2017年04月04日 (火)

雪国は、あったかい。

「北越冬物語」を担当した、新潟局の浦邉です。

魚沼に興味を持ったのは5年前、新潟に赴任した直後でした。広島出身の私は大雪にびっくり。農家のおじいさんに「雪景色きれいですね!うらやましい!」と話すと、彼はニヤリ。「みんなそう言うが、本当のつらさも良さも暮らさなければ分からないんだ」。この言葉がドスっと刺さり、単に「過酷」「景色がきれい」だけではない雪国を見つめてみたいと思いました。

取材を通じてわかったのは「雪国はあったかい」ということ。魚沼には、雪の厳しさも優しさも全て受け入れて生きるからこそ感じられる幸せがありました。そんな魚沼を楽しむための情報をご紹介します。 

1hokuetsuseppu.jpg『北越雪譜』の原本が見られるのが「鈴木牧之記念館」。その中央に御座す木像こそ作者の「鈴木牧之(すずき・ぼくし)」。

2suzuki.jpg越後上布の問屋だった牧之は、商売で江戸に出た際、「雪きれい~♪」とはしゃぐ人々を見て、「雪国のリアル教えてやるわい!」と一念発起。仕事の傍ら夜な夜な筆を執り、40年かけて出版にこぎつけました。雪国仕込みの粘り強さというか執念というか・・・。記念館では、牧之の著作はもちろん、越後上布や雪国の暮らしもたっぷり学べます。

「鈴木牧之記念館」:南魚沼市塩沢1112-2/025-782-9860(火曜休館)

 

3matusirotanada.jpg魚沼と言えばお米!甘みがあり粘り気と固さも絶妙。お米はその土地の水で炊くのが一番美味しいらしいので、ぜひ魚沼で味わってみて下さい!さらに、目で見て楽しめるお米スポットが、十日町市松代地区の棚田群。

4matsushiro2.jpg初夏には水を張った田一枚一枚に月が映り込む「田ごとの月」、秋には黄金に輝く絶景、初冬には雪どけを促すために田に水を張った幻想的な姿が楽しめます。ちなみに、真冬は入れません。今回の番組で冬の棚田を撮影しようとしたのですが、そもそも棚田に至る道がなくなっていました・・・。恐るべし、豪雪地帯。

 

5yasai1.jpg魚沼の人々は身近にある物を利用するのがとても上手。その代表が、野菜の雪中保存です。水気を逃さず鮮度を保つ知恵ですが、さらにすごいのが、野菜が甘くなること。「まさか」と思いかじると、本当にキャベツの芯が甘い!寒さに耐えようと野菜が糖分をため込むそうです。

6yasai2.jpgまさに雪国だけに許された贅沢。近年、越冬野菜は地元の直売所でも手に入るようになりました。ちなみに、秋山郷の猟師さんも獲物の肉を雪中に保存し臭みを消すのだとか。今年は埋めておいた鹿の肉を近所の犬に食べられたらしく、悔しそうでした。

 

7tsukiyomawari.jpg最後に雪国のミステリー?をひとつ。撮影をしていた1月半ばの大雪の日、除雪中の方に「今日も吹雪きますね」と言うと、「今夜は『月夜まわり』だからじきに晴れるさ」と。さらに、車で1時間離れた別の地区でも、「今日は『月夜まわり』だから夜は大丈夫」と。「・・・『月夜まわり』ってなに!?」と思い夜を待っていると、出てきたのは満月。すると、吹雪いていた雪がうそのように降り止んだのです。地元の方によると、満月の夜はなぜか雪が降らず、これを「月夜まわり」と呼ぶそう。知れば知るほど興味が尽きない雪国です。

投稿時間:11:00


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