日本橋に行ってみた~い
「日本橋」を担当した小塚です。番組を見て「日本橋に行ってみた~い」と思われた方へ、おススメの歩き方をご案内いたします。
まずは行き方。地下鉄、東京メトロ日本橋駅(銀座線、東西線)か、東京メトロ三越前駅(銀座線、半蔵門線)が便利ですが、三越前駅で下車した方へのおすすめスポットが、地下通路に展示されている、絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」です。番組でご紹介していますね。あれです。本物はドイツのベルリン国立アジア美術館が所蔵。長さは約12メートル。1999年にドイツで発見され、作者は不明ながらも多くの歴史学者たちが江戸時代を知るための“第一級の資料”と絶賛した絵巻です。描かれているのは、ヒト1671人、犬20匹に馬13頭。それぞれが活き活きとした表情で描かれ、江戸後期の日本橋界隈の活気が伝わってきます。実は、現在進められている日本橋再開発は、この絵の賑わいを取り戻すことを目標に進められているんですよ。
<東京メトロ「三越前」駅地下コンコースの「熈代勝覧」の複製絵巻>
この絵巻に描かれている大店が「三井越後屋呉服店」で、現在の「三越」はその流れを組みお店です。そもそも店の名も「三井越後屋」の「三」と「越」に由来しているんですって。
店内では、毎週金、土、日の10時、12時、15時にパイプオルガンの生演奏を楽しむことができます。このパイプオルガン、どこにでもある代物とはわけが違います。昭和初期にアメリカから輸入されたもので、現在のお金に換算すると2億円もする高価なもの。教会で讃美歌を演奏するタイプとは異なり、無声映画や演劇の伴奏用に使われたシアターオルガンというタイプで、ポピュラーからクラシックまで、幅広い楽曲を演奏することができるんですって。演奏時間はおよそ15分。歴史を重ねた荘厳な調べに耳を傾けてみるのはいかがですか?<日本橋三越本店のパイプオルガン>
で、お次のお勧めスポットは・・・。あ、そうだ!三越には番組でもご紹介したタウン誌「月刊日本橋」が置いてあります。置いてあるのは本館1階の受付ですが、カウンターには出ていません。受付の方に言うと出してくれます。料金は無料。それを片手に街歩きの計画を練る、というのはいかがですか?
<月刊日本橋7月号の特集「日本橋でランチ」>
もし、三越で在庫が切れていたとしても、日本橋界隈の多くの店に置かれているので、“有名どころ”に入れば、どこかで入手できるんじゃないかな。ちなみに、7月号の特集は「日本橋でランチ」。夜は高そうだからまずはランチで…という方にはもってこいの情報ですね。
大きさはB6サイズ(B5の半分)。ハンドバックに入るので持ち運びには便利ですよ。
こうした小ぶりなものを愛でる傾向も“江戸好み”なんだそうです。
<練り物の老舗「神茂」の店内に置かれた月刊日本橋>
編集スタッフは4人の女性。中心は編集長の堺美貴さんです。日本橋を取材して25年。“ネタ切れじゃないですか?”という私の意地悪な質問に “やればやるほど、知れば知るほど、新しいテーマが見つかるんです”と笑顔で答えていらっしゃいました。特に力を入れているのが特集記事で、今年に入って組まれた特集は「江戸の花見(4月号)」「花火(5月号)」「河岸(6月号)」。江戸の歴史や文化を掘り下げることで、日本橋のことを伝えようとする姿勢が伺えます。
<編集長・堺美貴さん>
みなさんも、月刊日本橋を手にして、日本橋界隈をお散歩してはいかがですか?
人ごみの中に身を置くと、なんだか、絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」に登場する1671人の1人になったような気がしてくるかも知れませんね。
投稿時間:10:43