木曽

長野県
2012年9月7日 放送

樹齢300年を超えるヒノキの巨木が無数にそびえる「長野県木曽地域」。木曽には歴史の表舞台にほとんど登場してこなかった「山の民」の暮らしや文化の記憶が、今も色濃く残っている。
木の伐採をなりわいとしてきた「杣(そま)」と呼ばれる人たち。木を知り尽くした彼らは、斧を使った独特の伐採技術を数百年にわたって伝承してきた。20年に1度、伊勢神宮の遷宮の際に奉納されるご神木は彼らにしか、伐採が許されていない。
木曽の山奥には、「木地師(きじし)」と呼ばれる木工職人たちの集落がある。「漂泊の民」だった彼らの祖先はおよそ1千年にわたって、日本中の山に自由に立ち入ることが許可されていたと伝わっている。明治時代に木曽に定住した後も、独自の暮らしを続けている。
木曽地域で1500年以上も前から飼われてきたという在来の馬「木曽馬」。農耕や木材運搬など、山での暮らしに欠かせない存在だったが、一時は絶滅の危機に瀕した。しかし、地元の人々の熱意によってその血統が守られ、数は少しずつ回復している。
大昔から山の恵みを享受し、山の神々に感謝を捧げてきた木曽の人々。知られざる山と日本人との関わりをたどる物語。

紹介したトピックス
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旅のとっておき

「木曽」を担当しました森田です。『すべて山の中である』といわれた土地での、自然を敬い、山とともにある営みの物語、いかがでしたでしょうか。今回の取材で特に印象的だった場所は、350年前から厳しい管理のもと守られてきた特別な森、「奥千本」です。木曽の山の奥にあり、樹齢300年を超すヒノキが無数にそびえ立つその場所は、とても静かな森でした。続きを読む

ポスター
木曽
版画:隅野尚人 協力:池田聡寿/山口祥作
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