2017年2月28日

2017年02月28日 (火)

私のおすすめ堺。

私が「堺」を担当した動機は「そこに古墳があるから!」。縄文時代の土偶の番組や、伊勢神宮の古代史の番組を担当したことのある私は、堺=古墳の町として興味を持った次第。しかし!行ってみると、古墳には入れないし、下から見ても森にしか見えないし。しかも中世の「南蛮貿易で栄えた自治都市」の面影は大坂夏の陣&太平洋戦争の空襲により見る影もないしで、途方に暮れた次第。しかし!しぶとく通って取材を続けてゆくと、古墳時代と中世、そして現代が切れているようでつながっている糸が見えてきて、面白くなってきた次第。大阪から電車でわずか20分で別世界の広がる堺、番組では紹介できなかったお得情報を少々。

1kofuncurry80.jpg古墳の町・堺には、古墳にまつわる名物が生まれています。その一つが「古墳カレー」。

仁徳天皇陵古墳の近くにある「花茶碗」という店では、古墳好きの名物ママ・中屋麗子さんが作る「古墳カレー」が人気。特注の器でご飯を前方後円墳の形に盛り、周りにカレーをかけると、お濠に囲まれた仁徳天皇陵古墳のできあがり。頼むと、上にブロッコリーを乗せた「古墳の森カレー」も作ってくれます。中屋さんは仲間を集って古墳の清掃活動も行っています。古墳がつなぐ、あったかい人の縁。

2toretoreichi.jpg番組で紹介したタチウオ漁の漁船が出る「出島漁港」では、土日に「とれとれ市」が開かれています。古来、豊穣の海として知られた堺の海。高度成長期には巨大埋め立てが行われ、漁業は衰退しましたが、今は水質も改善され、良い魚が戻ってきています。タチウオ、黒鯛、イカにタコ・・・堺の海でとれた魚がその場で買えて、その場で食べられます。

値段もお得ですよ。

3shiyakusho.jpg下から見ても形がわからない巨大古墳。その大パノラマを楽しめるのが、市役所の22階。360度ガラスの展望スペースになっており、大阪、瀬戸内海、そして日本一大きな

「仁徳天皇陵古墳」、3番目に大きな「履中天皇陵古墳」ほか百舌鳥(もず)古墳群の壮大なランドスケープを無料で楽しむことができます。夜景もきれい。

堺市役所の展望台は朝9:00~夜9時オープン。℡072-233-5258

※写真は別の建物からの風景です。

4freejaz.jpg明治時代に建てられた紡績工場に手を入れたオープンスペースが「Spinningmillスピニングミル」。ギャラリーやライブハウスとして解放しており、番組の撮影期間にやってきたのがニューヨークのフリージャズトリオ。ギターのTODD NEUFELDは、私が最も尊敬するピアニスト、菊地雅章の晩年に寄り添ったナイスガイで、演奏も実にシャープかつエモーショナル。この空間を「ブルックリンのロフトみたいだね!So Cool!」とご満悦だった。

5furukiyokikofun.jpg番組の冒頭で ♪ものの始まりなんでも堺 三味も小唄もみな堺♪

「堺音頭」を歌うのが、86歳の春日豊節夫さん。春日さんは、今やほとんど誰も知らない堺を知っている。それは「龍神」という、今はなくなってしまった海辺の花街。この町に生まれ育った春日さんは、芸者が200人もいた華やかなりし「龍神」の思い出を語るとき、実に嬉しそうな表情を浮かべる。三味線を弾いてもらいながら話を聞いていると、美しい白浜や、芸者を囲んでのさんざめきが甦るようだった。

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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