2014年11月 4日

2014年11月04日 (火)

多摩川の知られざる顔

「多摩川」を担当した米本です。

 

多摩川は、これまで数々の番組で取り上げられており、もうネタはないのではないか・・・と、事務局の皆さんにも心配されました。しかし、角度を変えればまだまだ知られざる顔を見せてくれます。今回は、番組ではご紹介し切れなかった見所を中心にご案内します。

 

【ポイント① 笠取小屋】

多摩川の源流がある、笠取山。全長138kmの多摩川の源流「水干」(みずひ)を拝むことができます。水干の上には、東京の水源への感謝を込めて大正7年に祀られた「水神社」という小さな祠があります。水の大切さ改めて思いを馳せるには、うってつけの場所です。

 

この笠取山、日帰りでも登れますが、ゆっくり楽しむのに非常に魅力的な宿があります。その名も、「笠取小屋」。ご主人の田辺静さんは、先代の父親からこの山小屋の管理を受け継ぎました。取材でも一晩お世話になりましたが、古くからファンの方々が大勢集まる、大変アットホームな山小屋です。山の湧き水で淹れた「源流コーヒー」も格別の味。

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〈源流の宿・笠取小屋〉

 

毎年5月には賑やかな「水干祭」が催されます。一度は廃れてしまった祭を、田辺さん始め地元の有志の方々が復活させました。誰でも参加でき、おいしい山菜料理も食べ放題。クライマックスは「水干の歌」という、水の恵みに感謝する歌をみんなで合唱します。「笠取小屋」で検索すれば、ホームページが見つかります。交流掲示板に、笠取小屋を愛する皆さんの書き込みも随時更新されていますので、是非そちらもご参照下さい。

 

 

【ポイント② 羽田の祭】

多摩川の河口・羽田の町。普段は静かな漁師町ですが、夏になれば浅草も顔負けの祭の町に変貌します。多摩川流域の人々は、源流も河口も祭好き。今年取材したのは、毎年恒例の羽田祭の時期でした。多摩川の河原を神輿が行き交う盛大な様子を見ることができます。

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〈羽田の夏祭・多摩川沿いをゆく神輿〉

 

羽田の神輿は、荒々しく揺らす独特の担ぎ方をします。「ヨコタ」と呼ばれ、激しい船の揺れを表現したもの。2日間にわたる祭の間、街中そこかしこで酒を酌み交わし、「羽田弁」と呼ばれる江戸っ子の方言も飛び交います。撮影でお世話になった中山さんご夫妻と話しているうち、モヒカンでバッチリ決めた名物おじさんにも遭遇しました。多摩川の河原は、どこへ行っても不思議と人が集まる「居場所」がそこかしこに。祭は毎年、7月最後の土日に開催されます。多摩川の別の顔を知りたい方は、ぜひ足をお運び下さい。

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〈多摩川の昔の思い出を話してくれたモヒカンおじさん〉

 

【ポイント③ 雪女の部屋】

そして、多摩川に多少詳しい方でも意外に知らないのが、小泉八雲の小説「雪女」の舞台となった青梅市。JR青梅線の青梅駅から徒歩5分ほどの「昭和レトロ商品博物館」に、その詳細が展示されています。tamagawa4.JPG

〈青梅の昭和レトロ商品博物館・雪女の部屋〉

 

古民家を改造した建物の2階に足を運ぶと、ちょっと恐い雰囲気の部屋が。ここは「雪女の部屋」。番組でも登場した雪女探偵団の皆さんが調査した詳細が展示されています。運が良ければ、番組にも出演している郷土史家の小川秋子さんが、“雪女”の物語を青梅弁で語ってくれます。博物館から更に10分ほど歩いて多摩川に向かうと、「調布橋」に出ます。ここが、探偵団が突き止めた、雪女の舞台となった河原。橋のたもとには、「雪おんな縁の地」という石碑も建てられています。

 

都会なのに自然が豊かで、近年はアユも沢山のぼって来る多摩川。でも、そんなよく知られた顔以外にも、色んな一面が。探せば、きっと他にも沢山の見所が発見できます。河口から上流まで、自転車で巡る旅も可能で、参考になる本もいくつか出版されています。私も多摩川の近所に住んでいたことがある、“多摩川ラブ”な一人です。首都圏の方は、普段は通り過ぎるだけの多摩川を、ちょっと見方を変えてぜひ訪ねてみてください。

投稿時間:10:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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