広島 七川 春模様
広島県
2014年4月25日 放送
古くから“七川のまち”と呼ばれてきた広島は五つの島が繋がってできた町。川の間の大きな島が“広島”の名の由来とも言われ、上空から眺めると、川がまるで血管のように縦横無尽に街中を流れている。春は川沿い一面に桜が咲き誇り、川面とのコントラストが人々の目を楽しませる。一方、町の中心を流れる太田川と相生橋は原爆投下の目印となり、広島の町を一瞬のうちに焼け野原とした。
地盤の悪いデルタ地帯に都市を築いてきた広島の人。川から注ぎ出す栄養分を大切に河口で始めたカキ養殖、建造しにくい地下鉄の代わりに路面電車を展開、次々と橋を架け、日本一の路面電車国となった。古くからの鯉の産地でもあり、焼け野原になった戦後、「出世魚の鯉にさらなる飛翔の願いをこめて」“鯉(カープ)”という名の市民球団を作り、復興の支えにしてきた。
川と橋の町、広島に生きる人々の営みを見つめ、その個性的な風土に迫る。
<オムニバス項目(抜粋)>
●雁木タクシーの旅…
川を走る雁木タクシー。しじみ漁や青鷺の島など川の町広島の素顔を巡る
●島々つないだ車両…
路面電車を通すために、島々を結ぶ橋が架けられ、都市・広島は発展する
●川筋が生んだ商人街…
日本一の生産量を誇る広島針。源流で育まれたたたらの鉄がその原点
●鯉(カープ)を愛す…
“鯉に飛翔の願いを”市民球団は戦後の力に。今も広島人を熱狂させる
●もうひとつの大河…
中四国随一の歓楽街・流川。水の流れない広島のもうひとつの川を探索
●七川の恵み・カキ漁…
中国山地の栄養分が七川から流れ出し、その河口で始まったカキ養殖
ポスター
[写真]油谷勝海 [協力]株式会社 小西養鯉場