北越冬物語

新潟県
2017年3月31日 放送

新潟県内陸部に位置する魚沼地域。日本海からの湿った風が山々にぶつかり大量の雪を降らせる日本屈指の豪雪地帯だ。人々は、古よりこの抗いがたい自然の中で懸命に命をつないできた。雪で農業ができなければ、田に積もった雪に反物をさらして漂白し冬場の現金収入に。昭和50年代まで陸の孤島だった山奥の集落では、秋田マタギの教えを継ぐ男たちが今も雪上の足跡を手がかりに動物を追う。外に出ることもままならない単調な暮らしの中、雪国ならではの娯楽も発達した。東京で行われる大相撲初場所の勝敗を予測して町民同士が2週間競い合う「疑似相撲」や、身近な雪かきの道具を羽子板代わりにして遊ぶ雪上羽根突きは、辛苦の季節に互いの顔をつきあわせて励まし合い乗り越えようとする心意気に満ちている。雪を疎みながらも、受け入れ、利用し、愛して生きてきた雪国人の力強さを描く。

旅のとっておき

「北越冬物語」を担当した、新潟局の浦邉です。魚沼に興味を持ったのは5年前、新潟に赴任した直後でした。広島出身の私は大雪にびっくり。農家のおじいさんに「雪景色きれいですね!うらやましい!」と話すと、彼はニヤリ。「みんなそう言うが、本当のつらさも良さも暮らさなければ分からないんだ」。続きを読む

ポスター
北越冬物語
[図版]『北越雪譜』:鈴木牧之記念館 所蔵
[写真] 冬の星峠棚田:公益社団法人 新潟県観光協会/青野康廣 新緑の星峠棚田:松本 勝
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