諏訪

長野県
2011年6月17日 放送

巨木とともに男たちが命がけで崖を転がり落ちてゆく御柱祭。信州・諏訪で、千年を超えて受け継がれてきた。6年に一度の祭の年、諏訪では、各地の神社や道端の小さな祠など、神さまのそばに数万本ともいわれる御柱を建てて祝い、春から秋にかけて祭り一色に染まる。
周囲を山に囲まれた諏訪の大地。不思議な風習や神事が守り伝えられてきた。厳冬の諏訪湖を覆った氷がせり上がる御神渡りの姿から、その年の吉凶を占ってきた人々。御神渡りの神秘が聖なる地を生み、それが起源となったという諏訪大社。木や石に宿る土着の神に千年を超えて仕えてきた一族。蛙を生贄として捧げる狩猟の神の信仰・・・。
諏訪を心の故郷とした芸術家の岡本太郎は、御柱祭の群集に飛び込み、思わず声を上げた。「御柱祭は、縄文人が満ち満ちている!」 遥か昔、森と水に恵まれ、縄文の豊かな文化が花開いたという諏訪。縄文の人々は、巨木を大勢で引き、聖地に建てる御柱祭と同じような光景を繰り広げていたといわれる。
荒々しい自然のなか、生と死が紙一重だった縄文の魂が、今も息づいている諏訪。日本人の祈りの原点を守り抜く人々の物語を紹介してゆく。

旅のとっておき

「諏訪」を担当した川口です。
取材をして改めて感じたのは、諏訪という土地は、不思議と謎に満ちているということです。御柱を建てる理由すらはっきりとはわかっていないのに、あれだけのエネルギーを注ぎ、命をかけるほど熱くなれるのは何故なのか?"諏訪人の血"という言葉を何度も聞きましたが、それでわかった気にはなれず、今もいろいろな思いを巡らし続けているところです。続きを読む

ポスター
諏訪
写真:「秋宮一之御柱」柳澤俊次/「御柱祭」NHK長野「わたしの御柱」より 協力:諏訪大社
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