阿波おどり

徳島県
2011年8月5日 放送

毎年八月、お盆の四日間に行われる徳島の阿波おどり。踊り手10万人 観客135万人。
日本で最も多くの人を集める盆踊りである。
メインステージの演舞場では「連」と呼ばれるグループごとに踊りを披露する。100人を超える集団が、一糸乱れず踊る光景は圧倒的な迫力だ。
踊りの舞台はそれだけではない。交通規制された街中から小さな路地まで、至る所で人々が踊り出す。阿波おどりのリズム「ぞめき」には人を踊り出させる魔力がある。
阿波踊りの起源は、死者の魂を慰めるための踊りだった。大正時代、人々が踊りを通じて死者と交流していると感じたポルトガル人はその光景を書物にして世界中に紹介した。
それは同時に、庶民が生きる喜びを確かめる踊りでもあった。空襲で焼け野原となった直後も、人々は焼け残った浴衣を着て踊り出した。その輪の中から、幾人もの踊りの名手が生まれ、阿波踊りは歓喜の祭りへと発展した。
昭和の初期、全国に阿波おどりを広めた伝説の歌い手。踊りを芸術の域に高めた女踊りの名手。新しい町に阿波踊りを根付かせた徳島出身の実業家。熱狂の踊りに魅せられた人々の、心に響くドラマの数々を迫力の映像で描く。

旅のとっておき

「阿波おどり」を担当した岸本です。
10万人の踊り手と、130万人の観客が押し寄せる、熱狂の祭り・阿波おどり。時には娯楽として人々を楽しませ、時には人々の生きる力になる。番組を通して阿波おどりの奥深い魅力を一人でも多くの方に感じていただけたら幸いです。続きを読む

ポスター
阿波おどり
写真:藤澤義夫/上野照文 協力:阿波おどり振興協会「ゑびす連」/徳島県阿波踊り協会「まんじ連」/阿波踊り情報誌『あわだま』編集部 南和秀
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