だ。
その美しい海岸線に沿って広がっていたのが若狭の国、今の若狭地方。ここには古くから天然の良港が点在し、一帯で獲れた魚がここを経由して、奈良や京の都に運ばれていった。朝廷の食を支えた若狭はかつて「御食国(みけつくに)」とも呼ばれ、「鯖街道」に象徴されるように若狭と都を結ぶ道には、時代を超え、様々な人や文化の往来があった。数百年の(もしくは“700年近い”)歴史を持つとも言われる「お水送り」や、30を超えると言われる「秘仏の寺」。「若狭ぐじ」と呼ばれるアマダイは今も京都で珍重されている。
豊かな自然もここならでは。風光明媚な「三方五湖」や、入り組んだ海岸線に切り開かれた棚田の風景は、今も昔も変わらない。
戦後、若狭には相次いで原子力発電所が建設された。手つかずゆえに交通が不便だった町や村。トンネルや道路とともに15基の原発が一気に作られ、世界でも類いまれな原発密集地帯となったこの地は、“原発銀座”とも呼ばれるようになる。
そんな若狭の今と昔を、人々の暮らしから見つめる。

紹介したトピックス
旅のとっておき

番組の取材にご協力くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。取材・制作を担当させていただいた秋山です。
若狭湾沿いに点在する集落の暮らしは、ものすごく奥が深い。集落に残る文化や風習について話を聞くと、その由来は「1300年前にな…」とか、「古墳時代に…」などと、遥か昔にさかのぼります。続きを読む

ポスター
若狭湾
[協力] 新幸丸/わかさⅡ/濱口正樹
[写真提供] 公益社団法人福井県観光連盟
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