北海道 野付

北海道
2014年3月7日 放送

北海道の東の果て、オホーツク海に向かって日本最大の砂嘴が伸びる、野付。冬には吹雪が荒れ狂い、目の前の海も凍りつく酷寒の地。各地から流れ着いた人々が、肩を寄せ合い、自然に逆らわず漁をして生きてきた。冬には凍った海に穴を開けて網を仕掛け、秋には強い風を帆に孕ませた打瀬船で網を引く。野付は江戸時代、国後島にわたる玄関口として北方交易の拠点でもあった。砂と枯れ木ばかりの野付半島の先端には、かつて武家屋敷が立ち並ぶ「キラク」と呼ばれる“幻の町”があったという。一説では「気楽」と当てるらしい。町の賑わいは幻だとしても、食べていくには困らない。自然が厳しい土地ながら、老いも若きも「気楽」に生きる野付の四季を見つめる。

<オムニバス項目(抜粋)>
●厳しい冬の暮らし...雪に閉ざされた冬の「贅沢」な保存食。夜の楽しみ「下の句かるた」。
●氷の下からの恵み...氷下待ち網漁。結氷する湾に開けた穴から魚が「湧き出る」。
●移住者たちの新天地...明治時代の「番外地」への入植。人々を結びつける唄。
●伝説の舞台...半島の先端に町があったというキラク伝説。国後島へ渡る玄関口だった。
●自然との調和...湾内に繁茂するアマモを傷つけない打瀬船でホッカイシマエビを獲る。
●冬が呼ぶ美しさ...カメラマンを魅了する「四角い太陽」、オオハクチョウの群れ。

旅のとっておき

「北海道 野付」を担当した由井です。
今回、タイトルにわざわざ「北海道」とつけたのは、もしかしたら野付という場所がいわゆる“ザ・ニッポン”としてあまり知られていないのでは、という考えからでした。札幌市と野付半島は直線距離にして300キロ以上離れています(東京―名古屋は260キロ)。続きを読む

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