2011年06月28日 (火)

人形供養の社(やしろ) 淡嶋神社

「人形 愛し愛され」を担当した萩原です。

和歌山市にある淡嶋神社は、3月3日の「雛流し」をはじめ、人形供養の神社として知られています。日本人と人形の関係を探る上で、外せない場所だということで訪れました。
まず驚いたのは、拝殿に奉納されたひな人形の山。この1年で寄せられたもので、女雛と男雛だけで3千体以上はありました。そして、市松人形をはじめ様々な日本人形、干支の置物、招き猫などが境内に所狭しと並べられています。これだけまとまった数の人形を目の当たりにするのは日本中でもここだけかもしれません。しかも其々が、何らかの理由で持ち主の手を離れた人形達です。そこには、今まで感じたことのない不思議な"気配"が満ちていました。

 

doll_01.jpg

【画像:市松人形】

人形を供養するとはどういうことなのか?
何人かの方にお話を聞きました。「結婚式のお祝いにもらった人形。送り主も亡くなったので納めにきました」「夫婦の思い出の人形ですが、子供と同居することになり、自分たちの思い出の品を整理するためにもってきました」など、理由は様々。
一番印象に残ったのが、"マリちゃん"と名付けられた、抱き人形を納めにきた女性の話でした。40数年前、娘さんに買い与えた人形"マリちゃん"。娘さん同様に洋服を縫ってあげたりして可愛がってきたそうです。「自分が死んだら、ゴミと一緒に捨てられてしまう。そうならないようにもってきたんです」最後の別れのとき、女性は涙を流して名前を呼び続けていました。「マリちゃん、さよなら・・・」
大切にしてきた人形は自分自身の分身なのではないでしょうか。人形を供養するとは、今までの人生に区切りをつけ、そして未来への一歩を踏みだす儀式だと感じました。

 

doll_02.jpg【画像:マリちゃん】

人形とは少々離れますが、神社近くの食堂で食べた料理が忘れられません。淡嶋神社は紀伊水道に面した海沿いに位置しています。近海で獲れた海の幸をふんだんに使った海鮮丼やシーフードカレーの美味しかったこと!また味わってみたいと思っています。そして海に沈む夕日はまさに絶景。人形を巡る旅の合間に、ほっと一息つくことができました。皆様も是非一度淡嶋神社を訪れてみてください。

 

doll_03.jpg【画像:夕日】 

投稿時間:10:20


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