月の夜

2013年10月25日 放送

月を愛でる文化、そして月の満ち欠けのサイクルを生活に取り入れた「旧暦」の営みは、古来、日本人の暮らしに色濃く根付いてきました。
とりわけ京都と沖縄の八重山地方には、まさに蜜月と言えるほど生活に密着した「月」との暮らしがあります。京都の町家では月見を執り行うゆかしい作法が先祖から脈々と続き、皇族や摂関家の子弟が出家する門跡寺にも、神秘的な力を授けてくれる信仰の対象として月がありました。
一方、沖縄の八重山地方では、月は唄の重要なモチーフになっています。その1つ「月ぬまぴろーま(真昼間)」と呼ばれる民謡は、真昼間のように明るく照らしてくれるお月さまに、愛しい人への想いが成就するよう願った情感豊かな唄です。月を唄った民謡は幾つも存在し、島民の暮らしに欠かせないものになっています。月とともにある人々の営み、満月の夜に神秘的な塩を作ろうと、手作業で海水を汲む製塩業者、潮の干満を見計らい、マングローブの海に布を張る染織家、子孫繁栄を月に願う十五夜の祭。月を慈しみ、旧暦で暮らし、潮の満ち引きを取り入れて生きる人々を見つめました。
空気が澄み渡る秋の夜長に、あらためて美しい月に目を向けてみませんかー。

紹介したトピックス
掲載までしばらくお待ち下さい。
旅のとっておき

「月の夜」を担当した荒木です。
今回の企画に携わってから、八重山地方各地の美しい風景を撮影する為に、とにかく、色んな場所を見て回りました。日本一の星空と言われる程の夜の絶景、黄昏時に奇跡的な輝きを見せるビーチ…など、私自身が感動した、ビューポイントを幾つかご紹介したいと思います。続きを読む

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