神様訪ねて高千穂へ
「高千穂」の回を担当した宮崎放送局ディレクターの北野です。
取材でお世話になった皆様、番組をご覧頂いた皆様、有り難うございました。
高千穂は神々の里というイメージが先行していて、僕自身、いろんな先輩や後輩が高千穂を舞台に作った番組を見てきましたが、その実態があまりつかめない不思議な場所でした。
そして今回、ディープな高千穂を、神様と地元の人々とのつながりを見つめようと取材を進めました。
どこまで伝えられたかはわかりませんが、高千穂の人にとって、神様は意識的にも、無意識的にも、生活に深く入り込んでいると実感しました。「目に見えないもの(神様)を大切に生きる」。上手く言葉にできないのですが、人間の根っ子にある大切なことをたくさん教えてもらった制作期間でした。
さて、私のおすすめですが、番組でもメインで紹介させて頂いた「浅ヶ部集落の夜神楽」です。
中でも、番組では紹介できなかった「獅子舞&宴会」です!
夜神楽の本来の姿は観光ではなく、村のお祭り。そのため、夜神楽を舞う場所(神楽宿)だけでなく、集落中のあちらこちらの家で宴会が行われます。この集落では、そこへ獅子舞が訪ねて回るのがしきたりになっています。獅子舞と遭遇した時に頭を噛んでもらうと、1年間を平穏無事に過ごせるということで、特にお子さんは頭がよくなるという言い伝えもあり、取材当日も、皆さん、獅子舞に頭を噛んでもらっていました。運が良ければ、獅子舞だけでなく、集落の宴会に訪れた人が参加できる事もあるとか。
夜神楽は舞いだけでなく、村全体が年に一度盛り上がるお祭りの日だと実感することができます。
「年に一度、家族、親戚、友人、外から訪れる人たちが家々に集い、酒を酌み交わすことによって、絆が生まれる。舞いだけが神楽ではない」と、集落の人たちがおっしゃっていたのが印象的でした。
高千穂という場所も、夜神楽も、知れば知るほど、奥が深いものだと感じました。
ぜひ一度、九州の山の中にある高千穂へ、神様を感じに足を運んでみてはいかがでしょうか。
投稿時間:11:00