2013年11月15日 放送

夏の訪れと共に、釣り人たちの心をざわめかせる魚がいます。「鮎」。
なぜ日本人は、かくも「鮎」に魅了されてきたのでしょうか。
6月の漁の解禁では、全国の川に釣師が集まります。腕自慢の太公望をひきつけてやみません。京都の料亭では、とれたての鮎の塩焼きを楽しむ食通たち。
香魚ともいわれる独特の香り、ほのかな甘みをもつ柔らかな身の味。

鮎は、古くは古事記や日本書記にも記され、遠い昔から日本人に親しまれてきました。
平安時代の辞書には、こう記されています。
「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す。故に年魚と名づくなり」

春、海から川をのぼり、
夏、川底の石について藻を食べて大きく育ち、
秋、川を下って産卵し、短い命を終える。
四季の中で、誕生から死までを過ごす儚い命。

川の記憶と共に、私たちの心に残る魚、鮎をめぐる物語を探しに全国を旅します。

旅のとっておき

「鮎」を担当した米本です。
鮎は北海道から九州まで、日本各地の河川にいる魚です。沖縄本島には「リュウキュウアユ」と呼ばれる亜種がいましたが、今は絶滅し、奄美大島だけに生息しています。各々の地方に独特の漁法があり、「オラが川の鮎が一番うまい」というお話も至る所で耳にしました。地域それぞれに、これだけ思い入れがある魚も珍しいかもしれません。続きを読む

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