うなぎトリビア。
「うなぎ」を担当した伊勢です。
暑い夏はビールとうなぎが売れるらしいです。僕はどちらも好きです。日本人がビールを飲むようになったのは明治かと思いますが、うなぎは5000年以上前の縄文時代。そんな長い付き合いの「うなぎ」の豆知識をいくつか。
8世紀の万葉集に大伴家持がこんな和歌を収めています。
「石麻呂尓吾物申夏痩尓吉跡云物曽武奈伎取喫」(石麻呂に吾物申す夏痩せに良しといふ物ぞ鰻漁り食せ)
痩せている石麻呂という老人に、「夏痩せに効果があるらしいから、鰻を捕って召し上がりなさい」と少しからかいつつ「うなぎ」を勧めています。この時代にはすでに「うなぎ」は滋養強壮、元気が出る食べ物として認知されていたんですね。
実はこの歌には続きがありまして、
「痩々母生有者将在乎波多也波多武奈伎乎漁取跡河尓流勿(痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな)」
「痩せ過ぎていても、生きていけるなら儲けもの。万が一、鰻を捕ろうとして川に流されなさるな」と大伴家持、ふざけています。石麻呂さんはどうしたらいいのでしょう…
続いて、東西の調理方法の違いについて。
関東では鰻を背開きにし、頭を落とします。その後、白焼きにしてから蒸して、タレを付けて焼き上げます。うなぎを背開きにして調理するのは、武士が多い江戸の町では腹開き=切腹を連想させる為、敬遠されたんだとか。またタレを付けて焼く前に蒸すのは関東のうなぎは関西のうなぎに比べて脂が多かった為、蒸すことにより余分な脂を落としていたと言われています。
関西ではうなぎは腹開き。関東と違い、鰻の頭も付けたまま、地焼きします。蒸しません。腹開きなのは、大阪は商人の町で腹開き=腹を割って話すからなんだとか。真偽のほどはわかりませんが、武士の町・商人の町ならではの話です。
最後に「半助」って知っていますか?うなぎの頭のことです。「半助」というネーミングの由来は諸説ありますが、その昔、お金の一円を「円助」と呼び、うなぎの頭ひと山の売値は五十銭だったとか。大阪では、この「半助」を食べる習慣があります。半助はまったりしたコク、甘みが特徴で、美容にいいコラーゲンもたっぷり。また脂が乗っているので、濃厚なダシがとれます。大阪の家庭料理『半助豆腐』は半助と焼き豆腐を水で薄めたしょうゆと砂糖で甘辛く炊き、最後にネギを入れたもの。 昔はどの家でも食べていたといいます。 「半助」は食材を無駄なく使う始末の精神の象徴。食い倒れの町、大阪ならではの考え方ですね。
以上、ご存知だったかもしれませんが、私が勉強になった「うなぎトリビア」でした。
ちなみに山椒には消化を助ける作用があるそうです。
投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク