2016年03月08日 (火)

横須賀カレイドスコープ

取材でお世話になった皆様、放送をご覧くださった皆様、本当にありがとうございました。「横須賀」の回を担当した横浜放送局の私市(きさいち)です。

横須賀は、番組の中でも地元の方がおっしゃっていたように、「海があり、山があり、船があり、アメリカがあり、いろいろなものがある街」。万華鏡のように様々な表情がきらめき、訪れる方それぞれが、それぞれの横須賀を発見されると思います。番組では、その魅力の一端をお伝えいたしましたが、機会があれば、実際に横須賀を訪れてみてください。

その時にはぜひ、ディープな横須賀の歴史に触れていただきたいと思います!

150年の歴史に触れるツアー

幕末の慶応元年(1865年)に、造船施設の建設が始められ、同時に街の発展が始まってから、150年が経ちました。当初は「横須賀製鉄所」と名付けられ、のちの横須賀軍港の基盤となります。日本人が初めて目にする最先端の機械が設置され、初めてメートル法の使用が導入されるなど、日本の近代化をけん引していきました。

そのシンボルともいえるのが、今も現存する造船施設のドライドック(船渠せんきょ)。

横須賀軍港には、明治4年に完成した1号から、昭和15年に完成した6号ドックまで、6つのドックがあり、そのすべてが現存しています。造船は行われていませんが、使われています。

現在はアメリカ海軍の基地の中にあり、アメリカ海軍や、海上自衛隊の艦船を修理するのに実際に使われています。現役で稼働中なので、普段見ることはできませんが、年に数回、見学ツアーが、行われています。

私たちは、去年10月のツアーに参加してきました。

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参加したのは、よこすかシティガイドの荒木益男さんがガイドを務めるツアー。荒木さんは、横須賀生まれの横須賀育ち、地元の魅力を伝えるボランティアガイド歴は15年以上のベテラン。86歳というご年齢にも関わらず、ピンと伸びた背筋と長い脚で、広大な基地の中を、6キロくらい歩いて回るウォーキングツアーの先頭を率いていきます。

【歴史ツアーの見どころ その1】

1号ドック―慶応3年(1867年)着工、明治4年(1871年)完成。

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yokosuka3.jpg ○荒木さんのお話から○

「皆さんに見て頂いているのが、日本で一番古いドックでございます。誰が設計したの?というお話がよく出ます。これはフランス人の技師、横須賀製鉄所初代所長のフランソワ・レオンス・ヴェルニー。2万2500個の石材が使われているそうです」

ドライドック建設で、フランス人技師ヴェルニーが特に気を使ったのが、石の選定だったそうです。各地の石材産地をめぐり、石材探しに奔走。ドックや護岸の建設に、現在の神奈川県西部や静岡県の伊豆地方で産出した石材が使われたという記録があるそうです。神奈川県の西部と、東京湾に面した横須賀は、直線距離で60キロくらい離れています。大量の石材は船で運んだのでしょうか、このドックの建設がいかに大事業だったかが想像できます。ちなみに、フランソワ・レオンス・ヴェルニーは、10年近く横須賀を拠点に暮らし、日本初の西洋式灯台の観音埼灯台(完成明治2年・横須賀市)、野島埼灯台(千葉県南房総市)など、日本の海運の近代化にも大きく関わりました。

歴史ツアーの見どころは、他にもあります。ブログ、来週に続きます!

投稿時間:11:00


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