京都 色いろ

京都府
2011年4月8日 放送

「刈安(かりやす)」「梔子(くちなし)」「萌葱(もえぎ)」。すべて色の名前である。日本人には、わずかな色の違いを巧みに表現する色彩感覚があるという。その多くは、古都・京都で生まれ今も息づいている。かつての日本は色の峻別が少なかったといわれるが、大陸から様々な文物が流入してから、日本人の色彩感覚は急速に目覚め、新たな色を生み出してきた。絶え間なく「色彩の革新」に挑戦し続けてきた京都人の姿を描き、日本人の美意識を浮き彫りにする。

<オムニバス項目(抜粋)>
●京都が生み出した襲(かさね)の文化
平安貴族の教養は「色で季節を愛でる」こと。その代表とも言えるのが、十二単(五枚襲)。季節ごとに色の組み合わせを変えた当時の貴族のたしなみを絵巻や再現された着物で表現。
●祈りの色
京都で目をひく寺社仏閣の朱色。この朱色を広めたのが伏見稲荷大社だ。古来より魔除けの意味を持っていた「朱色」を建物から鳥居まで使い「神社=朱色」のイメージができた。
●無色の美
鎌倉時代に禅宗の影響からモノトーンが流行した。「無色=無欲」として”水墨画”と”枯山水”がもてはやされた。「貧困に堪える事を美徳とした武家精神」と色の関係を見る。

紹介したトピックス
旅のとっておき

「京都色いろ」を担当した小山です。
番組を見て下さった皆さん、京都の色の魅力は伝わったでしょうか。取材をして改めて思い知ったのは、「京都は日本の都だったんだ」という至極当たり前のことでした。黒の芸術・水墨画しかり、色と形で四季の風景を映し出す和菓子しかり、色鮮やかな花鳥風月の友禅しかり、金色の輝きを放つ蒔絵しかり。続きを読む

ポスター
京都 色いろ
写真:岡田正人
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