京都 西陣

京都府
2016年1月8日 放送

平安京の造営時から続く、日本最大の和装織物の産地、京都・西陣。時の権力者お抱えの職人集団が日本の美の礎を築き、都(みやこ)の繁栄を支えた町である。雅な世界を支える一方、職人たちが代々暮らす入り組んだ路地からは機音が響き、懐かしい昭和の風景が今も残る。織物でつながる人々の暮らしは、「西陣村」とも言われるほど。
老舗帯問屋の10代目は、蔵から発見された200年前の織物見本をもとに、新しい西陣織に挑戦。その夢を、織屋、糸染屋、糸を整え束ねる整経屋など、それぞれの専門分野を極めた職人集団が支える。また、豊臣秀吉が開いた北野大茶会を起源とする日本最古の花街「上七軒」。その華やかな文化を支えるのは、“旦那衆”と呼ばれる織物業の経営者たち。10代で親元を離れ、芸を磨く芸舞妓たちを、一人前になるまで支援する。そして、同じく西陣の地に家元をおくのは、千利休以来の茶の湯の伝統を受け継ぐ武者小路千家。西陣の染織工芸に欠かせない清らかな地下水は、茶にとっても最高の水と伝えられ、毎朝、井戸からくんだ水で茶を点てる。
千年の都の歴史が凝縮され、色濃く残る「西陣」。技を受け継ぎ、絆を育む、織物の町の物語。

<オムニバス項目(抜粋)>
●江戸時代の商品カタログ…
  帯問屋の蔵で発見された200年前の西陣織。幻の技に挑む職人達。
●町全体が一つの工房…
  20以上ある工程を職人が分業で作り上げる西陣織。その技と誇り。
●織物がつないだ地域の結束…
  子どもからお年寄りまで、町をあげての区民運動会。
●日本最古の花街…
  芸の道に生きるうら若き芸舞妓。彼女たちを支える西陣男の“粋”。
●おいでやす路地裏へ…
  西陣は路地の密集地。秋祭り、駄菓子屋、懐かしい風景と営み。

旅のとっておき

「京都 西陣」の回を担当した京都放送局の新野です。新年一回目の放送ということで華やかに!京都らしいものを!ということで、西陣織の産地として知られる「西陣」を紹介させていただきました。雅な京都はもちろん「西陣村」とも称される地域の人たちの絆を感じていただけたら幸いです。さて、旅のおすすめですが、1つめは番組でも紹介させていただいた「今宮神社」です。続きを読む

ポスター
京都 西陣
[協力]今宮神社
西陣織工業組合 所蔵 日本画「つづれ織る人」高木勇 作
[写真]コトログ京都/油谷
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