祖谷 大歩危

徳島県
2012年6月8日 放送

四国の山奥に、まるで隠れ里のような集落が点在する土地がある。徳島県の「祖谷 大歩危(いや おおぼけ)」地区。集落の下と上では高さが400メートルも違う急斜面の山肌に、しがみつくように立つ家々。人々は掘ったジャガイモが転がり落ちるような急斜面を耕している。わき水を家に引き、自分の畑と山の恵みに頼る自給自足のような暮らしの中、ただ静かな時間が流れていく。長い間、外部と隔絶されてきたこの場所には不思議な言い伝えや習慣が残されている。この地に逃れてきた平家の落人の末えいは、追っ手を恐れ、名前を伏せた墓を守っている。つきものを落とし邪を祓う祝詞を語り伝える一族。妖怪を見た人々。他の土地では信じられないような物語が、ここでは生き生きと語られる。険しい土地で歴史を重ねてきた人々の、美しい四季を描く。

旅のとっておき

「祖谷・大歩危(いや・おおぼけ)」を担当した岸本です。四国山地のまんなか。ちょっと謎めいて、なぜか懐かしい「隠れ里」の魅力を楽しんでいただけたでしょうか?取材場所は、基本的に全部斜面。正直キツかったです。一日取材していると、体のいろんなところの筋肉が悲鳴をあげます。続きを読む

ポスター
祖谷 大歩危
写真:荒井賢治 協力:茂地鉦おどり保存会
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