2015年09月29日 (火)

日本のなかのアジア

「新大久保」を担当したプロデューサーの中村です。

新大久保は大久保通り、職安通りと大きな道路に囲まれていますが、その間には小さな路地がたくさんあります。初めて取材に訪れた時、たくさんの猫と出会いました。もちろん、野良猫、地域猫と呼ばれる猫たちです。路地の真ん中を堂々と横切る黒猫、車の下や、公園の一角に寄り集まるいろいろな色の猫たち。自由で、気ままな生き方をしているように思いました。でも、猫も人と共生していくのは、それなりに大変。増えるのを防ぐため、ボランティアの人たちが捕獲して、避妊手術や、去勢を施し、また、街に帰しています。猫の耳に三角の切れ目を入れた猫に会ったら、そういう猫です。猫好きの方は新大久保に立ち寄った際、見つけてみませんか。早朝や夕方がおすすめです。

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新大久保の駅を出て目の前にあるドラッグストアの店の角を曲がった一角の話です。

ここは、通称イスラム横丁と呼ばれています。その名の通りインドやネパールなど、アジアの食料品のお店やレストランなどが、狭い横丁に並んでいます。独特の香辛料や食材が並び、その香りが横丁に漂い異国の街のようです。でも、日本の八百屋や魚屋もあり、威勢のいい声で客を集めています。最初はちょっと入りずらい一角かもしれませんが、みんな風貌に似合わずとてもやさしいです。日本の中のアジア、日本にいながらアジアの本物の食材が手に入るかもしれませんよ。

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その横丁のまた一角に、黄昏時、集まってくる人たちがいます。一人暮らしかなと思われるおじさんたち。目の前のコンビニでコップ酒やビール、おつまみを買い、縁石に座ってよもやま話で日が暮れていきます。そこを歩く様々な国の人たちは、誰も邪魔だと言わず、ひとしきりの小宴会を許していました。無関心というより受け入れている空気です。縁台こそないものの、昔の日本の路地の風景がそこにはありました。もちろん猫も寄り添っています。「ねーちゃんも飲んでいくかい」仕事中ですからそうもいきませんが、誘われてちょっとその気になってしまった私。日が暮れて、ではと我が家へと戻っていくおじさんたちの後ろ姿には、それぞれの人生がある気がして、この街に生きる人たちに、明日もいい日でありますようにと願った一日でした。

投稿時間:11:00


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